最高の実績と未来への課題。平昌パラリンピック日本代表選手団解団式

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JPC鳥原会長から報奨金の目録を受け取る金メダリスト・村岡桃佳 (写真・そうとめよしえ)

JPC鳥原会長から報奨金の目録を受け取る金メダリスト・村岡桃佳 (写真・そうとめよしえ)

獲得メダル10個(金メダル3、銀メダル4、銅メダル3)を始め、入賞数(4位〜8位)も計13と、日本選手団はソチ大会を上回る大きな実績を残した平昌パラリンピックが閉幕。一夜明けた3月19日、日本代表の解団式が行われた。

大回転での金メダルを筆頭に出場5種目すべてでメダルを獲得したアルペンスキー・女子座位の村岡桃佳(早稲田大学)、パラスノーボード2種目でメダルを獲得した成田緑夢(近畿医療専門学校)、クロスカントリースキーで2大会ぶりの金メダルを獲得した新田佳浩(日立ソリューションズ)、アルペンスキー・男子座位の森井大輝(トヨタ自動車)のメダリスト4名を始めとする38名が参加。大会結果報告と、日本選手団旗の返還、大日方邦子団長による大会総括が行われた。

日本代表選手団を率いた大日方邦子団長 (写真・そうとめよしえ)

日本代表選手団を率いた大日方邦子団長 (写真・そうとめよしえ)

冒頭、壇上に立ったJPC(日本パラリンピック委員会)の鳥原光憲会長は「時々刻々と変わる雪面状況の中、目標を大きく上回る成績を上げた」と選手団をたたえ「パラスポーツの理解や関心、人気を高め、パラスポーツの振興を通じた共生社会の実現に向けた大きな推進力になった」と述べた。

合わせて、メダリストに対する報奨金の増額が発表された。金メダルには300万円、銀メダルには200万円、銅メダルには100万円が贈られる。JPCの高橋秀文副委員長は「平昌大会での選手たちの大活躍により、2020年東京大会から前倒しでの増額となった」と話した。

最後に大会総括を行った大日方団長は「今大会は、パラスポーツが文部科学省、スポーツ庁の管轄に移って初めての冬季パラリンピック。NTCやJISSの専門家によるサポートを受けられるようになり、早くも成果が現れた選手もいた」と、パラスポーツの強化に伴う環境の変化強調した。

また、選手に対しては「ベテランも若手も、それぞれに活躍してくれたことを誇りに思う」と活躍を労い「パラリンピックを通じて、夢を持ち、努力し続ける姿を見せることが、スポーツの素晴らしさを伝えられる機会になる。今大会で感じたことを、しっかりと噛み砕き、自分自身の言葉で発信して欲しい」と呼びかけた。

今大会は、冬季パラリンピックで過去最高の成績を残したが、同時に課題も残った。日本選手団主将を務めたアイスホッケーの須藤悟(日本パラアイスホッケー協会)の言葉には、その思いが込められていた。

「競技普及と強化、世代交代を感じた大会でもあった。今後これらを喫緊の課題として捉え、取り組んでいかなくては世界と戦うことはできない」

日本選手団主将、須藤悟/アイスホッケー (写真・そうとめよしえ)

日本選手団主将、須藤悟/アイスホッケー (写真・そうとめよしえ)

アイススレッジホッケーでは、日本代表の平均年齢が高く、後に続く選手の育成が求められている。ソチ大会では日本選手団の獲得メダル6個のうち5個を占めたアルペンスキー男子座位では、他国の若手選手が台頭し、王座を奪われた。車いすカーリングには選手を派遣することができなかった。今大会から新競技として独立して実施されたパラスノーボードでは、上肢障がい(ULクラス)と女子選手の派遣は無かった。これまで実績を残してきた種目と、これから進化の余地を残す種目にそれぞれ、日本代表として取り組んでいく課題がある。

しかし、希望もある。須藤主将は続けた。

「今回の平昌パラリンピックで、新たに17名のパラリンピアンが誕生したことを嬉しく思う。日本選手団の頑張りにより、スポーツの素晴らしさ、パラリンピックの素晴らしさを多くの方に伝えられたのではないかと思う。次の東京大会はもとより、北京大会では、アルペン、ノルディック、スノーボード、アイスホッケー、カーリングの全ての競技で、一つの選手団として参加したい」

パラスポーツの冬の祭典を戦い抜いたアスリートたちの思いは、2年後の東京、4年後の北京に繋がれた。

メダリストの集合写真 (写真・そうとめよしえ)

メダリストの集合写真 (写真・そうとめよしえ)

(校正・佐々木延江)