スキー・フォー・ライト・ジャパン 前編

望月&小泉の障害者XCスキーとのはじめての出会いは、1月3〜6日に福島県裏磐梯で開かれたスキー・フォー・ライト・ジャパン(以下SFL-J)。2人の初取材だ。僕たちは後半の2日間、取材を行った。
このプログラムは、視覚障害者と晴眼者がペアを組み、対等な立場でXCスキーを楽しもうというもの。発祥は、1964年にノルウェーで始まった「リデレント(Ridderennet)」という、視覚障害者のXCスキー・プログラム。これがその後アメリカに渡り、Ski For Light(以下SFL)と呼ばれるようになった。

1993年、当時学生だった青松利明さん(現SFL-Jプレシデント)はSFLに参加し、「とても雰囲気がいい」と感じたという。
そして1995年、友人の丸田昭輝さんと再び参加し、日本でもSFLをやろうと決断。その年の8月より、SFL-Jとして活動を開始した。
翌1996年、第1回目の国内プログラムを開き、今年で7回目になる。参加者は初回の34名から徐々に増え、今年は52人。平均年齢はおよそ31歳。老若男女、いろいろな職業の人が集まった。子供連れの参加者もいる。7回連続参加の人もいれば、初参加、XCスキー初体験の人もいて、バラエティーに富んだ顔ぶれだ。
スキーヤーとガイドは別々に募集され、参加者が出そろってからスタッフがペアを決める。スキー経験の有無や、事前のアンケートをもとに話し合われるのだが、これがかなり大変なんだとか。ちなみに、アンケートに「若い女性のガイド希望」と書いてきた人もいるとか・・・。

取材を行わなかった前半の2日間には、こんな事が行われた。

1月3日、初日はガイドだけを集めての講習会。視覚障害者にとってはガイドの指示がいちばんの頼りだから、2人のコミュニケーションが何よりも大切なのだ。
SFL-Jのガイドマニュアルの中から、いくつかを紹介したい。・ただ「右!」と言っただけでは、「右に進め」なのか「右に障害物があります」なのかわからない。だから単語だけでなく、文章による指示を心がける。
・方向の表現には、時計の針もよく使われる。たとえば「10時の方向」は左上を指す(時計の短針の方向)。
・指示は早めに出すこと。「ここから坂道です」ではスキーヤーが慌ててしまう。「あと10メートルで坂道です」と早めに言ってあげれば、準備をしやすい。
・緊急停止の場合には「ストップ!」という言葉を使う。日本語の「止まれ!」には「止まりましょう」「止まって」など穏やかなニュアンスも含まれるため、英語の命令形「ストップ」を使うとよい。

・・・などなど、ガイドのためのいろいろなテクニックを教えて、1日目は終わる。

1月4日、視覚障害者とガイドとの初顔合わせ。
開会式の後、早速スキー板に履き替え、初すべり。最終日の申告タイムレース(自己申告したタイムにいちばん近くゴールしたチームが優勝)に向けて、トレーニングを始める。ペアの2人は、始めはぎこちなくても、会話を交わしながらだんだん仲良くなっていき、信頼関係を築いていく。この過程がSFL-Jの醍醐味のひとつだ。
夜には参加者どうしの交流会が開かれ、ペアがお互いにパートナーの他己紹介をする。ここでパートナーとの信頼関係は一気に深まっていく。

 →後編


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