2002.03.10 ソルトレークパラリンピック、米国での反応
 

出発前の日本では、パラリンピックの話題など皆無に等しかった。ソルトレークへ入るにあたり興味があったのが、各国の今大会に対するモチベーションだった。

カール・ハンソンさんはSLOC(Salt Lake Organizing Committee)のスタッフとしてメディアセンターで働いている。おもに通信関係、すなわちインターネットや携帯電話、テレビなどに関するメディアに対してのフォローを行なっている。普段はアメリカの電話会社、AT&Tに務めており、今回SLOCから直接この仕事を依頼されたという。

オリンピックからここで働いている彼の目に、パラリンピックはどう映っているのだろうか。
「オリンピックより盛り上がりに欠けていますね。テレビで生中継されることもないし、アメリカの国民がパラリンピックを認識しているかどうかすらあやしい」
だが先日の開幕式では、観客の数も反応もすごかった。それでは胸がこみ上げてくるほどのあの感動の説明がつかないではないか。
「オープニングセレモニーは素晴らしかったでしょ? でも地元で盛り上がっているだけなんですよ。まあ4年も前から待っていたわけですから」
観客のほとんどがユタ州の人間で、とくに学生が多いという。SLOCの教育機関がオリンピック仕様の車のナンバープレートを売り、その利益をユタ州の学生たちに還元した。そのため、オリンピックを無料で観戦した生徒もいるという。パラリンピックも同様である。観る機会を増やそうというSLOCの計らいだった。

地元の盛り上がりに反し、現地に入ってからずっと違和感を抱いていた。それは警備体制の緩さだった。オリンピックの際は、メディアセンターに入るためのチェックだけで2時間近くもかかったという。我々がいまチェックされることといえば、IDとなるメディアパスを見せることくらい。これは常に首にぶら下げているわけで、感覚としては素通りのようなものだ。今大会に対する国全体の認識の低さが、このような緩い警備体制にも表れているのだと思った。
カールにそう投げかけてみると頷きつつ、
「そうかもしれない。あと、パラリンピックにかけるお金がないんじゃないのかな。私にはわからないけれど」と話した。詳しい事情は、守られるべきスタッフにもわからないのだ。そして認知度の低さは、日本とさほど変わらないのかもしれない。ホームであるソルトレークを除いて。


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