「4点」が、勝利へのキーワード。

長野大会から4年、選手の中で気持ちの変化はみられましたか?
――初出場の長野大会はあっという間に終わってしまった。今回の代表は新たに加わったものもいますし、2回目の出場になる選手もいるんですけど、代表漏れしたメンバーも含めてそれぞれが「チームとしてメダルをとる」という目標はしっかり持つようになりました。

チームの目標がはっきりして、練習内容は変わりましたか?
――毎年、年度末に総チェックの意味も含めて遠征に行くようにしました。その年の代表を連れて行くんですけど、それで今までやってきたことの課題点を探って見直すようにしています。もちろん練習の基本は日本のカラーというものなんですけど、それに肉付けをしていくという感じです。意識的に変わった部分では、1年ほど前から選手同士でミーティングをやるようになりました。今まではスタッフが選手を呼んで「さあ、やるぞ」という形だったんですね。今でもそういうことはたまにありますが、選手の自主性は出てきましたね。

日本は“パックに対する執着心“が足りないと言われてきましたが、克服はできましたか?
――いや、まだまだ足りないですね。パスを受け取っても、またすぐにパスを出してしまう。パックを引きつけていないから、そういうポジションやスピードで相手のDFやGKに「あ、これは打ってこないな」というのがわかるんです。2−1とか3−1とか攻撃に有利な状況なのにパスしか考えてない。パックキャリアーはすぐにシュートを狙うくらいの姿勢で攻めていかないといけないのに、それができていない。とにかくパックを持ったらFWは「絶対俺が決めてやる」という気持ちが必要です。そこでチェックが来て囲まれてはじめてパスを出すというね。「引きつけてのパス」が要るんです。

それは技術敵な問題?
――何故そういうことが起きるかというと、練習のための練習になってしまっているから。日本のチーム内ではパスが通るけれども、いざ上位3強とやったとしたらまず通らない。そこを意識して練習をしないと「練習のための練習」になってしまう。コンビネーションでも負けない形をつくらないと・・・。今は、日本同士のやり方にならないように、ビデオやメールでのミーティングでチェックして、意識の改革につなげようとしています。

外国選手との体格差は関係ありますか?
――それもありますし、スピードやパワーでもまだ負けてますね。

では、ソルトレークで日本はどんな形で戦えばいいのでしょう?
――どこの国でも、自分たちがやってきたことを出し切ることが最低条件です。あとは各チームのスタイルがありますから、対戦相手の癖をよくつかむことですね。

日本チームでその働きに期待している選手は?
――FWとDFにはきっちり仕事をしてもらいたい。GKは2人(永瀬、福島)いますが、どちらが出場しても世界には負けないと思います。今までの試合でもたくさんシュートを浴びているわりには失点が少なく、よく守ってますんで。

すると、GKの調子が試合展開のカギになる?
――もちろんそれもあります。正直、わたしは「4点」が勝負の境目、勝負どころだと思ってます。4点取ってくれれば勝利もあるのではないかと。

日本のスタイルとしては先に得点したいですよね。
――そうですね。得点力があるチームではないから、1点2点取られて逆転するのは難しいので、先制点をあげたいですね。そして勢いに乗りたい。

最後に読者の方にメッセージをお願いします!
――長野のあと、ソルトレークに向かって「メダルをとる」という目標でやってきましたし、みなさんの期待に応えたいと思っています。そして、まだまだスレッジホッケー人口がとても少ないので、今回一人でも多くの人に興味を持ってもらって選手育成につなげたいという想いもあります。メダルの色が何色かは別として、そういう意味でもソルトレークで結果を出したいと思います。


●合宿中でお忙しいにも関わらず、取材に応じてくださった監督。とてもまっすぐに日本チームのことを話してくださいました。「メダルをとるために」頑張ってきたチームの活躍に期待したいと思います。
大村監督、ありがとうございました!



荒木美晴

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