冬期パラリンピックについて

パラリンピックとは?

もともとは、第2次世界大戦後、イギリスで開かれた両下肢マヒの人のスポーツ大会「ストーク・マンデビル競技大会」が原点。その後1960年、ローマオリンピックを契機に、イギリス以外でも開かれるようになった。

「パラリンピック」という名称がはじめて使われたのは1964年の東京大会から。これはParaplegic Olympics(対麻痺者のオリンピック)の略語。1988年のソウル大会から正式な大会名となった。この時から、「パラ(Para)」は「もうひとつの」という意味で理解されている。

冬季大会は、1976年にスウェーデンで始まり、今回で8回目。今大会から、オリンピックと同じ組織委員会となった。


どれくらいの人が参加しているの?

36の国と地域から、選手・役員およそ1000人が集まる。日本からは41人の選手が参加。


実施競技は?

アルペン・クロスカントリー・バイアスロン・アイススレッジホッケーの4競技。(長野大会ではこれに加えてアイススレッジスピードレースがあった。)


「ノルディックスキー」とは、クロスカントリーとバイアスロンの総称。

ちなみに、オリンピックの「ノルディック複合」はスキージャンプとクロスカントリーのこと。



障害のクラス分け

冬季パラリンピックでは、アイススレッジホッケーを除く3競技で、障害の部位と程度に応じてクラス分けが行われる。

クラス
障害の部位・程度
ノルディック日本代表選手
LW1
著しい両下肢の障害。両足切断・低筋力など
 
LW2
著しい片下肢の障害。片足切断・低筋力など
 
LW3
ある程度筋力のある両下肢の障害
 
LW4
ある程度筋力のある片下肢の障害
 
LW5/7
両上肢障害。両腕の切断・マヒ・形成不全など
 
LW6/8
片上肢障害。片腕の切断・マヒ・形成不全など
伝田寛 新田佳浩
LW9
片腕と片足の機能障害
 
LW10
せきつい損傷などによる下肢障害
深沢春二 長田弘幸
LW11
せきつい損傷などによる下肢障害で、LW10よりバランスのとれる者
久保田とし子
LW12
せきつい損傷などによる下肢障害で、LW11よりバランスのとれる者
 
B1
視覚障害。全盲・光覚のみ
小林稔 高橋正充
B2
視覚障害。視力が左右あわせて0.03までか、視野角が5度まで
小林深雪
B3
視覚障害。視力が左右あわせて0.03_0.1までか、視野角が5_20度まで
 
ID
知的障害
 

クラス分けは大会前のメディカルチェックで決まる。自己申告によるところが大きいので、問題もある。それがIDクラスの不参加を招いた。


IDクラス不参加

シドニー大会で、スペインチームがIDと偽って知的障害のない選手を参加させた事が発覚したため、その制裁措置としてINAS-FID(国際知的障害者スポーツ連盟)がIPC(国際パラリンピック委員会)から除外された(2001年12月8日に復帰)。その影響で、今大会ではIDクラスの参加が取りやめとなった。
詳しくは →こちら(IDクラス(知的障害)の不参加について)

(ここまで 望月)


コンバインド(合併)とパーセンテージ制

コンバインドとは、違う障害クラスの選手が同じレースで競争することだ。クラス毎のエントリーが少ない場合に行われる。フリー・クラシカルのそれぞれでクラスに応じたハンデ(パーセンテージ)が設けられる。

仮に下のパーセンテージを設ける。これをゴールタイムにかけ合わせて正式な記録を出す。

クラス
クラシカル走法
フリー走法
B
100
100
B
98
98
B
85
80

ここで、フリーの立位5kmのレースが行われ、Bクラスがコンバインドされたとする。B3クラスのX選手が14分、B1クラスのY選手が15分で滑った場合、正式なタイムは

X選手→ 14(分)×100(%)=14.00(分)

Y選手→ 15(分)×80(%)=12.00(分)

となる。よって、ゴールタイムではX選手が勝っているが、順位はY選手の方が上になる。

この例が示すように、単純にタイムが速くても勝てないことが起こりうる。競技中に選手に声をかけて順位を教えるのも、複雑で大変な作業だ。選手にとっても前の選手を単純に抜けばいいというものではなく、新田選手の言っていたように「見えない影を追って走る」ことになるのだろう。

(磯田久美子)



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