決勝は日本の「キャプテン」VS「エース」対決へ~第21回車いすラグビー日本選手権大会~

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12月20日から22日までの3日間で開催されている「三井不動産 第21回 車いすラグビー日本選手権大会」(千葉ポートアリーナ)は2日目の今日、予選リーグをすべて終了した。

この結果、日本代表キャプテン・池透暢(3.0)率いるFreedom(高知)と、日本のエース・池崎大輔(3.0)率いるTOKYO SUNS(東京)が明日行われる決勝への進出を決めた。

 

池崎大輔(TOKYO SUNS/3.0)。「1人1人が役割を果たして、1試合ごとにチームの成長を感じられた予選リーグだった」 写真・久下真以子

 

「日本一を目指す」TOKYO SUNS

池が率いるFreedom、ベテラン島川慎一(3.0)率いるBLITZ(東京)など、「激戦ブロック」となったプールAを1位で勝ち抜いたのは、池崎が今年新しく作ったチーム「TOKYO SUNS」だった。

日本代表のローポインター・今井友明(1.0)やニュージーランドのエース・ヘイデン バートン(3.0)などタレントを擁し、大会前から優勝候補として注目されてきた。

その期待通りに予選プールを全勝で通過すると、明日の組み合わせを決めるクロスオーバーで予選プールB2位通過のFukuoka DANDELION(福岡)と対戦。第1ピリオドこそ11-11と同点で終えたものの着実にリードを重ね、51-41で勝利を収めた。

試合後、池崎は「日本一になるため、そして車いすラグビーを発信するために東京に作ったチーム。明日勝たないと意味がないので、1つ1つのプレーを確実に戦いたい」。また、Freedomとの戦いに関しては「予選では池選手に仕事をさせなかったことで10点差で勝つことができたが、同じことをまたやっても勝てない。今日は寝ないで考えます!」と意気込んだ。

 

池透暢(Freedom/3.0)。「勝利も大事だが、日本選手権は選手全員がチャンスを与えられる場にしたい」 写真・久下真以子

「お客さんに楽しんでもらいたい」Freedom

Freedomは2年連続の決勝進出。初優勝まであと1つとなった。プールAを2位通過したFreedomは、クロスオーバーでプールB2位のTOHOKU STORMERSと対戦。日本代表で伸び盛りの若手、25歳の中町俊耶(2.0)や高校2年生の橋本勝也(3.0)相手に貫録を見せた。

前半は25-24の接戦で折り返し、第3ピリオドで突き放して最終的に55-50で勝利した。

試合後、池は「決勝にまた来られるとは思っていなかった。TOHOKU STORMERSには代表選手も多く苦戦したが、”これなら勝てる”という方法を選択しながら勝つことができた。ただ、勝ち負けも大事だが観客の皆さんが最後まで楽しめるようなプレーをしたい。どんなに点差をつけられても崩れないようにしたい」。TOKYO SUNSとの戦いについては「ほぼ代表クラスの選手のチームなので、やはり強い。予選ではしてやられたが、1つ打開策は考えている。池崎選手のクセもわかっているので、明日は倒します!」と宣言した。

どちらのチームが勝っても初優勝となる対決。
キャプテン率いるFreedomか、エース率いるTOKYO SUNSか。
決勝はあすの午後1時から行われる予定だ。

 

【本日の試合結果】

《予選》

Okinawa Hurricanes 42‐58 TOHOKU STORMERS
Freedom 54‐50 BLITZ
TOKYO SUNS 50‐44 AXE 
Fukuoka DANDELION 53-36 北海道T×TBig Dippers
BLITZ 55‐47 AXE   
TOHOKU STORMERS 65‐43 北海道T×TBig Dippers
Freedom 42‐52 TOKYO SUNS
Okinawa Hurricanes 35‐48 Fukuoka DANDELION

《クロスオーバー》

BLITZ 59‐35 北海道T×TBig Dippers 
Okinawa Hurricanes 32‐58 AXE
TOKYO SUNS 51-41 Fukuoka DANDELION 
TOHOKU STORMERS 50-55 Freedom

 

仲里進(Okinawa Hurricanes/2.5)。「外国人も含め、長い目で見たチーム作りをしていきたい」 写真・久下真以子

仲里、「そんなに勝負は甘いものじゃない」

大会4連覇を狙っていたOkinawa Hurricanes(沖縄)は、アクシデントに見舞われた。カナダ代表から助っ人外国人として参加したザック・マデル(3.5)がきょうの第1試合で左肩を脱臼し、戦線離脱。チームキャプテンの仲里進(2.5)や横濱義塾(神奈川)から移籍した日本代表の若山英史(1.0)などの奮闘もむなしく、あすの7位・8位決定戦に進むことになった。

「残りの選手だけで勝てる実力のあるチームではないので(ザックの離脱は)痛かった。大会4連覇を狙っていたので悔しいが、勝負はそんなに甘いものじゃない」と振り返った。

 

倉橋香衣(BLITZ/0.5F)。「やっぱりコートの中は楽しい!」 写真・久下真以子

倉橋、「視野が広がった」

2018年の世界選手権の優勝メンバーで、肩の怪我で代表をしばらく外れていた女子の倉橋香衣(0.5/BLITZ)。相手のローポインターの動きを封じ込めるなど、課題としていたポジションニングに手ごたえを感じていた。「練習やクラブチームの大会には参加していたので、実践が久しぶりということではない。ただ、コートの外から見る時間も過ごしてきたことで、以前よりも視野が広がった」と自身の成長を口にしていた。

 

17歳の橋本勝也(TOHOKU STORMERS/3.0)。Freedom戦では池に果敢にタックルを決めるなど、存在感が光った 写真・久下真以子

 

「急成長株」と周囲の誰もが認めるミドルポインター、中町俊耶(TOHOKU STORMERS/2.0)。連戦の疲れの中でどう連携を取っていくのか、今後のさらなる成長に期待だ 写真・久下真以子

 

TOKYO SUNSの外国人助っ人、ヘイデン・バートン(ニュージーランド/3.0)。「彼は徐々にチームにフィットして、アイコンタクトなどコミュニケーションをとれている」と池崎 写真・久下真以子

(校正 望月芳子)