Days Top | Archives 11 3月13日(23:42)

長野から4年、後半をどう戦うか。

 長野から4年。ソルトレーク大会は中盤を越え、選手たちは、今大会をどう乗り越えるか分岐点にきている。ここまで、競技後のインタビューでは、どのチームからも「メンタル面が弱い」というコメントが聞かれた。スポーツは一つのルールの中で自分の能力の限界に挑戦する、基本的には平等なものであると思う。それを含めた調整が競技に必要なのではないかと感じる。
 クラス分けの問題点が今大会のクラシフィケーションで大きく浮かび上がってきたが、アルペン韓国の選手HAN Sang Minは、LW11から12へ転じ、より厳しい条件下で戦うことになった。そのような点を踏まえ、日本の競技への環境を考える。

 環境面では、ホームアドバンテージは、日本も長野で体験しているが、今大会ではアメリカに次いで、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの選手はアメリカをホームゲレンデとし、アメリカ人のコーチをつけるなどしてきた。一方、ヨーロッパのウインタースポーツの環境はアメリカ以上に恵まれているという。それに比べ、日本やアジアの選手は、通年で練習できる環境にはない。滑降・長いスラローム・バイアスロンについては日本ではほぼ練習はできない。大会はぶっつけ本番であった。スレッジも使用できるリンクが少ない。

 長野後、早くからアルペンのチェアスキーの開発が行われたが、選手へのフィッティングが難しかったようである。選手の選考についても疑問が残っている。
 4年間を実質的に支えてきたのは、ソルトレークに向けての自主トレーニングなど、長野で高められた選手一人ひとりのモチベーションによるのだと思う。自己投資・努力の結果が、今の選手自身を作ってきたのではないか。このモチベーションを再確認し、残りのソルトレークを悔いなく戦ってほしい。

 さらに、ここへ来て、ソルトレーク後、トリノに向けての課題も見えてきたのではないだろうか。スレッジは、カナダ戦で勝利したことを一つの節目にしてほしい。
 スポーツとしての定着、競技人口を増やしていくことに対する組織の理解と努力、アスリートの練習環境・精神を含めた健康管理への取り組みだと思う。
 ちなみに、ノルディックの新田は、5歳の時からクロスカントリーをしている、クロカン大好き青年である。どんなことがあっても、クロスカントリーを忘れない、これが新田のモチベーションであり、これからのロールモデル(選手のお手本)である。

(佐々木)


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LW12で銀メダルの韓国のHan Sang Min。
長野モデル以前の日本製4型機で勝負に挑んだ。
(写真協力:堀切 功)