関連カテゴリ: バドミントン, 取材者の視点, 夏季競技 — 公開: 2019年7月29日 at 1:16 AM — 更新: 2019年9月23日 at 7:42 PM

2020東京パラ出場へ、メダルとダブルポイントの獲得目指す〜パラバドミントン世界選手権記者会見〜

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選手集合写真(左)里見紗李奈選手 (中央)鈴木亜弥子選手 (右)山崎悠麻選手
選手集合写真(左)里見紗李奈(WH1) (中央)鈴木亜弥子(SU5) (右)山崎悠麻(WH2)

7月25日、2020東京パラリンピックの出場枠獲得に向け、パラバドミントンの全14国際大会中、最も重要な大会である世界選手権(8月20~25日、スイス バーゼル)出場にあたっての記者会見が開かれた。
同選手権には、選手26名
車椅子クラス 男子7名、女子4名、立位クラス 男子8名、男子7名)およびスタッフ20名が参加し、車椅子2個、立位4個の金メダル獲得と、より多くのポイント獲得を目指す。

日本障がい者バドミントン連盟の平野一美理事長をはじめ、金正子ヘッドコーチや選手たちが抱負を語るとともに、山崎将幸専任コーディングディレクターから東京パラ出場権獲得条件についての説明があった。

日本障がい者バドミントン連盟 平野一美理事長
平野一美理事長

日本障がい者バドミントン連盟 平野一美理事長

我々は2020東京パラ出場権獲得に向け、今年3月から来年の3月までのパラレースを戦っている最中です。全14パラレース国際大会中、トルコUAEウガンダカナダアイルランドの戦いに参加しました。世界選手権はパラレースの中でもグレードが一番高く、通常の大会と比べ2倍のポイントを獲得できるため、選手26名、スタッフ20名で戦いに行くので応援をお願いしたい。

監督
金正子ヘッドコーチ

金正子ヘッドコーチ

世界選手権は、30位までの選手が世界バドミントン連盟から招待されることで出場できます。出場は5月カナダ国際大会までのポイント加算で、シードについては6月アイルランド国際大会までのポイント加算で決定します。世界選手権はポイントが2倍となる重要な大会であるため、選手は皆さんの期待やプレッシャーを力に変えつつ、大舞台を楽しんで良いパフォーマンスが出るよう頑張ってもらいたいと考えています。そのために、一人でも多くの選手がメダルを取れるようにサポートしていきたい。

里見紗李奈選手(WH1)
里見紗李奈(車椅子クラス WH1)

里見紗李奈 車椅子クラス WH1

2020東京パラ前にトップクラス選手が集まる大会なので、シングルスでベストパフォーマンスを出し現在の自分の立ち位置を確認したいと思っています。一戦一戦、挑戦者の気持ちで戦っていきます。自分たちが楽しんでやり応援している人も楽しめる、その中でしっかり勝っていくというのが目標です。

シングルスもダブルスもメダルを獲って来たいと思っているので、応援よろしくお願いします。

 

山崎悠麻選手(WH2)
山崎悠麻(車椅子クラス WH2)

山崎悠麻 車椅子クラス WH2

世界選手権ではしっかりポイントを取りたいと思います。2020東京パラは、ダブルス出場権獲得でシングルスの出場権が決定するので、まずはダブルスを頑張っていきたい。中国や女子ダブルス世界ランク1位のタイの選手も出場するので、勝ちにいきたいです。今は、ローテーションの練習をしていて、里見選手が狙われたり、シャトルが集まったりする中で私がどうカバーに入り、攻撃に転じていくのか考えています。
シングルスも中国やタイ、トルコから強い選手が参加するので、粘り強く自分のプレーを頑張っていきたい。家族にも子どもにもたくさんサポートしてもらって出場するので良い色のメダルを一つでも多く獲って、2020東京パラにつなげていきたい。

 

鈴木亜弥子選手(SU5)
鈴木亜弥子(立位上肢障がいクラス SU5)

鈴木亜弥子 立位上肢障がいクラス SU5
世界選手権の目標は、シングルス1位、ダブルスは3位。シングルスのライバルは、中国ヤン選手。シングルスはこれまで2勝4敗ですが、一番最後に勝ったのは2017年世界選手権で、それ以降は勝てていません。ヤン選手に勝つためにフットワークの見直しに取り組んでいます。2018年9月からはダブルスにも出場。パートナーがコート4分の1前部分を守るという初めてのスタイルなので、コースを考えたり、シングルスとは違う自分の特殊な動きを考えたりして取り組んでいます。良い色のメダルを持ち帰れるように頑張っていきたい。

 

山崎専任コーディングディレクター
山崎将幸専任コーチングディレクター

専任コーチングディレクター 山崎将幸

出場権の獲得条件についてはスタッフも試行錯誤している状態で、現時点で分かっているところまでお伝えします。

通常のパラバドミントン国際大会で実施されているのは全22種目ですが、2020東京パラは14種目となり、出場枠は90名(男子46名、女子44名)、1カ国の出場最大枠は男子11名、女子10名、1種目の出場最大枠はダブルス1組、シングルス2名、例外あり SL4 3名 SU5 3名 SS 1名となっています。

—出場資格

1 クラシフィケーションが確定[大前提]

2 世界バドミントン連盟が2020年4月2日に東京パラリンピックランキングリストを発表するまでに最低3国際大会出場していること(ポイント加算は最大6国際大会分。7国際大会以上出場の場合は、ポイントが高い6大会分のポイント加算)。

3 上記東京パラリンピックランキングリストへの掲載

—出場選考基準(記載しているのは一例)

出場枠がダブルスが6ペア、シングルが8名となっている女子の車椅子クラスの場合、ダブルスに最優先出場権があり、ダブルスで出場権が確定すると、シングルスへの出場権も確定する。人数が不足のシングルス分は、シングルスランキングリスト上位の選手から選ばれる。
例えば、
出場権を獲得したダブルス6ペアが全部WH1+WH2の組み合わせで構成されている場合、ダブルス6ペアとして出場権を得た選手12名がWH1シングルス6名、WH2シングルス6名の出場選手となる。不足しているWH1シングルス2名、WH2シングルス2名がシングルスランキングリスト上位から選ばれることとなる。
救済枠は、開催国枠 男女1名、大陸枠 男女1名となっているが、出場枠を実力で獲得した場合は、救済枠の権利は消滅する。開催国枠で必ず全種目に日本人が参加できるのかは、現時点でクオリフィケーションにはっきり書かれていないので分からない。選手が出場権を実力で得たら、該当種目の開催国枠は消失すると考えている。

—参考情報:ダブルス出場の 選手の組みあわせに関するポイント説明

[男子ダブルス]

  • 車椅子 3ポイント以下  WH1+WH1 WH1+WH2
  • 立位下肢 7ポイント以下 SL3+SL4
  • 立位上肢 10ポイント以下 SU5+SU5など(車椅子の人と組んでも構わない。)
  • 低身長は低身長同士

[女子ダブルス]

  • 車椅子 ダブルス 3ポイント以下で組む WH1+WH1 WH1+WH2
  • 立位 8ポイント以下 SL3+SU5 SL4+SL4の組み合わせでの出場が多い。
  • 低身長は低身長同士

[ミックスダブルス]

  • 車椅子 ダブルス 3ポイント以下で組む WH1+WH1 WH1+WH2
  • 立位 8ポイント以下 SL3+SU5 SL4+SL4の組み合わせでの出場が多い。
  • 低身長は低身長同士

(編集・校正 望月芳子)

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