関連カテゴリ: パワーリフティング, 取材者の視点, 国内大会, 地域, 夏季競技, 女子, 普及, 東京, 東京パラムーブメント, 知り知らせる, 観戦レポート, 障害 — 公開: 2023年12月10日 at 11:45 AM — 更新: 2023年12月12日 at 9:48 AM

ロス2028に向けて、ニューフェイスたちが意気込み!~第24回全日本パラ・パワーリフティング選手権

知り・知らせるポイントを100文字で

日本を代表する寺・築地本願寺で今年も大会開催しているパラパワーリフティング。パリを目指す選手だけでなく、ロスを目指すニューフェイスたちの活躍にも注目だ!

「第24回全日本パラ・パワーリフティング選手権」が12月9日、東京・築地本願寺で開幕。2日間にわたって、戦いが繰り広げられている。

パラパワーリフティングは、下肢に障害のある選手たちがベンチプレスで記録を競う競技。胸での止めや、左右対称に上げることなど、その正確性も判定基準で、「3秒のロマン」とも言われている。健常者がベンチプレスをするときのように足で地面を踏ん張れない分、より上半身のパワーが必要とされるのがこの競技の魅力。
現在の世界記録は、シアマンド・ラーマン(イラン)がリオパラリンピックで樹立した310kgだ。

会場の築地本願寺。お堂の中で競技が行われる

今大会、初日は男子80kg級で大堂秀樹(SMBC日興証券)が登場し、180kgをマーク。2月のワールドカップドバイ大会への派遣標準記録を切り、会場からは歓声が沸き起こった。
パリパラリンピックの切符を獲得するには2024年のワールドカップに2回出場する必要があり、日本は2月のドバイ大会と6月のマンチェスター大会に選手を派遣予定だ。

大堂は北京・ロンドン・リオと出場経験があり、4回目のパラリンピック出場を目指している。「ドバイではいい結果を残して、実力でパリパラリンピックの切符をつかみ取りたい」とベテランらしく抱負を語った。

大堂秀樹(SMBC日興証券)。1試技2分の持ち時間をぎりぎりまで使うのが特徴だ

ロスを目指すニューフェイスたち

佐竹三和子(写真中/セントラルスポーツ株式会社)

日本はまだまだ世界のレベルとの差があり、大堂のように自力でパラリンピック出場を目指せる選手は多くはない。そんな中、今回の日本選手権は2028年のロスに向けて実力を伸ばそうと挑んでいる選手も多くいる。

女子41kg級で2位の佐竹三和子(セントラルスポーツ株式会社)は、56歳のニューフェイス。日本には数少ない、低身長の障害の選手だ。
50歳を過ぎたころに、通っているフィットネスクラブでバーベルを握ったのが競技の原点。その後東京都が主催している「パラスポーツ次世代選手発掘プログラム」に参加して、パラパワーリフティングに出会ったという。1年半前には「一度しかない人生だから、自分を変えてみたい」と長年勤めていた公務員を辞めて転職をし、競技中心の生活になった。

低身長の選手は腕が短い分、バーベルを上げ下げする軌道も短く安定しやすいといわれている。ただ体格が小柄な分、筋肥大がしづらいという課題もある。「だからといって負けたくない」と、ロスパラリンピック出場への闘志を燃やしている。

ロスのときには60歳になる佐竹は「人間は年齢じゃないんだ」と話す。ファンの心を動かす挙上が今から楽しみだ。

柳原愛(株式会社アイ工務店)

女子50kg級の柳原愛(35歳/株式会社アイ工務店)は、全日本選手権初出場。59kgで2位となった。「前日からすごく緊張していたが、試技を重ねるごとにほぐれていった」と振り返った。5年前に事故で胸椎を損傷して車いす生活になったあと、リハビリとして始めたベンチプレスがきっかけだ。

スポーツ庁等が取り組んでいる選手発掘事業「J-STARプロジェクト」出身で、本格的に競技に取り組んだのは昨年から。コーチや仲間などの練習環境を求めて、今年の8月からは大阪から札幌に移住。自身の成長を実感しているという。

目指すはもちろんロス。現在の女子50kg級の日本記録は66kgだが、「100kg目指したい」と宣言した。負けず嫌いと話す柳原の成長曲線に注目だ!

(校正・佐々木延江、そうとめよしえ)

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