サッカーの世界で勝敗を分ける1番大きな要因として、ここぞというチャンスでゴールを決められるかどうかの決定力がある。強いチームであればあるほど、必ずと言っていいほど大事な場面で結果を出していくものだ。いくら善戦しても、どれだけいいプレーをしても試合に勝てなければ全く意味がない。負ければ残るのは屈辱感だけ。そんなスポーツの生々しさを身にしみて感じる予選2日目となった。
<ロシア対アメリカ 3:0> 決して優勝を目指すロシアにとって、満足のできる試合内容ではなかった。それでも危なげなく確実に勝って、予選をもう1試合残したこの段階で準決勝進出を決めた。勝てばいいのだ。それ以外は何もいらない。初戦に比べるとプレーが雑で、決定的チャンスに散々シュートミスを犯す。どの選手も疲労感を隠せない様子だった。そんな中で際立っていた選手がいた。ロシアの8番、POTEKHIN Ivan選手だ。
常に安定した能力を発揮するオールラウンダーで、守備から攻撃まで幅広くこなす。彼を中心に常にゲームが動いているように感じられる。いわばチームの潤滑油のような存在だ。最終ラインからすっと前線にあがり、ボールをもらい、ゲームを組み立てる。彼がボールを持つとチームが落ち着くのだ。足元が強いためボールキープがうまい。そのため安心してボールを預けられる。そのうえ彼には独特の間があり、ボールを保持しているときにタメが生まれる。そのため相手側はボールを奪いにいき辛くなるのだ。
それだけにとどまらずパスやシュートの精度もチームの中でNO.1。ボールの勢いをうまく殺した絶妙なシュートで相手ゴールを脅かす。この日も貴重な先制点を叩きだした。間違いなく彼の存在がチームにゆとりとリズムをもたらしている。まるでオーケストラの指揮者のようである。次の試合はどんなハーモニーを奏でるのであろうか。
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/ BBS
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