Paraphoto 特定非営利活動法人 国際障害者スポーツ写真連絡協議会

8月03日 (20:21)

Paraphoto Article

タッピングを作る「弦 株式会社」

パラフォト企画担当・佐々木のぶえ

photo7月31日(土)の朝、ブラインド合宿の会場で、「タッピングスティック」の開発・製作をヤマハ発動機とともに行い、ヤマハ製品の広報宣伝をしている企業、弦 株式会社(東京都西麻布)のメンバーに会った。
 水泳のパラリンピック種目ならではの道具として、ブラインドクラスのターンのタイミングをしらせる「タッピングスティック」がある。
 ヤマハ他の企業が関わっているパラリンピック種目では、冬のパラリンピックの花形種目・チェアスキーの開発が有名だ。2002年以前、ソルトレークに向けたプロジェクトには、何社かの企業の技術協力が行われている。当時、パラフォトの取材でも、開発の中心メンバーである神奈川県総合リハビリテーションセンターの職員の方から「チェアスキーの開発では日本が世界一の技術を誇る」と聞いている。
 技術開発の舞台裏には、企業の存在が欠かせない。弦の山本聖司さんは、ヤマハとともにチェアスキーのほか、ブラインドのヨットレースにかかわってきた経験から、ブラインドの競技に関心があったという。現在、仕事とライフワークの両面から、タッピングの開発に関わっている。合宿の会場では、ヤマハで製作した新しいタッピングスティックについて、監督や選手から熱心にフィードバックを聞いている姿があった。

 競技には様々な道具が使用される。陸上競技なら、棒高跳びの棒、棍棒投げの棍棒、レース用の車椅子やグローブ、サッカーならボール、スパイク、ホッケーならパック、スティックなどなど。また、モータースポーツの分野では、車やバイク、ヨットなどがある。みな、競技になくてはならないものばかり、というより、勝敗の大きな鍵をにぎっているのが道具だ。

 企業は、オリンピックなどのビックイベントで技術協力を行い、最先端の道具の開発をすることにより、多くの人が生活で使う商品の開発や実験、宣伝効果などが期待できる。もちろん、パラリンピック競技のためのスポーツ用具の開発も同じだ。障害者の競技で使用する道具にアダプトされた技術の一部を、一般の生活用具に応用することができるし、障害のある人の使い勝手を考えることは、ユニバーサルデザインの視点を持つ企業のデザイナやエンジニアには、とても重要なことである。
 競技の道具には、日本の大小企業が影となり、大いに協力してくれている歴史がある。あらためて、日本が「ものづくり」を得意とする国であると実感する場面でもあると思う。そして、企業で働く技術者にとっても、パラリンピックなどの国際的なビッグイベントにむけて、代表選手らと心をあわせて開発に取り組む仕事は、世界の技術との交流・挑戦となるだろう。ものづくりをする者にとっては、言葉にできない楽しみとなってくれるのではないだろうか。作り手の意気込みや楽しみ、それが見えない力となって、選手への励ましになって伝わればいいなと思う。

(写真は、弦 株式会社の山本聖司さん。ほか何名かのスタッフがタッピングと日本代表チームの様子をみに訪れていた。)

【取材:佐々木のぶえ 写真:森田和彦】

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