Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月28日 (08:33)

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尾崎峰穂選手、やり投げで銅。6大会連続でメダル獲得

フリーライター・武藤歌織

photo アテネパラリンピック大会−27日
 視覚障害B1クラスの尾崎峰穂選手が27日、やり投げで銅メダルを獲得。これで、パラリンピック6大会連続してメダルを獲得したことになる。

 やり投げ競技は、予選と決勝があり、予選で3回やりを投げ、より遠くにやりを飛ばした上位8人が決勝に進む。決勝では、さらに3回投げて、予選の記録も含めて遠くに飛ばした順に勝者を決める競技。

 視覚障害B1クラスは、13選手がエントリーし、尾崎選手は最後に投げた。投げる方向は、コーラーと呼ばれる人が手拍子や掛け声で知らせるしくみ。

 尾崎選手は、1投目にフライングで記録なしで始まったが、2投目は40メートル27、3投目が39メートル58を投げ、予選を通過。 決勝ラウンドで、5投目に40メートル90を投げて3位となった。

 1位は、前回大会までB2クラスだったオーストラリアのマリンコビック選手で、世界記録の49メートル33を樹立。2位は、これまでの世界記録保持者で、シドニー大会金メダリストのドイツのヘゲホルツ選手で、45メートル87を投げた。

 尾崎峰穂選手は、表彰台での気持ちを「競技が27日で、待って長かったこと、早くやりたかったという思いがわき、そのあと、君が代を最後に流したかったなと思い、でも、6回連続、メダルでつなげられたというのがうれしく思えた」と話し、目尻からは涙が溢れていた。

 尾崎選手は、やりを投げる際、方向を定めるために左手を添えるスタイルで練習をして前回、シドニー大会に臨んだものの、競技直前に、「シングル ハンド オンリー(片手のみ使うように)」といわれて戸惑い、飛距離を思うように伸ばせず銅メダルに終わった経緯がある。

 今回は、その「リベンジ」をテーマとしていた。
しかし、一回目にやりを投げる方向を知らせる役目のコーラーの声がよく聞き取れず、右方向に走ってしまい、ファールとなってしまった。それに同様し、練習では45メートル以上を飛ばしていたものの、結果は、40メートル90で銅。
 競技を終えたのち、尾崎選手は、「リベンジは、まだまだ続くね。記録は全然だめなんで、もう一回。このにぎやかな中で競技ができるのは、うれしいけれど、方向取りができず、1本目は線をいきなり踏んで、動揺してしまって。それがなければもう少し、自信をもって投げられたのに」と悔しい胸のうちを語った。
 そして、
「妻と子どもには、メダルを取れて、見せることができた。そして、まだまだやっているところを見せるからといいたい」と、
あくなき気力を見せて、「7連続で大会出場」を目指すと話した。

 尾崎選手は、このパラリンピック大会期間中に誕生日を迎えた41歳。1984年に第7回ニューヨークパラリンピック大会に出場して以来、6大会連続出場し、ニューヨーク、ソウル、バルセロナ大会では、走り幅跳びで毎回、世界記録で金メダルを獲得。アトランタ大会はやり投げで金メダルを、シドニー大会で銅メダル、
今大会も銅メダルを獲得した。


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