常に冷静に。司令塔としての役目を果たす。

ここ4年間の国際試合でのポイントランキング1位のポイントゲッターですね。FWの要としてソルトレークに向けての想いは?
――そういうことは全然気にしてません。自分のやらなきゃいけない仕事をやって、今やらなくてはいけないことに集中したいです。

今やらなきゃいけないこととは具体的に?
――ゴールを入れるとか入れないだけじゃなくて、要所要所でシュートを打つこと。どんどんゴールを狙う。世界と比べて、シュート本数がとにかく日本は少ないんですよ。こないだの世界選手権でもトータル本数が格段の差。だからシュート本数を増やしたいなと思ってます。また、僕はセンタープレーヤーなんで司令塔としてみんなが動きやすいようなプレーをすることに集中したいです。

全体のシュート本数を増やすための動きをすることが司令塔として役割ということ?
――そう、自分もどんどん打っていく。で、そういう打っていくという雰囲気を作る。

ソルトレークで、課題のパスミスをしないためには?
――声を出すこと。声の連絡がすごく大切です。血迷わないように落ち着いて冷静に。これは普段の練習からそういうプレッシャーを受けてるんだっていう気持ちでやってないと、上手にならないですよね。とにかく周りを見ることです。

3強を倒す自信はありますか?
――自信・・・。正直、自信なんで全然ないですよ。だけど、うちらは挑戦者なんでガムシャラに・・・。ソルトレークで怪我して選手生命絶たれてもいい、くらいの気持ちでいって、その結果がメダルにつながればいいと思います。

目標は?
――金メダル! とりあえず目標に置いとけばいいかと・・・(笑)。でも、ぶっちゃけた話ね・・・

ぶっちゃけて下さい(笑)。
――おれ個人ではそんな目標ってないんですよ。ていうのは、やっぱりやらなきゃいけないことに集中しなければいけないから、メダルを目標に置いちゃうとやっぱり、僕も冷静さを欠いてしまう。チームで決めたことを司令塔として忠実に伝えて、自分もやって、その結果がどうなるかっていう事が大切なんです。

メンタル面で変わったことは?
――僕はものすごく変わりました。長野のときはもう舞い上がっちゃって・・・。自分のプレーなんて覚えてないし。戦略的に全然何もできなかった。長野が終わって、ずっと前からやってたバスケの合宿に参加したんです。そこではメンタルトレーニングをすごく重視してるんですよ。それにバスケットって厳しい世界で、スレッジとは比べ物にならないくらい競技人口が多くて、全日本なんてホント頂点のひとにぎり。競争が激しいんですよ。そういうのを間近で見て、自分のメンタル面も変わってきた。ハングリー精神が出てきましたね。もちろん、長野で経験したことが今に生きてるし、あとは海外との試合の数をこなしてきたというのもある。そういうのでだいぶ変わりましたよね。

とにかく自分を信じてやるという意気込みが感じられますね。
――善戦できると思いますよ。

頼もしいですね。
――舞い上がることはないと思います。今までの積み重ねがあるから。それは「勝つ自信」っていうのではなくて、ちゃんとやれるっていう自信。その自信はあります。たぶん雰囲気にのまれちゃう選手もいるだろうから、自分が静めてあげる役になって・・・。

プレーヤーの心理として、そういう時って声をかけたら落ち着くんですか?
――いや、それは治らないです(笑)でも、自分の動きで教えてあげるというか。こういうこともできるんだよって、見せてあげれば治る部分もあるかと思う。でもまあ、一番は本人がトレーニングしないとダメなんですけどね。声であったり、行動であったり、手段はいっぱいあるから。

最後に読者の方にメッセージをお願いします!
――日本の代表として恥ずかしくないプレーをして、今やるべきことをやってその結果がメダルにつながればいいと思うので、応援してください。


●日本代表としてのプライドがじわじわと感じられる取材でした。矢口選手のスレッジホッケーに対するまっすぐな姿勢は、これから何かを始めようとしている人にとっての目標となるのではないでしょうか。
矢口選手、ありがとうございました!


荒木美晴

この記事に感想や問い合せを書く→

Back