関連カテゴリ: イベント, 夏季競技, 観戦レポート, 車いすバスケットボール — 公開: 2023年5月10日 at 1:40 AM — 更新: 2023年5月10日 at 9:24 AM

車いす3×3 PushUpODAIBA開催 車いすバスケが日常に溶け込んでいる社会を目指す

知り・知らせるポイントを100文字で

車いす3×3のイベントPushUp ODAIBAが肉フェス2023内特設コートで開催。車いすバスケが身近にある社会を目指す代表者の思いと当日の試合模様をお伝えします。

「車いす3×3(スリーエックススリー) PushUpODAIBA」が5月5日、お台場青海地区P区画(肉フェス2023内特設コート)で開かれた。3回目の開催となった今回は、AKABURA/BACs/Bagsy/Balance/Wizardの5チームが参加し、鳥海連志率いるBagsyが優勝し、PushUpYOKOHAMAに引き続き2連勝を飾った。

決勝戦の試合模様とPushUp立ち上げの経緯や開催の手応えなどをPushUp代表者である鳥海連志・西村元樹・岡田慧にインタビューした内容について詳しく伝える。

決勝戦 Bagsy 7-6 Wizard

MCを務めたプロレスラーの卍丸(まんじまる)による選手紹介とDJ UEによる音楽が流れる中、観客の拍手とともに選手が入場した。
Bagsyは神奈川VANGUARDS(パラ神奈川SCより名称変更)の鳥海連志・高松義伸・宮本涼平・千葉ホークス平山拓臣が、Wizardは神奈川VANGUARDSの古澤拓也・西村元樹・埼玉ライオンズ古川諒が出場。

決勝戦に望むWizard(左側)、Bagsy(右側)筆者撮影

先制したのはWizard西村。その後Bagsy平山が2ゴール。そこからWizard古澤が決めて2-2の同点。Bagsy平山がゴールを決めるも、Wizardが西村、そして古澤の2ポイントシュートで5−3とWizardがリード。しかしここからBagsy鳥海が3連続ゴールを決め試合を6−5とひっくり返す。古澤がゴールを決めて追いつくも、最後はBagsy高松のゴールで7−6とし優勝を決めた。
今日の試合について、鳥海は「それぞれの選手が自分の役割を全うして、勝ち進んでいく。ストリート感がありながらもバチバチにガチなゲームを、たくさんの人に見てもらえたし、良い試合が多かったと思います」と振り返った。

Bagsy平山拓臣(3番)、Wizard古澤拓也(14番)のせめぎ合い 筆者撮影
Wizard古澤拓也(14番)のゴールをブロックするBagsy鳥海連志(2番)・高松義伸(4番)筆者撮影
ゴールを狙うBagsy鳥海連志(2番)筆者撮影

PushUp設立への思いと開催の手応え

ーーーPushUp設立の経緯は?
(西村)東京パラで車いすバスケがフューチャーされて盛り上がったものの、2022年になって天皇杯も開催されなくて、イマイチ盛り上りを継続できていないというのがすごくあった。もっと車いすバスケを身近に感じてもらえて、東京パラの盛り上がりを継続できるようなものを作っていきたいと話をしていたんです。その中で一個3×3っていうのがアイデアとして浮かんだ。3×3って人がいるところでやるというのがビビッと来たし、観客との距離が近い。そういう意味で車いすバスケをたくさんの人に知ってもらって、より身近に感じてもらうっていう僕らの思いにうってつけのスポーツだなと思ったんですね。

ーーーPushUp実施の意義について
(鳥海)子供たちとか大人の方もそうですけど、車いすバスケをふらっと出来る環境を作りたかった。肉フェスに来たら「バスケットやってる、ちょっとやってみようかな」ってやれるのが、これまでにない、より身近なものに感じられる大会というのが一つ。もう一つは、ふらっとやれるっていうので、パラスポーツを体験できる。街中で車椅子の方や義足の方が普通に生活している中で、何か困っていたりとか、坂道大変そうだなみたいな、こういう体験をする方がより感じられることも多いと思うし、より一緒に暮らしていく共生社会になる方向に進んでいくというのが二つめ。この二つの軸でやっています。

ーーーイベントの手応えは
(鳥海)選手たちにも高いプレーを要求していますし、それをたくさんの方に見ていただいている。リピーターの人も、今日始めての人も多いと思うし、良い環境でやれているのを、3回とも感じているので、今のところ順調に運営が進んでいっていると思います。
(西村)​​たくさん人が集まってくれて嬉しいというのと、PushUpがきっかけで車いすバスケを知ってくれた人もたくさんいると思うので、そういうお客さんが増えたというのは、僕ら自身も嬉しいなと思う。僕は3×3をパラリンピック種目にできたら良いと思っていて、FIBAポイントをつけて公式大会という、お墨付きをもらっている。僕ら自身今の現状で、来ていただいているお客さんも有難いんですけど、まだまだ満足することなくもっとたくさんのお客さんに来てもらって、もっともっと楽しんでもらって、車いすバスケが日常に溶け込んでいる位を目指したいと思ってます。
(岡田)やっぱり意義があるというのはやる度に感じています。僕が日頃関わる健常の3×3とはまた違ったお客さんの層が車いすバスケのサポートをすることが多いので、客層が全然違うし、競技とか選手に対する見守り方も違います。車いすに乗っているか乗っていないかの違い位で、これだけ可能性があるんだなっていう、今まで健常の人たちのファンがここに来てくれて、健常の大会にも車いすのファンが来てくれたら、相乗効果でいいと思うんで、そういう架け橋になるイベントになったら良いと思ってます。

ーーーPushUpの日本全国展開は
(鳥海)僕たちが主催するPushUpはまだ関東圏しかない。いずれは地方から誘致されたり、やって欲しいという声があったりして、地方にもこういう文化を残していきたい。そこは今後のプランとして考えています。
(西村)将来的な可能性はあります。ただ今は関東で僕らの形を作ってから全国展開をしていくペースかなと思ってます。全国に行く時は、選手の費用をどうするかとか、場所、見ず知らずの場所を確保できるか、人を集められるのかなど幾つか越えないといけないハードルがある。そういうのを考えるとまずはしっかりと関東で勢力を拡大して、やり方をしっかり固めて、お客さんをたくさん増やしてから全国展開しようと思います。

準決勝・準々決勝・予選から

Wizard古川諒(15番)のゴールをディフェンスするBalance椎名香菜子(21番) 筆者撮影
AKABURA赤石竜我(1番)のシュートディフェンス 筆者撮影
Wizard古川諒(15番)のシュートをディフェンスするBACs丸山弘毅(12番) 筆者撮影
ゴールを狙うBagsy高松義伸(手前) 筆者撮影

次回のPushUpは今年の秋に開催される予定だ。PushUpの最新情報を @pushup_3x3でチェックして選手たちの熱い戦いを間近で是非見て欲しい。

試合結果

優勝チームBagsy集合写真 筆者撮影

優勝:Bagsy
準優勝:Wizard

決勝戦
Bagsy 7-6 Wizard

準決勝
Wizard 15-7 BACs
Bagsy 11-7 AKABURA

準々決勝
AKABURA 13-10 Balance

グループリーグ
1位 Bagsy 
2位 Wizard
3位 BACs
4位 AKABURA
5位 Balance

BACs 9-7 Balance
Wizard 15-9 AKABURA
Bagsy 11-10 BACs
Wizard10-8 Balance
Bagsy 15-8 AKABURA

(校正・丸山裕理)

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