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9月20日 (19:18)

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遠い1勝=車いすバスケットボール男子

ライター・角田麻子

photo またしても、アテネパラリンピック1勝目には届かなかった。
 9月20日朝8時半よりオリンピックスタジアム・インドアホールで行われた車いすバスケットボール男子予選B組の2戦目の相手は高さのあるドイツ。

 第1クォーターの開始すぐに、藤本が2本、続いて三宅と立て続けにゴールを決め、慌てたドイツがすかさずタイムアウトを取るという、日本ペースで試合が始まった。
 ゴール下での日本のディフェンスが効いて、ドイツは外からシュートをうつしかない状況だったが、3ポイントシュートや、日本のファールで得たフリースローを決める形で得点しながら巻き返してきた。
 それでも14対12の日本リードで第1クォーターを終了し、日本は幸先いいスタートと思われた。

 しかし第2クォーター始まりは、いきなりドイツのシュートで同点にされてから、今度はドイツが立て続けに3本シュートを決め、嫌なムードに。
 先日のアメリカ戦ではシュートが決まっていた大島だが、今日は何か少し歯車が狂ってしまったのか、シュートが決まらない。
 ドイツの怒涛の攻撃に、日本は第2クォーター中盤まで1点も取れないまま、一気に14対27まで点差を引き離されてしまった。
 残り3分でなんとか大島が外からシュートを決めるも、すかさずドイツに速攻を許すなど、第2クォーターは終わってみれば20対39の大差となった。

 後半は、ドイツのプレーに日本はファールを増やす一方。
 日本が得点を決めてもドイツ7番のトーマス選手の速攻で点を取られる繰り返しに、日本もドイツの高さに対抗したディフェンスよりも、スピードで攻める選手を送りだした。
 しかし、日本のチームファールが1クォーター内で5つを越えたため、その後の日本のファールのたびにフリースローで点を取られ、得点を決めても速攻で返されるという展開に点差はじわじわと広がり、終わってみれば58対79という大差での敗北となった。

 キャプテンの大島は「日本のシュートミスに目がいってしまうが、すべてはディフェンス。相手はシュートをミスしてもリバンドをきっちりひろって、セカンドシュートを決めてきたのが大きかった」と、敗戦をふり返った。

 2敗したとはいえ、選手たちは100%プラスアルファの力を出していると小川監督は、敗戦の中にも手応えをみる。
 「まったく何もできずに負けたわけじゃなく、自分たちのしてきたこをコートでは結果として出している。負けは負けとして修正点を確認し、次につなげたい」と語った。

 次の対戦相手はイラン。日本はこの先オランダなどの強豪チームとの対戦があるだけに、決勝に残るためにも、ぜひともイラン戦で確実に1勝をあげたい。

 なかなか手の届かないアテネでの1勝。
 負けられない試合が、ここにある。


【撮影:なごやん】

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