アルペンスキー, 冬季競技 — 2016年12月27日 at 5:18 PM

IPCアルペンスキーワールドカップ白馬大会3月に開催!

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2017年3月に開催が決まったIPCアルペンスキー記者会見に出席した日本代表選手と競技スタッフ

2017年3月に開催が決まったIPCアルペンスキー記者会見に出席した日本代表選手と競技スタッフ

IPCアルペンスキーワールドカップが2017年3月5日〜7日、長野県白馬村八方尾根スキー場で開催されることが発表され、26日午後、パラリンピックサポートセンター(東京都港区)で記者会見が行われた。

日本での開催は3度目、9年ぶりとなる。平昌パラリンピック(2018・韓国)前年ということで、2020東京オリンピック・パラリンピック開催の影響で、冬季パラスポーツもメディアの注目が高まりそうだ。

種目・コースについて

世界的な雪不足と雪質の関係でヨーロッパでは開催しづらくなっている大回転(GS)とスーパー大回転(SG)が今回の実施種目となる。
コースは1998年の長野オリンピック女子滑降を行った全長約2000メートル、最大斜度51パーセントで難易度の高いコースと言われている。

「女子のコースというと(障害者は)女子のレベルかと思われるかもしれないが、通常2本のスキーで滑るところを1本のスキーで滑るなど、難易度が高く、負荷がかかると考える。チェアスキーというマシンも”次元の違うスポーツ”と言える。
パラアルペン特有のスピード感あふれる競技が平昌パラリンピックに繋がるだろう」と、日本障害者スキー連盟(猪谷千春会長)関係者は、パラアルペンの魅力について記者たちに語った。

世界最強のチーム

日本代表チームは、チェアスキーで狩野亮(マルハン)が2つの金メダルを獲得するなど、前回ソチパラリンピックでも華やかな成績を収めたトップ集団。昨シーズンは、チェアスキーの森井大輝がワールドカップで総合優勝している。
3月の白馬では、日本と海外選手による世界最高峰の大会が繰り広げられる。その中でも最も輝ける世界最強のチームといっても過言ではない。

三澤選手、白馬で表彰台に絡みたい!

立位で片足で滑るベテラン三澤拓(SMBC日興証券)は、
「毎年お世話になっている白馬で開催してもらえてありがたい。これだけの注目の中で、競技者としてどれだけの滑りを見せることができるかが勝負。僕はスラロームが得意。前回2位に入った。今回開催される大回転(GS)・スーパー大回転(SG)の成績は、今シーズン最高は6位ですが、表彰台に絡みたい」と話した。

白馬でのワールドカップを戦った選手たちは、2日後の3月9日から平昌で始まるプレ大会(パラリンピックテストイベント)に出場する。海外の選手の中には、今シーズンはプレ大会をメインにしている選手もおり、白馬・平昌と多くの選手が重視し挑んでくることだろう。

経験豊かな地域での国際大会

開催地となる長野県白馬村は、長野パラリンピック(1998年)以来、毎年最高峰の国際大会、およびIPC公認ジャパンパラリンピックを開催しており、競技運営、障害者選手の滞在にも経験が豊富である。

環境が育てるアスリート・村岡桃佳

日本障害者スキー連盟と地域の競技施設、スタッフの協力で、障害のある子供たちのスキー教室などが開催されている。下肢に障害があると、なかなか楽しむ機会がないスキーを普及する活動が企業などの理解を得て行われている。
その卒業生の一人が、日本代表の村岡桃佳(早稲田大学)である。村岡は陸上で2009年アジアユースパラゲームズに出場した仲間や、先輩チェアスキーヤー、地域に育まれ急成長し、2014年ソチパラリンピックに初出場した。

「今シーズンは海外の選手の成長もあり、なかなか勝つのが難しい。強い選手とのフォームの違いなど、ビデオで見て自分のレースとの差を見つけている。
スキーの魅力は、スピード。すごいな、速いな、かっこいいなと見て欲しい。チェアスキーは構造が各国で違う。構造が複雑でわからないという人が見ても、メカニックの凄さがわかると思う。レースは誰が見ても面白いものになっている。こんなものを使って滑れるということに興味を持ってもらいたい。子供達やスキーに関わってこなかった障害者にもスキーをやってみたいと思っていもらえるような滑りをしたい」と、村岡は話していた。

選手たちは、年が明け7日から世界選手権を戦うための遠征が控えている。その後は2月に帰国。白馬に戻り、そのまま3月の大会を迎えることができる。自然が相手のアルペンスキーで自国開催の利は大きい。落ち着いてレースに臨めると見ていいだろう。

大会にかかる費用

大会開催には4000〜5000万円の費用がかかると試算されている。それらの費用はJSC(日本スポーツ振興センター)の助成金が充当されることで調整されているという。不足分の寄付も募る方向だが事業費を極力少なくしようという方向性で努力、話し合いが進んでいるという。

大会の情報発信

開催費用の軽減を重視しているため、テレビ中継などリアルタイムでの情報発信はない予定。インターネットホームページやSNSの活用など最大限にしていく方針だという。現地で取材し発信するフォトグラファーや記者たち、観客席からのSNSの力が試される状況となりそうだ。