スキー・フォー・ライト・ジャパン 後編

1月5日、この日のPM3:30に僕たちは裏磐梯に到着した。大雪で電車が止まり、昼頃に着くつもりがかなり遅れてしまったのだ。積雪は2.1m。例年よりかなり多いらしい。

参加者が宿泊しているホテルに着いたのがPM5:00前。部屋では、視覚障害者とガイドが別々にミーティングを開いていた。
話題の中心はやはり「ガイドの指示について」。自然を相手にしているし、スキーヤーの個性もまちまちなため、すべて習ったようにはうまくいかないらしい。

「スキー板の後ろが重なった時の指示は、どうしましょうか?」
「人の声は風などでかき消されることがあるから、鈴なんかを使ったらどうかな」
「『体重を前へ』というアドバイスがとても役立ちました」
など、コミュニケーションの大切さが伝わってくる意見が多く出された。

夜には、前日に続いて交流会が開かれた。この頃にはみんなすっかり仲良くなっていて、部屋中に大きな笑い声が響いていた。ここで仲良くなったメンバーは、オフシーズンでも飲んだりしているとのこと。そのまま結婚してしまったカップルもいるとか!
そして最後には、参加者の一人が持参した手作りビールでカンパイ!明日の最終日に向け、みんなで景気づけだ。

1月6日、最終日。天気は快晴。最高のコンディションの中、申告タイムレースが行われた。
5キロのコースをクラシカル走法で走り、前もって申告したタイムにいちばん近い記録でゴールしたペアが優勝となる。当然、レース前に時計は回収される。
スピードを追及したい人は早めのタイムを、自然の中でスキーを楽しみ、のんびり途中でお茶でも飲みたい人は、余裕のあるタイムを申告すればいい。

柔らかな新雪の大地。木の枝についた粉雪が、時折風に舞って顔に当たる。足もとからは「シャーシャー」という小気味よい音。ガイドとの楽しい会話。目で見る事はできなくても、その爽快さは共通だろう。みんな終始笑顔でスキーを楽しんでいる。

ガイドの指示も板についてきた。「まっすぐ12時の方向ね」「左足ちょっと11時ぎみで・・・」こんなふうに、「時計の方向」もよく使われている。
上り坂は板を「V」字に、下り坂は「ハ」の字にして、エッジを効かせる。スキーヤーの恐怖心も取り除かれているようだ。2人の信頼関係がそうさせるのだろう。



全員が無事にゴールした後は、みんなに金メダルが与えられた。どの顔も達成感に満ちている。1週では飽き足らず、2周目・3周目に出発するペアもいたほどだった。

こうして、4日間のスキープログラムは無事終了した。
閉会式では、参加者全員が1人ずつ感想を言う事になった。

「ガイドのおかげで、気持ちよく滑る事ができました」
「すばらしい仲間と友達になれました」
「もっと滑りたい!」
「3日間で1年分の運動ができた」
「子供たちを連れてきてよかった」・・・など、みんな大満足の様子だった。


・・・取材を終えて・・・

このイベントは、来年の年明けにも開催する予定です。
冬の楽しみを増やしたいという方、視覚障害者との理解を深めたい方、スキー仲間を増やしたい方など、とにかく興味のある方には、ぜひ参加をお勧めします。
確かに、滑っている間は、スキーヤーとガイドは文字通り「対等」の立場ではないのかもしれません。でも、どちらの立場が上か下かなんて、どうでもいいことだと感じました。
1人1人が冬のレクリエーションとしてXCスキーを満喫し、その結果、視覚障害者と晴眼者との絆が深まれば、最高なんじゃないでしょうか。
ちなみに、XCスキーは、見ているだけでは物足りないです!ってことで、2人で実際に滑ってみました。