12日間のパラリンピックが閉幕。東京へとバトンをつなぐ

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9月18日(現地時間)、7日の開会式から12日間に及んだリオパラリンピックの閉会式が行われた。

観客も巻き込んだ閉会式となった 写真・中村"Manto"真人

観客も巻き込んだ閉会式となった 写真・中村”Manto”真人

プロジェクションマッピングやテクノロジーを駆使した開会式とは打って変わり、歌とダンス中心の賑やかな閉会式となった。競技を終え、リラックスした表情で式に参加した選手たちや、観客席の人々もリズムに体をあずけダンスを楽しんだ。

東京へ引き継ぐ「フラッグハンドオーバーセレモニー」

2020東京への引き継ぎのテーマは「ポジティブスイッチ」。オリンピックに続き、総合演出をperfumeの振り付け・ライブ演出などを手がけるMIKIKOが担当した。

演出ののコンセプトについて説明するMIKIKOさん 写真・西川隼矢

演出ののコンセプトについて説明するMIKIKOさん 写真・西川隼矢

オリンピックの閉会式で50人のダンサーによる一糸乱れぬダンスを披露したのとは真逆の、出演者一人ひとりの個性を重視した演出になった。

最初に登場したのは義足のモデルとして活躍するGIMIKO。GIMIKOは最初の顔合わせで、クリエイティブチームの一人である佐々木宏から、「7ヶ月の入院生活が楽しかった」というインタビューを読んで共感したと言われ、入院生活中の辛さや乗り越える努力ばかりが強調されていることに違和感を持つ同じ価値観のメンバーの中でやりたいと思ったという。
「ポジティブスイッチというけれど、私みたいに基本的にいつもテンションの低い人もいる。それぞれの状況のなかで、それぞれのポジティブスイッチを見つけてもらえれば」とGIMIKO。

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強い存在感で会場を沸かせたGIMIKOさん 写真・西川隼矢

次に登場したのは義足のダンサー大前光市。左足の義足をうまく使った大前にしかできないダンスを披露した。
「僕は誰よりもクリエイティブでポジティブです。僕は座ってご飯を食べているときは障害者じゃない。何かをするのが難しいと感じた時が障害なんです。そういう意味では、みんな障害者と言ってもいい。そして何かをするのが難しいと思ったとき、人間は工夫を始める。それがクリエイティブというものではないでしょうか。それを僕が示していければいいと思います」と大前は話した。

 

唯一無二のダンスを披露した大前光市さん 写真・西川隼矢

唯一無二のダンスを披露した大前光市さん 写真・西川隼矢

最後に登場したのは、視覚を奪われた暗闇の世界を体感するワークショップ「ダイアログインザダーク」で活動する檜山晃さん。檜山さんは目には見えない東京という街の魅力を、聴覚や触覚で楽しもうというメッセージを込めてパフォーマンスした。
檜山さんは「目に見えない街の感覚を視覚化するという、一見矛盾したものを表現する挑戦でした。普段、目の見える人はほとんど目でしか情報を得ていません。音と匂い、触感と音を受け取ることで、東京という街の違う側面も知ってもらえたら嬉しいです。パラリンピックに限らず、マイナスの数字にマイナスの数字を足してもマイナスにしかならない。掛け算にしなくてはいけない。その掛け算がポジティブスイッチなんだと思います。それは見つけるのが難しいかもしれませんが、意外に、どこにでもあるのではないかとも思います」と話した。

視覚に頼らない東京の街を表現した檜山晃さん 写真・西川隼矢

視覚に頼らない東京の街を表現した檜山晃さん 写真・西川隼矢

 

その後、IPC(国際パラリンピック委員会)会長のフィリップ・クレーヴァンがスピーチした。「リオの市民の声援や情熱が大会を盛り上げ、選手たちの活躍をサポートしました。あなたたち一人ひとりが最高のブラジル国民だ」とクレーヴァンが称賛を送った通り、各競技会場には連日多くのリオ市民が応援にかけつけ、選手たちにエールを送った。

最後まで最高の盛り上がりを見せた 写真・三浦宏之

最後まで最高の盛り上がりを見せた 写真・三浦宏之

多くの日本人選手からも、「観客からの声援に力をもらった」という声を聞いた。この盛り上がりを私たちも見習いたい。

一方、ブラインド競技などでは、その応援に選手たちが苦しめられる場面があった。選手たちに最大限のエールを送りながらも、選手への配慮を忘れないことを東京への教訓としたい。