関連カテゴリ: BEIJING 2022, PHOTO, 冬季競技, 取材者の視点, 国際大会, 東京パラムーブメント, 知り知らせる, 観客席から, 観戦レポート, 車いすカーリング — 公開: 2022年3月9日 at 1:50 PM — 更新: 2022年3月10日 at 6:25 PM

車いすカーリングにはスイープがないけど…「ウォー」を叫ぶワケ~北京パラリンピック

知り・知らせるポイントを100文字で

オリンピックと違い、車いすカーリングにはブラシでストーンをコントロールするスイーパーはいない。スキップの王海濤は誰に向かって指示を出しているのだろうか。本人に聞いてみた。

北京パラリンピックの車いすカーリングは3月7日、ラウンドロビン(予選)の3日目が行われ、取材に行ってきた。注目したのは開催国の中国。この日は2試合が行われ、韓国には9-4、スイスには7-4で勝利し、強豪国の強さを見せつけた。

ラウンドロビンでのスイス戦でストーンを投げる王(国家水泳センター) 写真提供・OIS

オリンピックのカーリングは10エンド行われるのに対し、パラリンピックの車いすカーリングは8エンドで勝負を決する。

スイスとの試合は一進一退の攻防だった。第4エンドにスイスに2点を入れられリードされると、第5エンドで3点を奪って逆転。第7エンドをブランクエンドとし、後攻のまま最終第8エンドに突入。最後は2点を追加して7-4で勝利した。

車いすカーリングでは棒を使ってストーンを投じる 写真・中村Manto真人

車いすカーリングには、健常のカーリングのようにストーンの道筋を調節するために氷をブラシでこする「スイープ」はない。選手は棒を使ってストーンを押すように転がし、ハウスの中心に近いストーンの数を競っていく。つまり、いったんストーンを投げると、人間の手でその行方をコントロールすることができないのだ。

それにもかかわらず、健常のカーリングのような「ウォー(スイープを止めろという指示)」という掛け声が会場に飛び交う。ひときわ大きな声がこだましていたのが、中国のスキップ、王海濤(32歳)だ。

(※王選手の詳しい経歴について→平昌金の中国VSソチ金のカナダ!車いすカーリング、強豪国同士の初戦の行方は?~北京パラリンピック・DAY2

カーリング会場の国家水泳センター(2008年北京大会の競泳会場)。選手たちの「ウォー」がこだました 写真・中村Manto真人

「止まってほしい」という心の叫びなのか。本人に聞いてみると、「そうすることで、気持ちをコントロールしている」とのことだった(そして32歳には見えない貫禄だった)。

国のサポートもあって競技レベルがどんどん成長している中国。ホスト国開催で2大会連続の金メダルが取れるのか、注目だ。

この記事にコメントする

記事の訂正はこちら(メールソフトが開きます)