「東京2020パラリンピック競技大会 日本代表選手団 結団式」が8月17日、都内で開催された。会場には日本選手団団長の河合純一のほか、主将の国枝慎吾(車いすテニス)、副主将の浦田理恵(ゴールボール)、旗手の岩渕幸洋(パラ卓球)、谷真海(パラトライアスロン)が登壇した。ほか選手たちはオンラインで参加し、コロナ禍での異例の結団式となった。

東京パラリンピックの日本選手団は、史上最多の464名(選手255名、パートナー23名、コーチ・スタッフ・役員186名)が参加。自国開催ということもあり22競技すべてに日本選手が出場する。
競技と選手全員の名前、開始日程が紹介されたあと、河合団長から旗手を務める岩渕、谷に団旗が手渡された。
主将の国枝は「先日開催された東京オリンピックでは、日本の選手たちが全力でチャレンジする姿を目の当たりにして、私自身心震える場面があり、スポーツの力を国民に示してもらいました。東京パラリンピックに出場する我々も、勇気と覚悟を持って全力で戦い抜くことを誓います。また障害のあるなしに関わらず、たくさんの子どもたちに人間の無限の可能性を感じてもらえることを願います」と決意表明した。

東京パラリンピックは東京オリンピックに続いて、原則として無観客開催が決定。ただ、自治体や学校単位で児童や生徒に観戦機会を与える「学校連携観戦プログラム」が希望者のみで行われることになった。万全な感染対策のもと、子どもたちに生でパラスポーツの雰囲気と意義を感じてもらう、貴重な機会となる。
このプログラムについて団長の河合は、「コロナ禍の難しい状況の中、配慮に感謝している。学校や教育委員会ごとにご判断をしていただく形になるが、少しでも多くの子どもに会場に来てもらい、息遣いや様々なものを五感を駆使して観戦してもらいたい」。国枝も「”あの選手すごかったね!”と学校で話題が持ちきりになるようなプレーを見せていきたい」と話す。

また、2013年の東京大会招致の際のプレゼンテーションでにスピーチを行った谷は、「1年延期になったときに”教科書で見ました”と子どもから励まされることがあった。”教科書に載っている人が活躍している!”と思ってもらえるように頑張りたい」と、子どもたちから受けたエールについて語った。

今大会副主将の浦田は、2004年のアテネパラリンピックでゴールボールが銅メダルを獲得したニュースを聞いたことがきっかけで、競技を開始。2012年のロンドンパラリンピックでは金メダルを獲得した。今回の自国開催で少しでも多くの目に選手たちが活躍する姿が届くことが、誰かの人生を変えるかもしれないし、社会を変えるかもしれない。東京パラリンピックが大会を通してどんなレガシーを残すのか、これから試されるところだ。

東京パラリンピックは8月24日から9月5日までの13日間の日程で、22競技539種目が実施される。
(取材・記事 久下真以子、写真取材・秋冨哲生 編集・佐々木延江)