Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月20日 (08:14)

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車椅子フェンシング

カメラマン・吉村もと

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変身すると強くなるなんとかマンを子供たちがわくわくしながら見ているように、私は口を開けて車椅子フェンシングを見ていた。広いとは言えないホールにところ狭しと六会場設けられた試合に車椅子を固定する器具が設置されている。車椅子を固定し、女の選手は足を守るのか、隠すのか布を巻く。腕の長さをはかり車椅子の距離を決める。そして面を被るのだ。凛とした美しさが醸し出されこちらまでが姿勢が良くなる。美しさに見とれていると面の奥から覗く目の鋭さにこちらまで目が大きくなる。目を離すなよ、と言わんばかりの強い目だ。相手の攻撃を待ちながら、小手先の探りあいが始まる。全身から集中力があふれ出しさっきまでの美しさとは打って変わっての攻撃態勢。車椅子が固定されていることを忘れる勢いで相手の隙を突いていく。はやくて鋭い。体を仰け反り小刻みに動きながら相手の攻撃をかわし体を乗り出し突いていく。決まったものならば雄たけびである。ガッツポーズ
付き。お腹の底から雄たけびだ。一瞬、緊張の解ける瞬間でもある。その間、負かされた相手は攻撃の手を身振りつきで復習する。そして試合再開。勢いづく選手と追い上げに集中する選手が、スタートラインに再び立ったような試合再開。15手先取で勝利だが、あっという間の試合である。また見たい、撮りたいと思った。美しくて強く鋭いあの会場は心地よかったから。きっと次回も私は口を開けたただのファンになってることだとは思う。

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