関連カテゴリ: Tokyo 2020, ジャパンパラ, 国際大会, 地域, 夏季競技, 東京パラムーブメント, 横浜 — 公開: 2018年10月5日 at 1:51 PM — 更新: 2021年5月29日 at 10:28 PM

スペインのモラーレス、100m平泳ぎと100m自由形で金~2018ジャパンパラ水泳競技大会~

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100m自由形(S14)金メダルのミシェル アロンソ・モラーレス(中央)と、銀メダルの北野安美紗(左)と銅メダルの井上舞美(右)
100m自由形(S14)金メダルのミシェル アロンソ・モラーレス(中央)と、銀メダルの北野安美紗(左)と銅メダルの井上舞美(右)

ロンドン、リオパラの100m平泳ぎ金メダリスト、今大会でも同種目で金

2018年9月22~24日に横浜国際プール行われた2018ジャパンパラ水泳競技大会で、スペインのミシェル アロンソ・モラーレス(Michelle Alonso Morales、S14・SB14=知的障害クラス)が100m平泳ぎ(01:15.08)と100m自由形で金メダル(01:02・39)、200m自由形で銅メダル(02:19.08)を獲得した。

今年で24歳のモラーレスは、18歳で挑んだ2012年ロンドンパラリンピック水泳100m平泳ぎ(SB14)で大会新記録の01:16:85で金メダルを獲得。2016年リオパラリンピックでも記録を更新(01:12.62)し、再び金メダルに輝いた。

しかし年々競技レベルが上がり、若手選手が増えてきていることに加え、加齢による肉体的な疲労や痛みを辛く感じ、耐えられなくなってきた。今は東京パラリンピックでの金メダルを目指すことに専念しているが、同大会を最後に引退することを決意している。引退後のことは、まだ未定だ。

モラーレスは、200m自由形で銅メダルを獲った直後のインタビューで、
「プールは泳ぎやすく、気に入りました。レースはとても厳しかった。この種目はリズムのコントロールがうまくできなかったので、銀メダルを試みたものの残念ながら3位でゴール。自己ベストに届いておらず、タイムを縮める努力をしなければなりませんが、レースを楽しむことができたから満足しています」
と語った。

今大会が2度目の来日。初来日は2017年に辰巳国際水泳場で開催されたジャパンパラ水泳競技大会で、200m自由形(S14)で02:18.16で金メダルを獲得した。2020東京パラリンピックの開催国で国際レベルのレースに参加し、重要な種目の調整、レベル確認など滞在期間が短い中でいろいろな経験を積むのが目的だった。

日本の文化や漫画が大好きで、自称「オタク」。自身も水泳選手なので、小学生の頃水泳部員だった少年たちのその後を描いた『Free!』という漫画がとても好きだという。その他にも『ONE PIECE』や『NARUTO-ナルト-』、また様々なキャラクターが好きで、大会の合間、時間が許す限り友人のジュディ(同じスペイン代表のジュディット ロロ・マリシャノ)と買い物に出かけ、トランクに入らないぐらい洋服や雑貨、キャラクター関連グッズを購入した。

漫画は、日本語を覚えるのに貢献しているらしい。インタビューの合間にも、「先生」「ありがとう」など単語ながらも日本語を交え、嬉しそうだった。
前大会でも滞在した東京については、『素晴らしかった』と一言。

水泳は人生そのもの

モラーレスにとって、水泳は「人生そのもの」だという。
「小さい頃から水泳が好きでしたが人と関わるのが苦手で、家に引きこもり、殻に閉じこもりがちでした。15歳の頃からパラ水泳選手としてトレーニングを始め、その後は社交性やコミュニケーション能力、友情、人に対するリスペクトの気持ちなど、すべてを水泳を取り巻く環境で学びました。
沢山のレースに参加し、その都度インタビューに応じているうちに、少しずつ人と関わることに抵抗がなくなり、解き放たれました。
まだ今でも日によっては感情のコントロールが難しい時がありますが、今日はとてもハッピーです。
昨日(22日)は100m平泳ぎで金メダルを獲得し、今日は銅メダル。
そして明日(24日)もできればメダルをゲットしたいですが、できなくてもレースを楽しみたい。
また来年のジャパラ水泳に来られなくても、2020年には必ず会えます」
と力強く話してくれた。

(編集・校正 佐々木延江、望月芳子)

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