パラスキー・スノボ、平昌シーズンへキックオフ!記者会見が開催される

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12月25日、日本障害者スキー連盟2017ー18シーズンキックオフ記者会見に出席した、平昌パラリンピック日本代表推薦選手たち

12月25日、日本障害者スキー連盟2017ー18シーズンキックオフ記者会見に出席した、平昌パラリンピック日本代表推薦選手たち

日本障害者スキー連盟は12月25日、2017ー18シーズンのキックオフ記者会見を開催。平昌パラリンピック日本代表候補選手18名を発表した。1月22日にJPC日本パラリンピック委員会より正式に発表される(候補選手は記事末尾に記載)。


記者会見には、平昌パラリンピックに向け、世界トップ・チェアスキーヤーとしてパラリンピック金メダルを目指す森井大輝(アルペンスキー/LW11・座位)、パラリンピック5大会連続出場を目指す新田佳浩(クロスカントリースキー/LW8・上腕切断)、今月フィンランドでのW杯・スノーボードクロスで優勝した成田緑夢(スノーボード/LL2・下腿義足)ら主力8選手が出席した。

またゴールドウィン提供によるシーズンのオフィシャル・ユニフォームが提供され、初めて袖を通した選手らが感想を述べた。

2020東京パラリンピックに向け、冬季競技も平昌への盛り上がりを見せている。各選手から、平昌への抱負、競技の魅力について次のように語られた。

平昌パラへの抱負・競技の魅力

【アルペンスキー】

森井大輝(アルペンスキー・LW11・座位/トヨタ自動車)

森井大輝(アルペンスキー・LW11・座位/トヨタ自動車)

金メダル、複数メダルで表彰台に立てる実力があるチーム。実力を出し切れるかどうか、ピークを合わせて行くことが重要。
また、平昌の推薦選手に選ばれている三澤拓(LW2・大腿切断)は、ワールドカップ初戦で転倒、切断して残っている左足の大腿骨頸部を骨折したため療養中だが、黄金の右足は健在ということで平昌への挑戦は諦めていない。

森井大輝:アルペンスキーチームのエースであり、パラリンピックではトリノ大会から3大会連続で銀メダルを獲得している森井は、「自分の滑りができれば勝てると思う。今後のワールドカップを一戦一戦チャレンジして平昌に繋げたい。どの種目でもフルスウィングで頑張りたい」と悲願のパラリンピック金メダルに向け意気込んだ。

村岡桃佳:成長著しい20歳の早大生・村岡(アルペンスキー/LW10-2・座位)は「前回ソチ大会に出場し、もっと速く滑りたいと意識が変わった。皆さんからの声、期待を力に変えていきたい。パラリンピックでは金メダルをねらい、アルペンスキーを知っていただける機会にしたい」と、語った。

【ノルディックスキー/クロスカントリー、バイアスロン】

新田佳浩(クロスカントリースキー・LW8・上腕切断/日立ソリューションズ)

新田佳浩(クロスカントリースキー・LW8・上腕切断/日立ソリューションズ)

ノルディックスキーは、雪上のマラソンと呼ばれるクロスカントリーと、クロスカントリーと射撃を組み合わせたバイアスロンの2種目がある。今シーズンが始まり、予想以上に世界は強くなっていたが、状況を知ることができた。平昌に向けてピークを合わせていける。また、若手の選手については2022年・北京冬季パラリンピックを目標に見すえる。

新田佳浩:隣国・韓国での開催となる平昌パラリンピックについて、1998年長野パラリンピックから出場する新田は「これまでの大会と比べると時差がなく、移動距離が短いので助かる。また、テスト大会などで約3年前から平昌の雪質やコースを把握できていることは大きい」と日本選手団にとっての好条件を分析する。

阿部友里香:パラリンピックは前回ソチが初出場だった阿部(ノルディックスキー/LW6・上肢機能障害)は、「前回大会はパラリンピックに出場できることが自身でも信じられず、フワフワした思いだった。2大会目の平昌は、しっかり前を見据えて平昌をイメージしながらトレーニングに臨んでいる」と4年前からの自身の成長を感じていた。また、阿部はバイアスロンについて、「お祭りの射撃をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。試合では自分も一緒に撃っているかのような気持ちで見ていただけたら」と笑顔を浮かべた。

