9月18日(現地時間)競技最終目、リオパラリンピック・ウィルチェアラグビーは、発祥の国、強豪カナダを相手に迎えた3位決定戦は朝9時にスタートした。
前回、バンクーバーで行われたカナダカップでも日本はカナダに勝っているが、パラリンピックに向け、カナダも万全の体制で挑んでいた。
第1ピリオド開始1分半すぎに池透暢が先制点を挙げ、勝利への決意のもと、テンションを上げての試合展開となった。相手のミスを待ち、池、島川、池崎のゴールが続く。カナダはZak MadellとTrevor Hirschfieldが中心にゴールを決めるが、17−13で日本がリードして第1ピリオドを終える。
第2ピリオドから日本は、池に代わって官野一彦 、乗松聖矢 にかわってベテラン・仲里進を投入。29ー25で接戦のまま第3ピリオドは40−38でリード、第4ピリオド52−50で逃げ切り、カナダに勝利した。
多くの得点をした池崎大輔は、試合後、次のように話してくれた。
「ロンドンは悔し涙、今回は嬉し涙。ブロンズだったが、苦楽を共にした僕たちの力が世界に通用するということを示せた。素晴らしい競技だということ、魅力を伝えることができた。またゼロからスタートします。
試合は、第1ピリオドから流れを作る、ガンガン攻めて、相手のミスを待って、そのチャンスを生かすということができた。(1つ前の)アメリカ戦でも自信ついたが、気持ちを、みんながつないでくれたボールをスコアすることができた。そういうゲームだったと思う。大きな声援が力になりました」
アテネから日本代表として連続4大会に出場した仲里進は、試合後、
「気持ちが上回った勝利だった。戦略面では、これまでカナダを研究してきたが、とりわけ、ザック(Zak Madell)にボールを渡さないことを心がけた。それが成功したと思う。とにかく良かったです」と話していた。
荻野晃一ヘッドコーチは「カナダは組織的なプレーをしてくるので、終始用心していた。途中も盛り返そうとしてきたのは素晴らしいかったと思います。日本のレベル上がり、素晴らしいプレーをした」と選手たちのプレーに満足した感想を述べていた。
ウィルチェアラグビー日本代表はパラリンピックに4大会連続出場で、前回ロンドン大会の4位が最高。アテネへ向かう取り組みから12年、仲里進などのベテラン選手や初出場の乗松聖矢などを含み、チームで苦楽を共に長い道のりを勝ち上がってきた。
2年前に千葉で行われたアジアカップ(2014年)でリオパラリンピックの出場権を手に入れ、世界ランキング3位でリオにのぞんだ。