関連カテゴリ: 取材者の視点, 水泳 — 公開: 2016年11月17日 at 9:41 AM — 更新: 2016年12月2日 at 9:51 AM

リオ後の日本代表が集合。第33回日本障がい者水泳選手権大会〜ミックスゾーンから

ブラインド・ジャパンの活躍と寺西真人コーチ

リオパラリンピックで4個のメダルを獲得した全盲の木村敬一
リオパラリンピックで4個のメダルを獲得した全盲の木村敬一

日本のパラリンピックのメダルの多くを担ってきた競泳。ブラインドクラスは大きな力となってきた。ブラインド選手を支える寺西真人コーチがいる。ロンドンまでに金メダル5個を含む21個のメダルを獲得した河合純一のコーチとしても知られる。筑波大学附属特別支援学校を拠点に選手の発掘・育成・強化を行ってきた。
寺西コーチのもとでは、常に若い選手が徹底した基礎指導を受け、進学と同時により専門的な環境へと移っていく。

ブラインドスイマーのタッピングを担当する寺西真人コーチ。
ブラインドスイマーのタッピングを担当する寺西真人コーチ。

リオ代表には、木村敬一(東京ガス・全盲)、小野智華子(あいおいニッセイ同和損保・全盲)が寺西チームOBとして今大会も元気な泳ぎを見せた。

2008年北京から3大会連続で日本代表を務めた木村敬一は、リオで金メダルを逃したものの日本人最多の4つのメダルを獲得した。木村はまだ、長い戦いの夢から覚めようとする途中にいるようにも見え、リオでの経験の壮絶さがうかがえた。

また、今年中央大学に進学した長野凌生(S13/弱視)が2種目で日本記録・大会記録を更新した。
長身で年齢的にも注目の長野だが、視覚障害の中でも軽い障害となるS13での世界記録への道のりは容易ではない。

長野凌生。寺西チームから今年中央大学へ進んだ。
長野凌生。寺西チームから今年中央大学へ進んだ。

「50メートルをメインにしてる。ベストが出た。短距離でこれからもどれだけ早く泳げるかをメインに練習していく。世界へあと2秒くらい縮めていく必要がある」と話していた。


一方、寺西チームではないがブラインドの富田宇宙(S13/弱視・弱視YEA)も、自主的な合宿を積み重ね、長距離種目で世界選手権を目指していた。

400メートルを泳ぐ弱視の富田宇宙。長距離種目で世界選手権を目標にしている
400メートルを泳ぐ弱視の富田宇宙。長距離種目で世界選手権を目標にしている

長野同様、富田も視覚障害S13で世界レベルが高いため苦戦が予想される。得意の長距離で世界を狙う富田。リオ開催期間中は一人合宿を奈良のスイムピアで行っていた。今回は400メートル自由形と100メートル自由形で大会記録を更新した。
「メキシコの高地で距離の長い種目に耐えるには、そのための練習が必要」と話していた富田。この冬は菅平(長野県)で、年明けは海外での高地トレーニングを予定している。

→若手女子と峰村史世日本代表監督

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