北京パラリンピックの車いすカーリングは3月7日、ラウンドロビン(予選)の3日目が行われ、取材に行ってきた。注目したのは開催国の中国。この日は2試合が行われ、韓国には9-4、スイスには7-4で勝利し、強豪国の強さを見せつけた。
オリンピックのカーリングは10エンド行われるのに対し、パラリンピックの車いすカーリングは8エンドで勝負を決する。
スイスとの試合は一進一退の攻防だった。第4エンドにスイスに2点を入れられリードされると、第5エンドで3点を奪って逆転。第7エンドをブランクエンドとし、後攻のまま最終第8エンドに突入。最後は2点を追加して7-4で勝利した。
車いすカーリングには、健常のカーリングのようにストーンの道筋を調節するために氷をブラシでこする「スイープ」はない。選手は棒を使ってストーンを押すように転がし、ハウスの中心に近いストーンの数を競っていく。つまり、いったんストーンを投げると、人間の手でその行方をコントロールすることができないのだ。
それにもかかわらず、健常のカーリングのような「ウォー(スイープを止めろという指示)」という掛け声が会場に飛び交う。ひときわ大きな声がこだましていたのが、中国のスキップ、王海濤(32歳)だ。
(※王選手の詳しい経歴について→平昌金の中国VSソチ金のカナダ!車いすカーリング、強豪国同士の初戦の行方は?~北京パラリンピック・DAY2)
「止まってほしい」という心の叫びなのか。本人に聞いてみると、「そうすることで、気持ちをコントロールしている」とのことだった(そして32歳には見えない貫禄だった)。
国のサポートもあって競技レベルがどんどん成長している中国。ホスト国開催で2大会連続の金メダルが取れるのか、注目だ。