関連カテゴリ: アンプティサッカー, サッカー, 切断者, 夏季競技, 川崎, 日本選手権 — 公開: 2022年12月3日 at 10:24 PM — 更新: 2022年12月12日 at 3:32 PM

FC ALVORADA 2大会連続4度目の優勝〜第11回日本アンプティサッカー選手権大会2022〜

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アンプティーサッカーの日本選手権大会が11月におこなわれ、10月にイスタンブールで世界選手権を戦った日本代表もそれぞれのチームから出場した。

2022年11月19日から20日に、第11回日本アンプティサッカー選手権大会2022富士通スタジアム川崎で開かれ、FC ALVORADA、FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas、AC Milan BBee千葉、FC TS-ONE 2022、ガネーシャ静岡AFCの5チームが参加して行われた。
19日にリーグ方式での予選、20日にノックアウト方式のトーナメントが行われた。
アンプティサッカーとは下肢障害者のフィールドプレーヤー6名と上肢障害者のゴールキーパーの7人制競技であり、フィールドプレーヤーはクラッチを使って上半身を支えてプレーする。通常は前後半25分の試合時間で行われるが、今大会はコロナ禍と参加者数が通常より少なかったこともあり、決勝戦のみ前後半25分、そのほかの試合は前後半20分で行われた。

本年10月に開催されたアンプティサッカーワールドカップ WAFF World Cup 2022出場した選手も参加し、2日間総計で500人の観客を魅了した。
20日の決勝は、FC ALVORADAがFC九州バイラオール+関西Sete Estrelasに6−1で勝利し、2大会連続4度目の優勝を手にした。

決勝戦 FC ALVORADA 6−1 FC九州バイラオール+関西Sete Estrelasで勝利し優勝!

決勝戦で2得点を上げたエンヒッキ松茂良ジアス(10番) 筆者撮影

去る10月、イスタンブール(トルコ)で開催されたワールドカップに日本代表として選出された7人を有する強豪FC ALVORADAは終始優勢に試合を進めた。前半12分決勝戦の先制点を決めたのはFC ALVORADAのエンヒッキ松茂良ジアス(10番)。最近はボランチのポジションをすることが多いというが、やはり口火を切ったのはエンヒッキだった。前半アディショナルタイムには、高橋 良和(8番)が石井賢(7番)からのクロスに合わせてゴールを決めた。2−0で前半は終了。

後半に2得点を上げた石井賢(7番)のゴールシーン 筆者撮影

後半戦開始直後の1分と8分に、若手の石井が追加点を入れる。今年のワールドカップに出場することは年齢制限で叶わなかったが、帯同した経験が今大会にも活かされたのだろう。後半10分エンヒッキ、後半15分秋葉海人(9番)もゴールを決め、6−0の大量リードを奪う。

ゴールを決める秋葉海人(9番) 写真提供・松本力
試合終盤にゴールを決め一矢報いる近藤碧(7番) 筆者撮影

後半20分、FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas近藤碧(7番)が一矢報いるゴールを決めるも時すでに遅く、6−1でFC ALVORADAが勝ち、2大会連続の優勝を決めた。

優勝を喜ぶFC ALVORADAの選手・スタッフの集合写真 筆者撮影

3位決定戦 AC Milan BBee千葉 0 – 0 (PK:3−2) FC TS-ONE 2022 ※PK戦:3人制

試合前半、一進一退の手に汗握る攻防が続く。ワールドカップ日本代表のAC Milan BBee千葉の金子慶也(33番)、FC TS-ONE 2022の松崎佑亮 (5番)らがピッチを駆けめぐるも、お互いに決め手をかき、0-0で前半は終了。

ドリブルで突進する金子慶也(33番・AC Milan BBee千葉) 写真提供・松本力
ボールを奪い合う金子慶也(33番)・松崎佑亮 (5番) 写真提供・松本力

後半は、お互い決定的なチャンスを何回か作るもゴールならず0−0で試合は終了。
試合後に3人制のPK戦が行われ、3人全員が決めたAC Milan BBee千葉がPK戦を制し、3位となった。

チームメイトにガッツポーズする前澤寛(63番/AC Milan BBee千葉) 写真提供・松本力

<個人表彰>
MVP:エンヒッキ松茂良ジアス(FC ALVORADA)

MVPを受賞し賞状と盾を持つエンヒッキ松茂良ジアス 筆者撮影

Q:日本選手権でのMVP受賞について
A:今夏の全国大会でもMVPで、年2回も取るなんて思わなかった。今年は、ワールドカップ・イヤーで準備してきた成果だと思います。2回は意外でしたが、やることはやってきた結果だと思います。

Q:ワールドカップの出場が、日本選手権のレベルアップにつながっているか?
A:試合経験があれば選手としてのレベルも上がります。ワールドカップはすごくレベルが高いので、今回の日本選手権で大会に出てる選手たちもやっぱりワールドカップに出場した選手たちは目立つ存在だと思います。まだこれから成長するような選手たちも、日本選手権ではレベルアップの機会を得ることができ、すごく大きいなと思います。

Q:これからの目標を教えてください

A:国内レベルで普及活動しつつも、2024年にアジア予選が予定されているので、そこに向けて、今いるメンバーでレベルアップしながら新しい選手を発掘する。日本代表としては、2026年のワールドカップで優勝を目指すようなチームを作っていきたいと考えています。

MIP:観客の心に残るプレーをした萱島比呂(FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas)

MIPを受賞し賞状と盾を持つ萱島比呂 筆者撮影

得点王:7得点:近藤碧(FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas)・石井賢(FC ALVORADA)同得点で二人で分け合う

得点王を受賞し賞状と盾を持つ近藤碧(左)・石井賢(右) 筆者撮影

ベストGK賞:最後尾からチームを支えた長野哲也(FC ALVORADA)

ベストGK賞を受賞し賞状と盾を持つ長野哲也 写真提供・松本力

ノックアウト方式のトーナメント戦績
優勝決定戦 FC ALVORADA 6−1 FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas
3位決定戦 AC Milan BBee千葉 0 – 0 (PK:3−2) FC TS-ONE 2022 ※PK戦:3人制
準決勝1  FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas 6−1 FC TS-ONE 2022
準決勝2 FC ALVORADA 10 – 0 AC Milan BBee千葉
5位決定戦 AC Milan BBee千葉 2 – 2(PK:2-1) ガネーシャ静岡AFC ※PK戦:3人制

最終順位
優勝:FC ALVORADA
2位:FC九州バイラオール+関西Sete Estrelas
3位:AC Milan BBee千葉
4位:FC TS-ONE 2022
5位:ガネーシャ静岡AFC

(写真協力・松本力 校正・中村和彦、佐々木延江、地主光太郎)

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