関連カテゴリ: Tokyo 2020, ジャパンパラ, チームジャパン, 地域, 夏季競技, 水泳 — 公開: 2021年5月24日 at 12:41 AM — 更新: 2021年6月1日 at 2:32 AM

荻原が内定第8号!今大会での派遣基準突破は合わせて5人に~WPS公認ジャパンパラ水泳競技大会・DAY3決勝~

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荻原虎太郎、予選失格からの大逆転

男子100mバタフライS8決勝を泳ぐ荻原虎太郎(セントラルスポーツ) 写真・秋冨哲生

18歳の荻原虎太郎(S8/セントラルスポーツ)は男子100mバタフライに出場。予選では呼吸時に肩が水平になっていない(水の中に落ちている)とされ、一旦失格になった。しかしその後判定が覆り、決勝進出。決勝では予選を3秒近く上回る1分5秒25で派遣標準記録を突破し、東京パラリンピック内定を決めた。
右肩と右脚に障害のある荻原は、呼吸時の顔の向きがタイムに大きく影響する。「横呼吸では速く泳げるが、(失格の)リスクが高まる。前呼吸はタイムが遅くなりやすいが、安定性が上がる。予選では安定性を追求したが、決勝ではスピードを意識した横呼吸にした結果、派遣基準を突破できた。どちらをとっても難しい部分は感じています」と自身の今日のレースを分析。

男子100mバタフライを泳ぎ終えた久保と荻原(左から) 写真・秋冨哲生
荻原虎太郎(セントラルスポーツ) 写真・秋冨哲生

失格判定からの大逆転での内定については、「すごく気持ちがたかぶった。レースが終わった後、多くの選手が僕にがおめでとうと言ってくれた。みんなに見てもらえているのを感じて、すごく嬉しかった。これからも大逆転して、東京パラリンピック本番で活躍できるよう頑張りたい」と意気込んだ。

午前の予選で内定の石浦智美、目標の30秒台は…

今日午前中に行われた女子50m自由形S11の予選で派遣標準記録を突破した石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)。決勝レースでは金メダルへの目標である「30秒台」に挑戦したが、結果は31秒28だった。

女子50m自由形S11決勝での石浦智美の泳ぎ 写真・秋冨哲生

30秒台をクリアするための課題について石浦は、「泳いでいると左に曲がってしまうことと、呼吸の多さを修正すればクリアできる。まずは練習で30秒台を出していけるように取り組む」とコメント。
また、2008年の北京から挑戦してきたパラリンピック出場の夢を「4度目の正直」でつかみとったことに関しては、「同級生の秋山里奈がロンドンで金メダルをとって、刺激を受けて大舞台をずっと目指してきた。派遣標準記録を突破して参加できることは、私の水泳人生にとって大きな意義がある」と感慨深げだった。

久保大樹、取材陣の前で涙…

男子100mバタフライには久保大樹(S9/KBSクボタ)が登場。
2018アジアパラ競技大会4×100mフリーリレー金メダル、メドレーリレー銀メダル(バタフライ担当)の久保は、障害のクラスを判定する「クラス分け」が「R2020」となっており、本来2020年以内に再度クラス分けを受けなければならないが、コロナ禍でその機会が巡ってこないままだ。
東京パラリンピックへの望みをつなぐには、派遣基準(1分2秒26)を突破した上で、クラス分けの機会を待つこと。しかし結果は1分2秒76と惜しくも0秒5届かなかった。

男子100mバタフライS9のスタート前の久保大樹(KBSクボタ) 写真・秋冨哲生

取材陣に今日のレースのことを聞かれると、ふーっと深呼吸した。こらえていた涙はあふれ出し、止まらなくなった。
「人生をかけてやってきて、目標を達成できずくやしい。一つの戦いが終わったという感じです」
しかし、まだリレーでの出場などの望みはある。「100mバタフライに人生を全てかけてきたので、それが突破できなかったのは悔しい。でも、リレーなどで出場できるのであれば…チャンスがあれば……パラリンピックにいきたいです」と言葉を絞り出した。

これで今大会、派遣基準を突破したのは富田宇宙(S11/日体大大学院)、鈴木孝幸(S4/GOLDWIN)、石浦智美(S11/伊藤忠丸紅鉄鋼)、窪田幸太(S8/日本体育大学)、荻原虎太郎(S8/セントラルスポーツ)の5人。すでに2019年の世界選手権で内定した木村敬一(S11/東京ガス)、東海林大(S14/三菱商事)、山口尚秀(S14/四国ガス)と合わせて、内定選手は8人となった。

日本の東京パラリンピック出場枠は27。残りの選手は明日5月24日11時、日本パラ水泳連盟のホームページにて発表される。

(写真・秋冨哲生 校正・佐々木延江)

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