関連カテゴリ: BEIJING 2022, アルペンスキー, ジャパンパラ, 冬季競技, 取材者の視点, 国際大会, 地域, 長野 — 公開: 2022年2月8日 at 5:16 PM — 更新: 2022年3月10日 at 9:57 AM

シートの位置を確認しながら感覚をつかむ。鈴木猛史がスラローム優勝で北京に弾み!~2022ジャパンパラアルペンスキー競技大会

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2月1日から4日間の日程で行われた「2022ジャパンパラアルペンスキー競技大会」(菅平高原パインビークスキー場・長野県上田市)。最終日の4日は男子のスラローム(回転)が行われ、チェアスキーチャンピオン33歳の鈴木猛史(LW12-2/KYB)が優勝。鈴木はソチパラリンピックの回転で金メダルを獲得しており、大本命の種目で来月に迫った北京に弾みをつけた。

実戦でしか確認できないものがある

スラロームでソチ大会チャンピオンの鈴木猛史、スラローム1本目の滑り。平昌後はジムに近いところに引っ越し、体づくりにも力を入れてきた。 写真・内田和稔

鈴木は1本目が40秒75、2本目が40秒58、合計1分21秒33をマーク。同じアルペンスキーの先輩である森井大輝(LW11/トヨタ自動車)、狩野亮(LW11/マルハン)を制して優勝を飾った。

鈴木がこの日に試したことの1つが、シートの高さだった。1本目は普段よりシートをの高さを下げて滑走。広いポールセットで、予想どおり操作性は上がった。これまでに近い高さに戻し滑走した2本目は、セットが細かくなったものの思うようにスピードが出なかったようだ。北京大会に向けてどのようなシート設定をするのか、まだまだ考える余地はありそうだ。

森井と狩野、チェアスキーの先輩たちはミリ単位でメカニックに要望を伝えるが、鈴木は「自分はセンチ単位でも細かく伝えるのが苦手」。この日のオーダーも「座高を下げたらどうなるか?」というオーダーだった。その分、常にメカニックとコミュニケーションをとって、必要なイメージが伝わるように努力しているようだ。

世界トップスリーと見られている日本のチェアスキー。菅平でスラロームの表彰式では1位・鈴木、2位・森井、3位・狩野で終わった 写真・内田和稔

「狙っていた種目で先輩に勝ててホッとした。でも、ここで満足しちゃいけない」と話す鈴木。北京での金メダル奪還に注目だ。

アルペンスキーの聖地、菅平高原

菅平高原パインビークスキー場。ここから世界に羽ばたくパラリンピアンが育ってきた 写真・内田和稔

菅平高原のゲレンデは、長野パラリンピック後から日本のパラアルペンスキーを育んだホームゲレンデである。

過去パラリンピック5大会に出場し、金メダルを含む10個のメダルを獲得したチェアスキーのパイオニアで、現在は強化本部長をつとめる大日方邦子氏をはじめ、森井や狩野、鈴木ら世界トップチームを育んできた地だ。そしてついに、大日方からバトンを受け継いだ女子チェアスキーのエース・村岡桃佳(LW10-2/トヨタ自動車)が、前回・平昌大会で金メダルを含む5種目全てでメダルを獲得した。

北京大会では24歳の村岡が日本選手団主将を務める。

2018年3月14日、平昌パラリンピック大回転シッティングクラスの表彰式。1位・村岡桃佳、2位・Van Empelen Linda(NED)、3位・Loesch Claudia (AUT) 写真・中村 ”Manto” 真人

選手たちを育ててきた第一人者が、元日本代表コーチの伴一彦氏。

伴氏は海外のコーチも歴任し、4年前の平昌大会に向けては中国からトップ選手の指導者として招聘された。女子チェアスキーヤーの強化を任され、平昌に出場したLiu Stongらの育成も担った。現在は地元の菅平に戻っており、今回のジャパンパラでもコースセッティングで選手たちを支えていた。

夏目堅司日本代表監督の話によれば、伴氏の育成には成果があり、中国の女子にはライバルたちが育っているようだ。今年は開催国となる中国チームがどう花開くのかにも注目したい。

<参考>
バンダビと記念撮影していたその人は・・
https://www.paraphoto.org/?p=15504
(校正・佐々木延江)

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