関連カテゴリ: イベント, バスケットボール, 切断者, 夏季競技, 女子, 新着, 普及, 横浜, 知り知らせる, 観戦レポート, 車いすバスケットボール — 公開: 2023年4月27日 at 12:52 PM — 更新: 2023年5月6日 at 6:23 PM

車いす3×3 PushUpYOKOHAMA開催 車いすバスケの新たな可能性にチャレンジ

知り・知らせるポイントを100文字で

車いすバスケットボール3×3のイベントPushUpYOKOHAMAが、横浜市港北区のショッピングモール・トレッサ横浜で開催された。車いすバスケと3×3両方の魅力を兼ね備えた車いす3×3をお伝えします。(パラフォトも今回初掲載)

「車いす3×3(スリーエックススリー) PushUpYokohama」が4月22日、トレッサ横浜で開かれた。昨年10月に千葉で初開催され2回目の開催となった今回は、BACs/Bagsy/Hermit+/Uncle break/Wizardの5チームが参加し、鳥海連志率いるBagsyが優勝した。
選手が所狭しと3×3のコートを駆け回り、観客席に飛び込んでしまうのでは?と思ってしまう程。攻守の入れ替えも早く一瞬たりとも見逃せない。試合時間10分があっという間に過ぎ去っていく、そんな印象を受けた大会であった。

全参加選手による集合写真 筆者撮影

車いす3×3とは

東京パラリンピックで男子銀メダル女子6位を獲得した車いすバスケ。3×3はFIBA(国際バスケットボール連盟)が2007年に正式な統一ルールを設けて始まった競技。現在は167ケ国で実施されており、東京オリンピックで正式種目となった。この3×3と車いすバスケの組み合わせとなる車いす3×3。今大会は3×3の公式大会として位置付けられている。

3×3と通常のバスケとの違いの特徴的なものとしては以下がある。
・コートサイズが横15m、縦11mで、ゴールは1つ
・チームメンバーは4人で、交代は自由
・試合は10分間の1ピリオド。ただしいずれかのチームが21点を獲得するとその時点でノックアウトとなり試合終了
・アーク内の得点は1点、アーク外の得点は2点
・ショットクロックは12秒(ボールを持ってから12秒以内で攻めきる)
※3×3のルールや5人制との比較はこちら

車いすバスケ5人制との一番の違いは、各選手の持ち点の合計がコートの5人総計で14点なのに対し、3×3の場合は8.5点となること。どのように選手を組み合わせていくのかも試合の鍵となる。
※車いす3×3のルール総則はこちら

鳥海連志に3×3と5人制バスケとの違いについて聞いたところ、「オールコートではないので、スピードよりも車いすを如何に細かく使うか、よりテクニカル的な部分が光るのが3×3の特徴で、5人制のバスケとは違う面白さだと思ってます。選手が3人制でコートを使うので、より1on1のスキルが高い方がいい。連携が上手い方が得点が伸びるというのが3人制の方が5人制よりも色濃く出るのが3×3の良さ」と答えてくれた。

決勝戦 Bagsy 15-9 Uncle break

DJを務めたプロレスラーの卍丸(まんじまる)による解説とアップテンポなBGM、そして観客の声援と拍手で盛り上がる中、選手が入場した。
Bagsyは神奈川VANGUARDS(パラ神奈川SCより名称変更)の鳥海連志・高松義伸・宮本涼平・千葉ホークス平山拓臣が、Uncle Breakは千葉ホークス植木隆人・山田健二と東京COOLS永田裕幸・神奈川VANGUARDS西村元樹が出場。

決勝戦に望むBagsy(左側)、Uncle break(右側) 筆者撮影

先制したのはBagsy。平山、高松、鳥海と連続ゴールして4−0とリード。そこからお互いにシュートを決めて、6−4までUncle breakが追いかけるも、鳥海、高松の東京パラ銀メダルホットラインのゴールでリードをじりじりと広げていった。高松の2点ゴールなどもあり最後は15−9でBagsyが勝ち、優勝を決めた。
Bagsyのキャプテン鳥海は、「1回目優勝を逃して、2回目はと思って挑んだので、めちゃめちゃ嬉しいし、同世代のメンバーと一緒に優勝できたのも嬉しい。若いアグレッシブさと個々のスキルも見せつつ、全員がシュート決めたのが勝てたポイントだと思います」と喜びを語った。

ゲームを組み立て、ゴールも積極的に狙うBagsy鳥海連志(2番) 筆者撮影
鳥海連志とのホットラインパスからゴールを狙うBagsy高松義伸(4番) 筆者撮影
Uncle break植木隆人(9番)がゴール下から 筆者撮影

3位決定戦 Hermit+ 11-8 BACs

Hermit+はNO EXCUSEの森谷幸生・仙座北斗・立川光樹・LAKE SHIGA BBC三元大輔、BACsは神奈川VANGUARDSの丸山弘毅・渡辺将斗・前田柊・東京パラ出場の土田真由美が出場した。先制点はグループリーグから好調のHermit+立川。BACsが激しいディフェンスをするも、Hermit+森谷、立川がくぐり抜けてゴールを決めて8-4とリードを保つ。丸山が立て続けにゴールを決めるも、Hermit+立川、三元らのゴールで逃げ切り11−8で勝利。

[BACs土田真由美(18番)がゴールを決める 筆者撮影
Hermit+三元大輔(13番)がゴールを狙う 筆者撮影

 

準決勝・グループリーグ戦から

BACs丸山弘毅(17番)に対するBagsy鳥海連志(2番)のディフェンス 筆者撮影
Uncle break植木隆人(9番)に対するHermit+森谷幸生(15番)のディフェンス 筆者撮影
Wizard古澤拓也(7番)とHermit+仙座北斗(16番)との競り合い 筆者撮影

今回の大会に参加している選手達が真剣な中にもどこか楽しげに試合をしているのが印象に残った。次回のPushUpは5月5日にお台場肉フェスの特設会場で開催される予定となっている。GWの中日、車いす3×3の熱戦を見に行って欲しい。

試合結果

優勝チームBagsy集合写真 筆者撮影

優勝:Bagsy
準優勝:Uncle break
3位:Hermit+
4位:BACs
5位:Wizard

決勝戦
Bagsy 15-9 Uncle break

3位決定戦
Hermit+ 11-8 BACs

準決勝
Bagsy 14-8 BACs
Uncle break 11-8 Hermit+

グループリーグ
1位 Bagsy 
2位 Uncle break
3位 Hermit+
4位 BACs
5位 Wizard

Uncle break 10-7 Wizard
Bagsy 17-16 Hermit+
Uncle break 11-10 BACs
Hermit+ 6-5 Wizard
Bagsy 21-14 BACs (knockout)

(編集校正・丸山裕理)

この記事にコメントする

記事の訂正はこちら(メールソフトが開きます)