ホッケーが楽しいということを学んだカナダ留学。
観てる人も、楽しんでほしい。

今カナダに留学中なんですね。向こうの生活はどうですか?
――留学して1年半くらいになりますが、学校や生活上では特に問題ないですね。いまは、地元オタワのチームで練習をしています。僕は敵なのでオールカナダの練習に参加することはありませんが、距離を保ちつつ選手や監督とは情報交換などはやっています。

客観的にカナダチームをみてどうですか?
――やっぱりカナダは強いですね。個々も素晴らしいんですが、とくにチームとしてまとまっているし出来上がっている。チームワークというかチームプレーというか、みんな何でもできるというチームなんで。

逆に客観的に日本を見ることはできましたか?
――大いにできましたね。今まで自分が中にいたので気づかなかった部分も含めて、いろんなことが見えるようになった。日本チームに足りなかったものは、技術面では限りなくありますけど、パックのコントロールや左右のスティックの使い方とか。ターン、ダッシュ、パス、シュートの仕方もね。カナダは、正直すべて日本より上かなと思います。一番の大きな差はホッケーを知っているか知らないかですね。

それはもともとホッケーが盛んな国だから?
――カナダの選手なんかは、もううまれた時からホッケーやってて。毎日のようにテレビでホッケーやってますし。向こうはホッケーって生活の一部。ごくごく自然なんですよ。カナダの少年の8〜9割がホッケーを当たりまえのようにやってるんですよね。そして、みんなホッケーを楽しんでいる。日本でやるホッケーももちろん楽しいんだけど、「さあ、ホッケーをやるぞ!」って意気込まないとできないという違いがありますね。

スレッジのチームも多いのですか?
――オタワにはハウスリーグというのがあって、30〜40人くらいいて、プロもアマも男も女も健常者も身障者も一緒で、プロもいれば10歳の子もいる。障害を持っている人でも全然手が使えない人もいるんですね。それを3チームに分けて秋からリーグ戦をやっていきます。

スレッジホッケーについて学んだことは?
――ハウスリーグに参加して、これがスポーツを楽しむという原点なんだなと思いました。僕がはじめてカナダに行って教わったことは、「ホッケーは楽しい」ということでした。

永瀬選手のモットーに「楽しく・強く・かっこよく」とありましたが、GKは一番カッコいいポジションだと私は思います。
――防具いっぱいつけて中見えないんですけどね(笑)。カナダやアメリカでもGKって凄く人気で特別のポジションで。テレビで取り上げられることも多いですし、NHLでもGKが活躍するチームが上位に出てくる(笑)。見てて格好いいなあと。

スレッジを始めて最初からGKだったんですか?
――最初からゴーリーを目指して始めたわけではないんですが、実は僕はチームの中でスピードが全然遅かったんですよ。今まであんまりスポーツとかやってなくて筋肉もなくて。でも、僕の場合は体も大きくて障害のレベルも軽くて腹筋もきくんで、ゴーリーに合っていたと思います。GKは右に左に転んで起き上がって、ってやるもんなんで。'95−'96のシーズンに大村監督に自分からゴーリーをやりたいと言って、そこからずっとですね。

ソルトレークで、コイツだけは絶対止める!という選手はいますか?
――やっぱりアメリカは今までずっと接戦で、長野では勝ったんですけど、どうしても勝たなければいけない相手で。ジョーハワードっていう23番の両足切断のヤツがいるんですけど、長野のときも1点取られて。世界選手権でも2点取られてるんです。唯一、彼だけ点数とられてるんですよ。苦手意識があるわけではないんですが、彼はアメリカチームのエースでキーになる選手なんで。今回のアメリカ戦では、彼を抑えたいですね。3強があって、そのあと日本、アメリカと続きますから、まずアメリカに勝つというのが上にいく最低条件です。

今回の目標は?
――特にこう、勝ち星計算をして勝てるチームではないですし、うちらはチャレンジャーなんで。でも、もちろん負けるつもりで戦う試合はありません。毎試合100%でやって、カナダにしてもノルウェーにしても勝てるチャンスはあると思ってます。その結果ひとつでもメダルの色がよければいいと思います。最低限メダルを取るのが目標です。

最後に読者の方にメッセージをお願いします!
――僕たちも試合を楽しんでやりますので、写真であれ文章であれ、僕たちのエキサイティングな試合を観て「楽しんで」ほしいですね。


●永瀬選手の留学を通しての様々な経験が、これからの日本のスレッジホッケー界にいい影響を与えるのではないかと思いました。世界でも屈指のゴール死守率を誇る日本のゴーリー陣、ソルトレークでも活躍を期待したいと思います。
永瀬選手、ありがとうございました!


荒木美晴

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