関連カテゴリ: AsianParaGames, Hangzhou 2022, 中国, 国際大会, 夏季競技, 新着, 東京パラムーブメント, 車いすラグビー, 重度障害 — 公開: 2023年10月26日 at 1:40 AM — 更新: 2023年11月1日 at 12:33 PM

アジアパラ杭州、三阪洋行さんを「APCアスリート委員」に!

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APCアスリート委員に立候補している、三阪洋行さん(元・車いすラグビー日本代表、JPCアスリート委員会委員長)の選挙活動を取材しました。

中国・杭州で行われている「アジアパラ競技大会」で日本からアスリート委員に立候補しようとしているパラリンピアンがいる。元・車いすラグビー日本代表の三阪洋行さんだ。 
アスリート委員の投票は、今大会に参加するアスリートが10人の立候補者のなかから選んで投票し、5人が選ばれる。投票は、26日まで選手村の食堂で行われている。この記事では、選挙活動をする三阪さんに注目し、インタビューをした。

10月24日、パラフォト取材班でAPCアスリート委員候補の三阪洋行さんを取材しました 写真・中村 Manto 真人

ーー自己紹介をお願いします。

みなさん、こんにちは。
JPCアスリート委員会委員長の三阪洋行です。
今回この杭州アジアパラ大会中に行われているAPCアジアパラリンピック委員会のアスリート委員に立候補しています。選挙期間は大会開催中の20日からスタート、26日まで。投票権は、大会に参加する選手しか持っていないので、是非選手の皆さんのサポートを頂いて、当選した際には、次回の愛知・名古屋大会にアスリートからの声を届けられると思います。最高の大会にできるようサポートしたいと思いますので、皆さんご協力頂いて当選させて頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。

三阪洋行さん 写真・中村  Mantto 真人

ーー立候補した動機を聞かせてもらえますか?
元々2021年から、JPCのアスリート委員会の委員長を拝命して頂いて、パラスポーツ環境などキャリア形成について課題を持ってリードしていく活動をしていますが、もう少し大きいエリア、例えばアジアで広げていきたいという思いがありました。自分がやってきた車いすラグビーの方でも、アジア圏でもラグビーを普及させてくれるところが増えてきた中で、お金の問題であったりとか、用具の問題であったりとか、課題がたくさんある地域で、それをサポートしたいという思いにマッチしているからです。
もう一つ大きな理由としては、3年後、2026年は(アジアパラの)自国開催が決まっていますので、そこでホスト国の代表としてアスリートの声を届けるであったりとか、アスリートが愛知大会に参加して良かったなと思えるようにちょっとでも手助けできたらなという思いで立候補しました。

女子車いすバスケットボール、中国戦を観戦にきた三阪さん 写真・中村 Manto 真人

ーー車いすラグビーを広めたい理由は?
車いすでぶつかり合う迫力、それでいて戦術にすごく深いスポーツです。スポーツとしての魅力もある一方で、プレーしている人たちが四肢麻痺、重度障害の人たちによりあれだけの激しいスポーツができるというのも大きな魅力の一つ。
数あるパラリンピックのスポーツの中でも重度の方がするスポーツだと思うので、是非広めたい。車いすラグビーを通して世界で活躍することで得られる喜びや魅力を感じてアスリートが成長していく姿をみているので、これは多くのアジア地域でもやってみたいなという思いが強くなってきた。そうすると、日本においても課題である競技用具、車椅子の高騰化など、始めるにはハードルがあるスポーツでもあるので、そこを一緒に解決できる一つの方法として、今回の立候補につながっていると思ってます。

ーーー愛知大会をどんな大会にしたいか?
東京パラリンピックもそうでしたけど、おもてなしの心がある日本というところで、高いホスピタリティーで、参加する選手スタッフ、関係者全ての人が来てよかったと思えるような大会にしたいと思います。100点満点の大会にするのは難しいと思いますけれども、よりアスリートファーストであったり、競技に集中できる環境であったりとか。でも国や地域によって必要性って違うと思うので、私の立場としてはアスリートのそういう声を聞きながら、良い大会にしたいと思います。あとは、東京大会でやり残した無観客での開催というところ、改めてパラスポーツを多くの人に会場に足を運んでいただいて、改めてその魅力を伝えられるような大会にしたいと思ってます。

ーーもっとも伝えたいことは何?
僕自身も東京大会を視察しましたけれども、観客が入ってスポーツを見るという姿を今回久しぶりに感じることができ、あらためてスポーツはする人だけのものじゃないし、観る人とか関わる人にいろんなものを与えてくれるものだと感じました。アジアだけでもこれだけの人種の人が集まって人種を超えて一つの競技で競い合う姿は、コミュニケーションを取り合う姿が戻ってきたなぁという実感もあります。重ねてになりますけど、東京でやり残したものを愛知名古屋大会でできるように、自分のポジションでそういったことをサポートしていきたいと思ってます。そういう大会になるように一緒に頑張っていきたいと思ってます。



ーーー杭州大会の感想は?
開会式を見て、パラリンピック規模の素晴らしい準備をした大会という印象があります。選手村はアジアパラなのかなっていうくらい、これまで参加してきたような選手村の規模で、サポートボランティアに関しても十分行き届いていますし、何より会場のアクセシビリティというところもパラリンピック規模だったと思います。逆に次の開催地である愛知・名古屋は良い意味でプレッシャーだと思うので、これに負けないまた違った模索をしながら素晴らしい大会になったらと思いながら、大会を見させて頂いてます。

杭州の選手村では毎日選挙活動をしている三阪さん 写真・中村 Manto 真人

ーー地域に広めていくためには?
映像であったり、競技会場に来て競技を見るというのはもちろんスポーツの要素が強いと思うんですけど、障害のある人がスポーツをする工夫であったりとか感じられると思います。多様な違いがあっても、どうやって多様な人が一つのことをやるヒントがパラスポーツには詰まっていると思う。見にくる過程であったりとか、スポーツとして障害のある方を迎え入れるっていうことが東京大会でもありましたけど、アクセシビリティの問題とか、いろんな人に配慮してみんなが、一つの場所に集まる方法だったりとか、一つのことをやるっていうこと、ダイバーシティ&インクルージョンの考えをスポーツを通してできるっていうのはオリンピックスポーツとはまだ違う発信力や魅力があったりするかなと思ってます。

ーーありがとうございました。

三阪さんの映像はこちら
https://youtu.be/lhc9kFAyluU

(写真・中村 Manto 真人 編集協力・そうとめよしえ、中村和彦)

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