パラフォトニュース
記事掲載日:2004/06/18

アテネに向けて進化中!! (1)

〜車椅子バスケットボール男子・第9次アテネパラ強化合宿in長野〜

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 とぎれることなく体育館に響き渡る選手たちの声。パス回しからのシュート、ダッシュ、ゲーム…と朝9時から始められた練習は、自主参加の練習も含めて1時間の昼食を挟み午後6時の時点ですでに朝から8時間。この後夕食をはさんで夜の7時からさらに約2時間、トータル約10時間近くを経てようやく1日の練習が終わる…。
 6月3日(木)から6日(日)まで、長野県障害者スポーツセンター・サンアップルで行われた男子車椅子バスケットボールのアテネパラリンピックに向けた合宿は、選手たちにとってこれまでになく肉体的に厳しいものとなった。

photo過去の記録をぬりかえる
 2000年シドニーパラリンピックが12カ国中9位という結果に終わり、新たにアテネに向けたチーム作りが行われてきた男子車椅子バスケの合宿は、今回で9回目となる。
 毎回その合宿ごとに明確な目的を掲げてのぞんできた中で今回の目的は、
1.ジャパンチームが目指しているバスケットボールの質を高め、約束事の徹底と継続への最終土台作り
2.自分自身で厳しいトレーニング環境を作り出す
3.各システムにおける役割とポジショニングの確認
4.信じることのできる自分自身を作り出す
5.アジアオセアニアゾーン予選会で感じた思いを出し切り個人の力とチーム力を高める


photo 「いつもこんなに練習時間が長くハードなわけじゃないですよ(笑)。ただアテネを3ヵ月後に控えた今体をいじめておけば、後が楽になる。やらせている…というより、今がそういう時期だということを、選手それぞれが合宿の目的を理解して練習にのぞんでいる結果でしょう」とトレーナーの斎藤さん。
 欧米選手に比べ身長や体格的に不利な日本は、チェアスキル(車椅子操作)の動きの早さやスピードで、身体差をカバーしていかなければならない現実がある。
 素早く、激しく車椅子操作をしたその腕と手はそれで役目が終わりではなく、さらにその先の正確なパスやシュートを支えるだけの筋肉が要求される。休むことの許されない肉体を作り上げる時間は、今しかない。
 そのことを一番理解しているのが選手たち自身だということが、見ているだけでも乳酸が溜まりそうな(!)ほどハードな練習の中にも、「まだできる」という空気がとぎれないことでも感じる。

 荒い息遣いの中で次々練習メニューをこなしていく選手たちに気負いや悲壮感はなく、近づいてくる本番に向けて、自分たちのやるべきことを確実に消化することへの集中力と、好きなバスケットボールをやれることの楽しさとが、時には笑いも起こりながら、練習中の声が途切れることのなく夜まで体育館に響いていた。

(2)へ続く

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