2008年9月12日
パラリンピックの伝え方 〜BBC障害者スポーツ担当者に聞く (1)〜 - 北京パラリンピック » 周辺事情
| 障害者スポーツの報道を担当するBBCのギャレット氏 |
国際スポーツ大会のパラリンピック。各国報道機関もそれに伴って集結するが、競技数も参加国も多いだけに、冬の大会に比べて、はるかに多くの国と地域のメディアが集って、自国の選手の動向を伝えている。
その中で、英国放送協会(BBC)は、パラリンピックの特集を大々的に行っている。テレビの中継のみならず、ラジオやインターネットでも、パラリンピックの最新情報を流している。日本では、障害者スポーツの扱いはまだまだ小さいが、BBCではどのような体制で番組を作っているのだろうか。障害者スポーツ担当のトニー・ギャレット氏に話を聞いた。
インタビューを始める前、ギャレット氏は開口一番「それにしても、北京の人たちは本当によくパラリンピックを見に来ていて、びっくりしますね。毎日、どの競技場もほとんど満員なんて、すごいことですよ。イギリスでは、障害者スポーツの競技会にこれほどたくさんの人たちが集まるなんて、ちょっと考えられませんね」と、驚きをこめて語っていた。
* * *
スポーツニュースに、障害者スポーツのセクションがある
―BBCでは、今回のパラリンピックをどのような形で放送しているのですか? 概要を教えてください。
「大会中は毎日6時間、パラリンピック関係のテレビ番組を、デジタル放送のBBCiで流しています。地上波では、その日のダイジェストを1時間、メインチャンネルのBBC1のスポーツコーナーで流します。BBC2(教育放送が中心)では、2時間の生中継があります。メダルなどのニュースがあるたびに、7時間の時差のあるロンドンに即連絡です。競技の数が多いですから、満遍なく目を配らなければならないのが大変ですね。開会式や閉会式は、BBC1・2で生中継です。
ラジオでも放送します。地上波とブロードバンドでね。視覚障害のある方も楽しめると思いますよ。けれども、BBCiの生中継は、イギリス国内からのアクセス限定なので、申し訳ありませんが、日本の方には見ていただけませんね」
―BBCのウェブサイトにも、パラリンピックの特集ページがありますね。
「ええ、通常のスポーツコーナーの中に障害者スポーツのコーナーがあるので、その中の特別コーナーというわけです。今ならではの企画として、競技の動画も見られますし、現地スタッフのブログも毎日更新していますよ。(目の前のコンピューターでウェブサイトを開きながら)今流れましたけど、速報フラッシュもあります」
―通常のスポーツコーナーの中に、障害者スポーツのコーナーがあるんですか。
「そうです。このウェブサイトはパラリンピックの間だけではなく、障害者スポーツのことを報道する常設のコーナーなのです。
私の仕事は、パラリンピックのような特別な機会だけではなく、まさに年間を通して、障害者スポーツの情報を伝えていくことです。それもテレビだけではなく、ラジオやネット、複数の方法でね。そのためには、これからどこでどのような大会があるのか、手ごたえのある試合が行われるのか、この業界全体を見渡しながら、一歩先の動向を見据えることが必要だと思っています。
常設の障害者スポーツのコーナーでは、最新の情報のみならず、競技を紹介する動画も見ることが出来ます。ある程度知識がある人たちだけではなく、初めて障害者スポーツを見る人が、いつでもこうしたものを見られるようにしておく必要があると思います。
今まで、オリンピックの報道がなされる時には、パラリンピックのことは抜け落ちていました。今は、オリンピックの報道をする時は、パラリンピックのことも言及する、つまり、一般のスポーツコーナーの中で一緒に報道するようにしています。テレビでもインターネットのコンテンツでもね。これはとても大切なことですよ」
(2)に続く
(真下阿紀)
