関連カテゴリ: アルペンスキー, デイレポート, 冬季競技, 新着, 長野 — 公開: 2022年4月6日 at 8:53 PM — 更新: 2022年4月7日 at 8:23 AM

野沢温泉3日目・スラローム第1戦。スタンディングの青木大和が初優勝!チェア鈴木猛史も好タイムで優勝

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北京冬季パラリンピックに得た学びや課題を受け止めながら、野沢温泉での大会は3日目を迎えた。後半2日間の回転(スラローム)が始まるとスタンディングクラスで青木大和がベテラン勢を制して初めて優勝した。

野沢温泉での「2022パラアルペンスキージャパンカップ」3日目(4月6日)は、種目が回転(スラローム)に変わった。昨日までの大回転(ジャイアントスラローム)と同じコースだが、スタート地点が標高1525メートルに下がり、より細かい旗門に沿って滑り降りる。

青木大和が1本目3位から順位を上げて優勝

スタンディングクラスで優勝した青木 大和(LW3/EXx)の滑り 写真・日本障害者スキー連盟/堀切功

男子は、スタンディングで北京パラリンピック初出場の育成選手・青木大和(LW3/EXx)が1本目3位から順位を上げ、北京日本代表のベテランらを制して初めて優勝した。

スタンディングクラスの表彰式 1位・青木大和、2位・三澤拓、3位・高橋幸平 写真・日本障害者スキー連盟/堀切功

競技が終わった青木は「北京で初めて大きな大会を経験した。この2年間は楽しんでスキーができていたけれど、世界のトップのなかでの体験で、自分もそこに追いついていきたいという悔しさみたいなものも芽生えた。北京後の今大会でいい結果を出したいと思っていたので初めて優勝できて嬉しい。4年後のミラノで表彰台に上がれる選手になりたい」と話していた。

スラローマー鈴木猛史が好タイムで優勝、北京でのリベンジ

座位で優勝した鈴木 猛史(LW12-2/カヤバ)の滑り 写真・日本障害者スキー連盟/堀切功

北京では金メダルを狙いながらも2本目で失敗し棄権となり、悔しい鈴木はこの大会にリベンジをかけていたが、昨日、肩を痛めてしまったという。しかしそのことで逆に緊張が解け、リラックスできたために好タイムを出すことができたようだ。

チェアスキーで優勝した鈴木、試合後ミックスゾーンで

「北京のコースはすごかった。すり鉢状だったり、いきなり急斜面だったりとか、もうほんとに全てが混ざったコースだったと思います。難しかったんだろうなと思いますが、もう滑りきっちゃったんで、そんなに難しくなかったのかも?と思ったりしますけども・・行った当初は悩みました。ああいうところで練習ができればもっとレベルが上がったんだろうなと思います。いろいろ練習の制限もありましたし仕方のないことです。その中でもベストができたと思います。明日が今シーズン最後のレースになりますので笑顔で終われるよう頑張りたいと思います」

IDクラスは、男子木村嘉秀(CTCひなり)が今大会2度目の優勝となった。

女子は、チェアスキー村岡桃佳(LW10-2/トヨタ自動車)、スタンディングは本堂杏実(LW6/8-2/コーセー)がそれぞれ優勝した。

元気よく行けばスピード出る、セッティングを楽しんで!

今大会のレース2本目のコースセッティングを担当する伴一彦コーチに今日のセットについて聞くと、「幅広くセットしたから、勢いある滑りをすればスピードが出るだろう」と。伴氏は日本だけでなく海外のナショナルチームの指導経験も豊富で、2017〜19年は中国のチェアスキーチームを担当した。北京パラに向けた選手強化の基礎や人材発掘に携わった。

今大会で2本目のコースセッターを務める伴一彦コーチ(写真中央)

そんな伴氏は、北京で得た課題と対策について「競技力をもっとコンスタントに、ハイレベルにつけていかなくてはいけない。よりフレキシブルな考え方をもって臨まないといけない。どのようなゲートが立っても対応できる、応用のきく考え方、それには、基本練習もとくに必要で、基本の力を応用していかなる難関にも立ち向かえるような能力を培っていくことが大事。頭でっかちにならず、もう一度しっかり、あと4年かけてやっていきたい」と、話していた。

フィニッシュエリア周辺に集まり仲間の滑りを見る選手と競技関係者たち。次世代選手に注目が集まる

この日の天候は晴れ、気温4度。風は穏やかで、初日に柔らかすぎると評された雪は、薬剤の散布により念入りに固められた状態を保っていた。
ベテラン森井大輝(LW11/トヨタ自動車)も「いいタイミングでこのレースを開いていただき感謝している。これだけ気温があがったなかで、かなり硬い、いいバーンができています。野沢温泉スキー場のコース整備の技術に感謝します」と話していた。

明日の最終日もスラロームが開催される。この4日間はシーズン最後の公式レースとして、北京を終えた選手たちのさまざまな想いが見られた。

(写真提供 日本障害者スキー連盟/堀切功)

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