Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

9月29日 (17:39)

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Go for it, Hussain!

大学院生・Nobuko TANAKA

photoイギリス中部にあるラフバラ大学で、サウジアラビア代表(重量挙げ・陸上)がアテネ事前合宿を行っている。今回の選手団は16人。その中のひとり、重量挙げ67.5-75Kg級に出場するフセイン・ハビブさん(26歳)もいた。重量挙げを始めて9年。筋肉質の身体に憧れて始めたのがきっかけだった。2003年のヨーロッパオープンでの銅メダル獲得などはあるが、世界大会の出場は、今回のアテネが初めてとなる。今回のアテネで金メダルを獲得すれば、サウジアラビア政府から80,000アメリカドル(125円x80,000USD=1千万円)の報酬が出るといういうが、フセインさんは淡々と語る。「お金の為に僕は出るのではない。お金は5年後、10年後になったら自然となくなるもの。僕の今回の目的は、これまで培ってきたトレーニングにひとつの区切りをつけることなんだよ。だから、何色でもいい。とにかくメダルを取って、家族やコーチに恩を返したいんだ」。フセインさんとコーチとの出会いは、1995年。スポーツセンターで出会ったのが最初であった。フセインさんは、コーチに対し絶大なる信頼感を寄せている。「僕以上に僕を理解してくれる人だ。」普段はエンジニアとして働くコーチも、アテネのために仕事を休んできた。「フセインの活躍は僕の励みである」と。お互いの信頼関係が、今のフセインさんの実績をつくりあげてきた。二人の関係を知らない人間にさえも、すぐにその絆の深さを感じさせるほどであった。

イギリスとサウジアラビアの重量挙げチームは、年1回の合同合宿を行い交流を深めている。今回はイギリスチームの招待で、ラフバラにトレーニングに来た。サウジアラビア障害者スポーツ協会(Saudi Arabia Sports Federation for Special Needs)は1992年に設立。フェイスル王子が式典に出席し、サウジアラビアにも障害者スポーツ協会を設立すべきとの提案されたことにより、サウジアラビア政府が動き出した。現在、約3000-4000人のスポーツ選手を抱えている。小さな障害者スポーツの活動が少しずつ実を結び始め、現在は、オリンピック委員会のメンバーにもなっている。サウジアラビア国内には、5つの障害者スポーツセンターがある。

今大会は7位に終わったフセインさん。アリ団長は、彼の奮起に感動したと述べる。今後の更なる活躍を期待したい。(写真は、フセイン選手(右)とファバットコーチ(左))




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