パラリンピアンを”心”でサポート――メンタルトレーナーも日の丸背負って声援送る

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メンタル・コーチ台本尊之(写真・吉田直人)

メンタル・コーチ台本尊之さん(写真・吉田直人)

平昌パラリンピック、3月14日のクロスカントリースキー・スプリントクラシカルで銀メダルを獲得した新田佳浩選手(日立ソリューションズ)を“心”でサポートする人がいる。

台本尊之さん。スポーツメンタルコーチだ。今回は競技前日の3月13日に韓国入りし、スプリントクラシカルの応援に駆け付けた。

準決勝を控えた昼前に話を聞くと、「体調も凄く良いし練習もしっかりできている。きっと(体調は)万全じゃないでしょうか」と期待を寄せていた。

新田からメンタルサポートのオファーを受けたのは2016年の春頃。

「具体的に何かで悩んでいるというのは無かったけれど、平昌を目指して悔いの無い様にやりたい。パフォーマンスを上げるために出来るものは何でも試したい、と」

そこから約2年、目の前で展開された銀メダルへのラストスパートに声援を送った。

メンタルサポートを開始してから、新田選手の変化は台本さんの目にどう映っていたのだろうか。

「まとまりがでてきたというか、心と行動がぶれなくなってきたというのを感じています。(冬季スポーツは)自然や道具によって結果が左右されるので気にかかることが多い。それに対して、『今の自分はできるんだ』と自分自身で動機づけできるようになったと思います」

サポートでは、ホワイトボードに色々なアイデアや、競技スケジュールを書き出して可視化した。結果として、トレーニングにもメリハリが出てきたという。

「平昌パラリンピックでスタートラインに立つまでに如何に準備をするかというのを随分話しました。課題を解決する為にどういう準備をしていくか。このフィールドで、決勝戦に良い状態で立つ為です」

新田選手も、決勝後に話していた。

「自分がどれだけ多くの人に支えられてこの舞台に立っているかを思い出せば、苦しい時も耐えられるだろうと。やることはやりきったので、あとはすべてを出すだけだという思いを、今日の朝にも書き出して臨みました」

アスリートたちは、フィジカル、マテリアル、メンタルの3輪で戦う。

台本さんは「2020年に向けて、パラアスリートがメンタルサポートを受ける機会が増えていくと思う」と話すが、あくまでも「縁の下」としてアスリートを見守る。

「僕の目的は、何か問題が起こった時に気軽に連絡出来るような関係をつくりたいなと思っています。何も(問題が)無ければそれでいいなと思っているんです」

17日に10kmクラシカルを控える新田選手に向けて、「今日と一緒か、それ以上のパフォーマンスを」とにこやかに話した。

(校正・佐々木延江)