関連カテゴリ: サッカー, 新着, 横浜, 神奈川, 重度障害, 長野, 電動車いすサッカー, 静岡 — 公開: 2023年4月19日 at 1:24 AM — 更新: 2023年4月27日 at 3:45 PM

FCクラッシャーズが優勝「Powered by JATCO 横浜F・マリノスカップ 第18回電動車椅子サッカー大会」

知り・知らせるポイントを100文字で

横浜F・マリノスカップ第18回電動車椅子サッカー大会が開催され、招待された6チームが熱戦を繰り広げ、FCクラッシャーズが優勝した。

MVPのFCクラッシャーズ太田大皓(右)とMIPのYokohama Crackers永岡真理(左)とのマッチアップ 写真・内田 和稔

2023年4月8〜9日「Powered by JATCO 横浜F・マリノスカップ 第18回電動車椅子サッカー大会」 が神奈川県立スポーツセンターで開かれた。
コロナ禍で3年ぶりの開催となる今大会には、金沢ベストブラザーズ/FCクラッシャーズ/YOKOHAMA BayDream/Yokohama Crackers/Yokohama Red Spirits/SFC デルティーズの6チームが参加し、FCクラッシャーズの優勝で閉幕した。

参加チームによる全体集合写真 写真・内田 和稔

電動車椅子サッカーのルール

PARAPHOTOの読者には知っている人も多いと思うが、筆者は電動車椅子サッカーは初見であったので、改めて書いてみる。電動車椅子サッカーは、電動車椅子を使用したサッカーで、「フットガード」と呼ばれるガードを車いすの足元に取付けボールを蹴る。人数は、男女混合4 人。試合時間は、通常20分ハーフ(本大会初日の予選リーグは特別ルールで15分で実施)。ピッチサイズは、14~18m × 25~30mで主にバスケットコートを使用。電動車椅子の最高速度は10km/h以下(国内は最高速度6km/h以下ルールと併用)まで。試合前にスピードテストが行われ、審判と車椅子に乗った選手が並走して、最高スピードのチェックが行われる。

審判と並走してスピードテストを受ける選手 写真・内田 和稔

他のサッカーと異なる特徴的なルールとしては、2on1(ツー・オン・ワン:ボールに対して半径3m以内に各チーム1 人しかプレーに関与してはいけない)3イン(スリーイン:ゴールエリアにディフェンスが3人以上入ってはいけない)がある。こちらの動画に分かりやすく解説されている。
加えて、国際試合に出場するためには[PF1,PF2]のクラス分けに該当する必要がある。クラス分けに関して詳しくはこちら

決勝戦 FCクラッシャーズ 0−0 Yokohama Crackers

電動車椅子を操作して行う繊細な動きもあり、ボールの奪い合いから電動車椅子同士でボールを挟むとピッチをかなりのスピードで走り回ったり、セットプレーから間髪入れずシュートを狙ったりするところが、初見の私が圧倒されたポイントだ。
FCクラッシャーズは太田大皓、飯島洸洋が、Yokohama Crackersは三上勇輝と永岡真理が中心で試合を動かす。前半はお互いセットプレーから攻撃するも、最後の一撃が決まらずに0−0で終了。後半早々Crackersが攻め込むもGKらのディフェンスに阻まれゴールならず。クラッシャーズはセットプレーからゴールを目指すも決めきれない。後半終了間際、Crackersが紺野勝太郎、佐藤虎太朗、永岡とパスをつなぐもゴールならず。0−0のまま5分ハーフの延長戦へと突入した。

中盤で競り合うYokohama Crackers永岡(中央)、 FCクラッシャーズ太田(右) 写真・内田 和稔

延長戦前半は中盤での攻防が続き、お互い決定打がなかった。 延長戦後半はクラッシャーズ飯島がセットプレーからシュートするがわずかに外れて、そのまま試合終了。

中盤で競り合うYokohama Crackers三上(中央)、FCクラッシャーズ飯島(右) 写真・内田 和稔

PK戦も2−2で決着つかず、最後は抽選によりクラッシャーズの優勝が決まった。

PKを蹴るYokohama Crackers三上(右)、守るFCクラッシャーズGK森山一樹(左) 写真・内田 和稔

優勝チームインタビュー

FCクラッシャーズ 三崎賢治監督

優勝を喜ぶFCクラッシャーズ選手/三崎賢治監督(中央奥) 写真・内田 和稔

Q:優勝の感想と今日の試合の目論見を?
A:最高に嬉しいです。Crackersは優勝常連チーム。胸を借りつつ、自分たちがしてきたことを出す楽しいサッカーを行った。

