関連カテゴリ: イベント, トラック・フィールド, 体験会, 切断者, 新着, 東京パラムーブメント, 義足, 義足アスリート, 陸上 — 公開: 2022年11月18日 at 9:09 PM — 更新: 2022年12月2日 at 11:34 PM

義足使用者の「楽しく走りたい、を叶えたい!」新潟県でブレードランニング・クリニック開催

知り・知らせるポイントを100文字で

義足で走る人のための「ブレードランニング・クリニック」では、義足エンジニア、アスリート、指導者が走りたい人の身体に合わせたフィッティングを行う。舞台を東京から新潟医療福祉大学に移して、アスリートではなく一般義足使用者が「ブレード」で走ることを想定したセッションが開催された。

10月23日、新潟県医療福祉大学で義足使用者が走るための義足である「ブレード」を使った練習会「ブレードランニング・クリニック」が開催された。
主催の新潟県医療福祉大学は、昨年NPO法人ギソクの図書館、競技用義足の開発・製造を行う株式会社Xiborg(遠藤謙代表)と協力し、学内にギソクの図書館の設置し、義肢装具士向けと理学療法士・かけっこコーチ向けにワークショップを開催した。そして今回、義足使用者やこのような活動に興味ある人に向けてブレードランニング・クリニックを開催した。

新潟の義足の図書館で開催されたブレードランニング・クリニック、大西正裕氏の指導のようす

ギソクの図書館とは、走るための義足「ブレード」を複数備えた東京にある施設だ。新潟医療福祉大学にはではその簡易版として現在子ども用のブレード12本を設置し、図書館にきた義足ユーザが自身の身体に合わせてパーツを組み合わせ、その場で走ることができるような環境となっている。

開催場所となった新潟医療福祉大学は医療系の学科が多く、3名の義足使用者と19名の義肢装具学科の学生、医療従事者含む一般からの14名が参加した。
パラリンピアンの佐藤圭太とそのコーチの大西正裕氏の指導の元、義足使用者含む全員が同じメニューで講習を受けた。大西氏は元々陸上競技者であることから本格的な陸上競技の指導が行われた。参加者らは「普段の練習とは異なりハードだが、新鮮で楽しい」と感想を口にしていた。

パラリンピアンの佐藤圭太と走る、小林宗大朗くん 

昨年、ブレードランニング・クリニックを開催した際に参加した小林宗大朗くん(5歳)は、断端が長いことや、まだ体が小さいことから、当日ブレードを取り付けることができなかった。担当の義肢装具士とXiborgが連携し、カスタムコネクタを開発すると、ブレードをつけて走ることが可能となり、その後大会に参加するほど、走ることが好きになった。今回のクリニックに参加した宗大朗くんは元気に走りまわる姿を見せてくれた。10月に行われた別の運動会でも、他の子供たちに混じってリレーにも参加することができた。

クリニック終了後は、「義足✖️陸上」をテーマとしたトークイベントが開催された。その中で大腿義足使用者の小林和夫氏(63歳)が陸上を始めたきっかけについて語ってくれた。小林さんは23歳の頃に仕事中の事故で左足大腿切断となり、2017年(58歳)の頃から陸上教室に参加している。きっかけは担当の義肢装具士から誘われたことだった。当初は「若い人がやることだから、自分には無理だ」と思っていたが、担当の義肢装具士があまりに熱心に誘ってくれたことから、引き込まれ、試してみたところ、走るのが楽しくなった。現在も継続的に走り続けている。

ブレードランニング・クリニックの後にトークセッションが行われた

2021年に行われた東京パラリンピックでは無観客ではあるものの、義足のアスリートが競技場で走る様子がテレビでも写し出され、多くの人々がその姿に感動した。一方で、アスリートではなく一般義足使用者が「ブレード」で走るには、まだまだ敷居が高い状況。その敷居を下げるため、今後も、ギソクの図書館を日本の各地に設置し、ブレードランニング・クリニックを開催していく予定だ。今年度は大分、静岡、盛岡での開催が予定されている。クリニックなどを通じてできた各地の医療従事者やユーザなどのコミュニティを全国各地に広げ、走りたいと思った方々が気軽にいつでも走れるような社会を目指す。

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