岩本啓吾:ソチパラリンピックから出場の岩本啓吾(ノルディックスキー/LW3・上肢機能障害)は、「平昌パラリンピック・クロスカントリースキー(クラシカル)で上位に上がることを目標にしている。スプリント(短距離)は秒単位でのスピード争いが魅力、ロング(長距離)は周回での時間配分やスピード計算など、戦略面にも注目してほしい」とクロスカントリーの面白さを語った。

高村和人:平昌パラリンピックへは初出場となる高村(ノルディックスキー/B1・全盲)は、クロスカントリースキーの魅力について「自分の意志で進まなくてはいけないスポーツで、力がつく」と語った。

【スノーボード】

成田緑夢(スノーボード・LL2・下腿義足/近畿医療専門学校)

成田緑夢(スノーボード・LL2・下腿義足/近畿医療専門学校)

今回の平昌大会で初めて正式競技に採用される「パラスノーボード」。バンクドスラロームとスノーボードクロスの2種目がある。日本代表は、ソチでは出場せず、平昌に向けて初めての日本代表を送り出す。以下の2選手が一時発表での代表へ推薦された。日本代表の多彩な顔ぶれに期待が高まる。

成田緑夢:オリンピックを目指していた成田はトレーニング中の事故で障害を負った。「ソチオリンピック選手を目指していましたが、障害を負って、義足で出場した健常者の大会で優勝したとき、勇気をもらった、と言ってくれた人がいました。自分が競技することが人を励ませると知り、パラリンピックを目指すことで本来のスポーツの意味を考えることになりました」と話していた。

小栗大地:プロのスノーボーダーから仕事中の事故で大腿義足のスノーボーダーに転身した小栗(LL1・大腿切断/三進化学工業)。「パラスポーツ最高峰の大会への出場で楽しみ」と、今シーズンは道具を調整し平昌パラリンピックに向けて準備が整いつつある。

新ユニフォームのテーマは「勝利(かつ)」
今シーズンからスポーツメーカーのゴールドウインが日本障害者スキー連盟のオフィシャルウェア提供を開始し、記者会見で選手たちが初めて袖を通した。古来の日本では、深く濃い紺色を「かついろ」と呼び縁起色としていた由来から、イメージカラーにはネイビーブルーを採用。アクセントにはライムグリーンを掛け合わせ、世界を舞台に戦う選手たちを鮮やかに彩る。村岡は「とても暖かいです。実はいま汗ばんでいるくらい。保温性がよく、これで厳しい寒さの平昌でも安心して戦えます」と笑顔で着用した感想を語った。

選手たちは今後それぞれの競技ごとに国内・海外合宿で調整に入り、年明けからパラアルペンワールドカップ(1月15日〜18日/スイス)、ジャパンパラ競技大会(2月2日〜4日/長野)、パラノルディックワールドカップ(2月2日〜9日/フィンランド)、パラスノーボードワールドカップ(2月4日〜8日/カナダ)、そして平昌パラリンピックへと続く。4年に一度の大舞台へ、選手たちの熱い冬が始まった。

平昌パラリンピック日本代表団推薦選手(18名)
【アルペンスキー】
森井大輝(トヨタ自動車)/鈴木猛史(KYB)/狩野亮(マルハン)/三澤拓(SMBC日興証券)
夏目堅司(アールディーエス)/高橋幸平(岩手県立盛岡農業高等学校)/村岡桃佳(早稲田大学)/本堂杏実(日本体育大学)
【ノルディックスキー】
新田佳浩(日立ソリューションズ)/佐藤圭一(エイベックスグループホールディングス)/高村和人(岩手県立盛岡視覚支援学校)
/川除大輝(日立ソリューションズ)/岩本啓吾(東京美装興業)/星澤克(立命館慶祥中学校)
出来島桃子(新発田市役所)/阿部友里香(日立ソリューションズ)
【スノーボード】
成田緑夢(近畿医療専門学)、小栗大地(三進化学工業)

<参考>
日本障害者スキー連盟ホームページ
http://www.sajd.com

(編集・佐々木延江、取材協力・石野恵子)