Q:楽しいサッカーとは?
A:自分たちがしてきたことを試合に出せるかどうか、実践をすること。それをした時に、成功したのか。仮に失敗したとしても、次にそこに課題が見つけられるかどうか。それを模索しながら常に精進することを楽しみにしている。

FCクラッシャーズ MVP太田大皓・飯島洸洋

MVPのFCクラッシャーズ太田大皓(左)、飯島洸洋(右) 筆者撮影

Q:優勝の感想を?
A:(飯島)横浜F・マリノスカップの開催が久しぶりの中で、FCクラッシャーズとしてサッカーができて優勝することができてとても嬉しいです。
 (太田)素直に嬉しいです。今年度シーズンが始まった大会で優勝という結果が取れて本当に嬉しかったです。

Q:久しぶりの大会、これまでのコロナ禍をどうやって克服しましたか?
A:(太田)自分は個人練習。体育館が自宅近くにあるので、そこを使って黙々と練習に励んでます。
 (飯島)僕自身は個人練習はできていませんが、その分、自分たちの試合や国内の試合、海外のレベルの高い試合などを分析したり、映像を編集したりして、チームに採り入れられるように工夫していました。

Q:これからの抱負を
A:(飯島)今年の11月に開催されるチャンピオンシップでの優勝を目指してチーム一丸でやっていきたい。サッカーをブラッシュアップしていけるように頑張りたいです。
 (太田)我々が目指すのはチャンピオンシップの優勝。今日優勝はしたが、反省点は多々あるので、改善して良い結果を残せるように頑張りたいです。

3位決定戦 金沢ベストブラザーズ 3-0 SFC デルティーズ

金沢ベストブラザーズは城下歩を攻守の要としてプレーをする。それに対し、SFCデルティーズの石脇将太、中村康則がボールを奪って対応していた。前半はお互いチャンスを決めきれずに0−0で終了。後半1分、金沢の城下のパスを野川康平が押し込んで先制。そこからしばらく一進一退の攻防が続いた後、15分に城下が石脇との競り合いに勝ち、そのままシュート。2点目を入れる。20分には長瀬義則のフリーキックから城下がシュートして3点目。3−0で金沢がデルティーズに勝利した。

金沢ゴール前シュートチャンスを狙うSFCデルティーズ中村(中央)と阻止する金沢ベストブラザーズ城下(左) 写真・内田 和稔
ボールを挟んで対峙するSFCデルティーズ石脇(左)、金沢ベストブラザーズ城下(右) 写真・内田 和稔

試合結果
優勝:FCクラッシャーズ(長野)
準優勝:Yokohama Crackers(神奈川)
3位:金沢ベストブラザーズ(石川)
4位:SFCデルディーズ(静岡)
5位:YOKOHAMA BayDream(神奈川)
6位:Yokohama Red Spirits(神奈川)

決勝戦
FCクラッシャーズ 0-0 Yokohama Crackers
※PK戦2−2で決着つかず抽選でFCクラッシャーズ が優勝

3位決定戦
金沢ベストブラザーズ 3-0 SFC デルティーズ

5位決定戦
YOKOHAMA BayDream 2-1 Yokohama Red Spirits

MVP:太田大皓(FCクラッシャーズ)
MIP:永岡真理(Yokohama Crackers)
得点王:永岡真理(Yokohama Crackers)

グループリーグ
Aグループ
1位 FCクラッシャーズ(得失点差により)
2位 金沢ベストブラザーズ
3位 YOKOHAMA BayDream

金沢ベストブラザーズ  1−1  FCクラッシャーズ
金沢ベストブラザーズ 1−0 YOKOHAMA BayDream
FCクラッシャーズ 2-0 YOKOHAMA BayDream 

Bグループ
1位 Yokohama Crackers
2位 SFC デルティーズ
3位 Yokohama Red Spirits

Yokohama Crackers 7−0  Yokohama Red Spirits
Yokohama Crackers 6−1 SFC デルティーズ
SFC デルティーズ 3-0 Yokohama Red Spirits 

(写真取材・内田和稔/編集協力・中村和彦)

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