To: Frends_ml
From: nobue sasaki <sasaki@paraphoto.com>
Date: wed, 15 mar 2002 00:03:25
Subject: 2002スレッジの決勝


パラリンピック アイススレッジホッケー
決勝戦。USA vs NOR。

このソルトレークで、わたしはスレッジをはじめて見た。
(そりに乗って行う、アイスホッケーだけれども、ルールや競技については、パラフォトのサイト(FACE OFF!)で説明があるので、そちらをみていただきたい。)
一番最初に観た試合は、カナダとアメリカの予選だった。
ホームアドバンテージで、アメリカ選手団には精気がみなぎっていた。はじめて見たわたしにも十分わかった。

そのアメリカと、ホッケーの何たるかを熟知しているノルウエーにより、決勝が戦われることになった。

これまで、日本のチームの試合を中心に見てきたけれども、日本はカナダに勝ち、ノルウエーには負けている。
試合は負けても、日本は長野から世界に通じる道を、一つひとつ開いていっていることが感じられるものであり、大会期間中、少なくとも、わたしの周りのスレッジファンの気持ちを一つにまとめていた。
カナダも強いチームだが、日本に負けたことで、優勝争いからは転落した。
日本チームがノルウエーに負け、そのノルウエーがアメリカと決勝を戦うゲームをわたしは見たいと思っていた。

それにしても、会場の客席はアメリカ人ばかりのように見える。その上、アメリカがいかにホッケーとお祭り騒ぎが好きか、ということが今回の大会ではよくわかった。アメリカ人たちの中で、ノルウエーよ、気力で負けないで欲しい。なんて密かに祈る。

15日、19時。試合が始まると、先制点はノルウエーにあったが、アメリカも、1点・2点と入れていく。
ノルウエーも取り返す。

日本唯一のレフリー・笠原さんとは、昨日のノルウエー戦を一緒に観た。なんと、その笠原さんが、いま、決勝戦の氷の上に三人の審判の一人としている。レフリーに注目していたせいもあって、どちらを応援するということも決めずに、このゲームを見に来た。

ホッケーはサッカーに似ていると思った。誰がパックを持っているか。そこにチームのメンバーの集中力がそそがれ、自分のポジションを考える。時には、何がなんでも、相手を邪魔し、ゴールを阻止する面もある。シャープなトレースとパスライン。素早い身のこなしは美しい。それにしても、相当な熟練が必要な競技だと思う。

今回、技術もさることながら、アメリカのチームは圧倒的な雰囲気で相手のチームをことごとくうち負かしてきた。
ノルウエーは、そうは行かなかった。威嚇にも冷静さを失わない。アメリカの得点を押さえ、ペースを保つ。精神面のコントロールこそが技術だ、と言わんばかり。強いチームなのだなあと思う。

第3ピリオド、USAが笠原さんについて登場。
Make some Noise !
アメリカでの競技はたのしいと、笠原さんは言っていた。
パラリンピックの中で、唯一、音楽のある競技。アメリカには、ゲームを楽しむ文化と盛り上げを演出するセンスがある。
ノルウエーの美しいラインのパスが通り、ゴール。同点に追いついた。
ノルウエーは劣勢にみえても大丈夫のところが素晴らしくいい。

会場全体がアメリカ陣営のような今日の決勝戦。ちょっと勇気がいるのだが、いつのまにか密かに、気持ちはノルウエーを応援するようになっていた。目が離せない。パスがつながる。

一瞬の後、引き分けた。

第4ピリオドに入る。USAのフォワード・コッペンが転倒し、退場する。かなりつらそう。スレッジは、格闘技なのだ。
0−0で終了。

第5ピリオドも同じ。

ウィニングショット(サッカーのPKみたいなもの)に入る。
USA、NORの順に、
1-1
2-2
3-2
4-2
5-2

アメリカの優勝が決まった。
応援していたノルウエーが負れたことはちょっと悔しかったけれど、スグに、それが感動に変わった。
それぞれのチームの長野からの4年間を想像し、胸がいっぱいになった。
会場は準備していたかのようなスゴイ歓声が続いている。
すばらしい試合を楽しむことができ、満足した。


佐々木 延江●www.paraphoto.org 〜Days〜

この手紙に返事を書く→



Back

Days Letter Indexへ戻る