関連カテゴリ: Tokyo 2020, トラック・フィールド, 取材者の視点, 国際大会, 東京パラムーブメント, 観戦レポート, 陸上 — 公開: 2021年9月8日 at 5:13 PM — 更新: 2021年9月19日 at 12:34 PM

まるでアベンジャーズ。選手が語った新種目「ユニバーサルリレー」の魅力

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 東京パラリンピックでは、障害や性別を超えて行われた新種目も、大会に彩りを添えた。陸上競技の混合400メートルリレー、通称「ユニバーサルリレー」の決勝が3日、オリンピックスタジアムで行われ、日本は銅メダル。会場を大いに盛り上げた。

新種目のユニバーサルリレーで銅メダルを獲得した日本 写真・中村 Manto 真人

 ユニバーサルリレーは、視覚障害、義足または機能障害、脳性まひ、車いすの順に4×100mを走る、陸上競技で唯一のチーム種目。男女2名ずつが出場してタッチを繋ぐ団体戦だ。男女の走順は自由で、バトンではなく身体のどこかに触れる「タッチワーク」を行うのが特徴。

 決勝に進出したのは、日本、中国、アメリカ、イギリスの4ヵ国。日本からは、澤田優蘭(T12/マッシュホールディングス)、大島健吾(T64/名古屋学院大学)、高松佑圭(T38/ローソン)、鈴木朋樹(T54/トヨタ自動車)が出場した。

「タッチワーク」がポイント

 2019年4月からリレー練習を重ねてきたチームジャパン。蓄積されたデータの中からベストタイムを導き出した。「全てが上手くいくと46秒05くらい。予選でタッチワークに遅れがあったので、決勝ではそこを修正しました」と、高野大樹コーチが明かす。挑んだ決勝では、日本記録を上回る47.98の好タイムをマーク。着順こそ4位だったものの、その後、2位の中国が失格となり、3位が確定。新種目でのメダル獲得を果たした。

 競技を見た視聴者の中には「(ヒーロー映画の)アベンジャーズのよう。こんなに面白い種目があるのか」と驚きの声を上げる人や「パラ陸上を生で見てみたくなった」と感想を呟く人など、陸上の面白さを伝える種目になったようだ。

第一走者、澤田優蘭(T12/マッシュホールディングス)のスタートシーン 写真・中村 Manto 真人

鈴木「すごく発見のある種目」

 第一走者の澤田は「陸上は個人種目なので、やっぱり(団体の)リレーは心強かった。たくさんの選手とスタッフで試行錯誤しながら一緒に作り上げたもの」と振り返る。第二走者の大島は「パラ陸上は義足や車いす、支えるガイドさんなど、選択肢がたくさん広がるのが魅力。さらに、リレーは選手の組み合わせや走順など、何通りにも広がっていくのが面白い」と話す。

「正直、この種目がなかったら一緒に走ることはなかったと思う」と話したのは、アンカーの鈴木。「(ガイド含む)この5人で走ることができて、今まで気にしていなかった種目も気にかけるようになったり、結果を見て刺激を貰うこともあったりした。僕にとってはすごく発見のある種目でした」と振り返った。ユニバーサルリレーには、パラ陸上の魅力が沢山詰まっている。

優勝はアメリカ。車いすレースのレジェンド、タチアナ・マクファーデンらを擁し、45秒52の世界新を出した 写真・中村 Manto 真人

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