富田400m自由形S11、鈴木50m平泳ぎSB3で銀メダル、東海林100mS14バタフライで銅メダル 〜London 2019パラ水泳世界選手権 DAY7・最終日〜

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9月15日「London 2019 World Para Swimming Allianz Championships(パラ水泳世界選手権)」は7日目・最終日を迎え、男子400m自由形S11で富田宇宙(日体大大学院)が、男子50m平泳ぎSB3で鈴木孝幸(GOLDWIN)が銀メダルを獲得、男子100mバタフライS14では東海林大(三菱商事)が銅メダルを獲得した。日本代表はこの大会を通じて金メダル3、銀メダル7、銅メダル4の合計14メダルを獲得。金メダルランキング11位、東京2020出場枠5を獲得し大会を終えた。

男子400m自由形S11で、オランダのロジャー・ドーソンと競い合う富田宇宙 写真・安藤理智

富田は、昨夜は男子100mバタフライで木村とともに銀メダルで表彰台に上がり、今日は長く取り組んできた400m自由形で、世界の舞台で通用する泳ぎを見せ、東京2020に向け、世界パラ水泳の日本代表に新たなもう一人のS11ブラインド・スイマーの存在感を示した。

男子400m自由形S11の表彰式で銀メダルの富田宇宙 写真・安藤理智

「金を狙っていたので悔しさは残るが、自己ベストを更新でき嬉しい。ただ(優勝したオランダの)ロジャー選手の28秒は僕には出せないタイムで、目指している部分。彼が持っている競泳者としてのテクニックに習いたい。駆け引きではなく、自分のペースを守り記録を更新するためではあるが、途中、隣の(中国の)ドンドン選手と接触し、後半はお互いに感じながら泳いでいたんです。ラストは必ず追い抜ける自信があった。僕の中では彼が一番泳ぐと思っていたので、ぴったりついていき引き離す作戦で、最後に振り切ったんですけれども、実は奥側にいたロジャー選手が早かったということです。これがブラインドスイムの難しいところです。ドンドン選手、ロジャー選手もこれから戦う相手だと思います
」

ーー世界デビューで感じたことは?

「自分の実力が世界で戦えるレベルにあるということは嬉しい。一方日本チームは苦戦を強いられている。日本の試合はもちろん、パラリンピック前年の世界選手権の雰囲気は全く違う。海外の選手との雰囲気、トップ選手が全員肩を並べて戦う。ここが本当の試合だ。みんなこのためにきているんだということを強く感じました。鈴木選手や木村選手が海外で練習している理由も理解しましたし、ここから世界の雰囲気を持ち帰って危機感を持って変わって行かないといけないんじゃないかと思います」

男子 50m平泳ぎSB3・鈴木孝幸5個目のメダルは銀!


鈴木孝幸(GOLDWIN)は今大会7日間で5種目を泳ぎ、自己ベスト3つ、全ての出場種目でメダル(銀メダル4つ、銅メダル1)を獲得した。


鈴木孝幸の応援にきた人々 写真・安藤理智

男子50m平泳ぎSB3をスタートする鈴木孝幸(GOLDWIN) 写真・安藤理智

「疲れのなかで48秒台出せたので合格ライン。金をとれなかったのは残念だが、実質6日間で5種目。自己ベスト3、銀メダル4つ、落ち着いて臨んだ。いい環境で取り組んだ成果を出すことができた。東京ではこの銀を金に変えて行きたい」 

男子100mバタフライ S14、東海林大は銅メダル!

男子100mバタフライS14でイギリスの選手と競り合う東海林大(三菱商事)決勝は58秒14で3位、銅メダル「緊張して大きな泳ぎができなかった。昨日の金メダル、世界記録は大きな経験になる」 写真・安藤理智

最終日の試合を観戦する日本選手団のベンチ 写真・安藤理智

日本選手の試合が全て終わると、峰村史世日本代表監督はミックスゾーンで記者からの質問に答えた。

ーー大会終えて課題と成果は? 

「(日本代表の)多くの選手がベストタイムを更新でき、ある程度世界で戦えるレベルがあることが確認できた。昨年からのクラス分けの見直し、ロシアの復活など、東京に向けて各国の状況が揃いました。1位じゃなく2位、2位じゃなく3位という狙いが届かなかった課題を確認して、あと1年を取り組みたい。世界ランク1位で金がなかったのは鈴木孝幸ですが、銀が4つ、ベストタイム3つを出していますのでしっかりと評価したい。1秒とか0.5秒のタッチの差で惜しいということでも、ロマン選手とは体の特徴や練習の仕方が全然ちがい鈴木なら鈴木の持っている能力をさらに伸ばすことを考えていく。

最終日、日本選手全員の試合が終わった。 写真・安藤理智

S14(知的障害)の選手は環境が個々の人に合っているかが重要。山口尚秀にしてももっと整えていき、素直な伸びを作っていきたい。東海林大、中島啓智も彼らの性格も含めてより彼らの環境にあったものを所属と相談をしながら高めていきたい。
(メディアの皆さんは)メダルを期待していると思いますが、我々もまずメダルを確実に狙いたい。来週のジャパラも見て、選手をしっかりと選択して強化していきたい。来週(日本で練習している選手たちを)信じている。東京地元開催で一つでも多くの枠を獲得するために若い選手も含めて枠をしっかり取っていきたい」

ーーどうしたら若手を育成できるのか?

「イタリアやイギリスなど10年くらいかけて強化をしてやっとここまできたと聞いている。状況は全然違うがいつも参考にはしています。
強化面では日本全国の6ブロックに分かれている中で、育成のところから大事。とくに基礎指導ができることが大事に思う。イギリスにも女子はいいが男子は難しいなど課題はある。
また、昔は障害のある人がまず水泳から始めていたが、今は選択肢があるので、水泳が選ばれないこともある。スイミングクラブがたくさんあるのでそこだと思う。若い選手は中学生くらいからジャパンパラに来ているが、そこから上がらないという状況にある。ヨーロッパは地理的に有利で、移動が1〜2時間ででき、各国のオープン大会に参加する機会がたくさんあり、強化がアジア、日本よりは有利に進んでいる面がある。若手の育成、強化をすることは、日本がオリンピック・パラリンピックの機会に取り組むことだと思います」

9月15日 DAY7(最終日)・結果

男子 100m平泳ぎSB6
中村智太郎(株式会社日阪製作所)
予選:1分28秒89 8位
決勝:1分27秒91 8位

男子 100mバタフライ S14
東海林大(三菱商事)
予選:57秒84 5位
決勝:58秒14 3位 銅メダル
中島啓智(あいおいニッセイ同和損保)
予選:59秒01 6位
決勝:58秒52 4位
山口尚秀(瀬戸内スイミング)
予選:59秒72 4位
決勝:1分1秒62 8位

男子 50m 平泳ぎ SB3
鈴木孝幸(GOLDWIN)
予選:54秒07 2位
決勝:48秒83 2位 銀メダル

女子 50m自由形 S13
辻内彩野(三菱商事)
予選:28秒09 5位
決勝:27秒95 5位

男子50m自由形 S9
山田拓朗(NTTドコモ)
予選:26秒66 12位
(決勝出場なし)

男子400m自由形 S11
富田宇宙(日体大大学院)
予選:4分43秒82 3位
決勝:4分32秒90 2位 銀メダル

女子100m自由形 S5
成田真由美(横浜サクラスイミング)
予選: 1分30秒83 9位
(決勝出場なし)

(編集協力:丸山裕理、石野恵子 校正:丸山裕理)