池田市の小中学校にパラスポーツを伝えるキャラバン隊がやってきた!〜共生社会ホストタウンの取り組み〜

世界でコロナが猛威を奮い、史上初の延期を宣言した東京オリンピック・パラリンピックの影響は東京だけでなく関西の子どもたちにも及んでいる。感染第3波に日々細やかな対応が求められる大阪府池田市の学校現場で、パラアスリートと一緒に体を動かし共生社会について考える授業が子どもたちに笑顔をもたらした。

池田市立北豊島小学校を訪れたパラスポーツを伝えるキャラバン隊。ともに体を動かし考える授業が開催された 写真・山下元気

「車いすだとつらいし大変なことがいっぱいあるなと思ったけど、今日の話を聞いて、大変なことはあるけど、楽しいこともたくさんあるんだなと思った」

「障害がなくても暗い人がいるのに、明るいのがすごいと思った」

「足がないのに諦めないのがかっこよかった」

「車いすバスケをやってみて、ふつうのスポーツができたと思った」

ーーーこれは、パラリンピック・ムーブメントを伝える障害のあるアスリートたちによるキャラバン隊、「パラキャン」の授業をうけた子どもたちの感想の一部である。

池田市に「パラキャン」がやってきた!

12月3日、大阪府池田市で、4人の障害のあるアスリートを講師にしたパラスポーツの授業が、市立北豊島小学校と市立石橋中学校の2校それぞれで行われた。

池田市は、同市と提携するホストタウンアドバイザーのNPO法人パラキャンの仲介により、フランス車いすラグビー連盟と事前キャンプの受け入れがきまり、2019年2月に車いすラグビーのフランス代表チームの「ホストタウン」に登録され、同年12月には「共生社会ホストタウン」にも登録された。

フランス車いすラグビーチームの円陣
リオパラリンピック(2016年)で円陣を組むフランス代表チーム 写真・中村 Manto 真人

東京パラリンピック延期に伴いフランスチームの来訪はしばらく先となっているが、池田市では「誰でも住みやすい街づくり」のための心のバリアフリー教育や観光マップ作りなど、共生社会の実現に向けた取り組みが積極的に進められている。

できないことを数えるよりも、できることを数えよう!」〜小中学生が障害とスポーツを体験。

子どもたちにパラスポーツ・キャラバンを提供する中山薫子さん(NPO法人パラキャン事務局長)は、日本でのパラリンピック・ムーブメントの先駆者である。中山さんは、阪神・淡路大震災(1995年)の翌年に開催されたアトランタパラリンピック(1996年・アメリカ)で車いすバスケットボールを観戦、インパクトある光景にアイデアを得てパラリンピアンが講師となって子どもたちに教える企画を考案、神戸市の21の学校でパラリンピック・キャラバンを始めた。

パラリンピックで車いすバスケットボールに魅了され活動を始めた中山薫子さん。20年以上の活動を続けるなかで、一貫して、誰もが多様であること、障害の有無で分けない(インクルーシブの)発想が社会の可能性を切り拓く鍵になると伝え続けている 写真・山下元気

この日もパラキャンの講師たちは手足の麻痺などで車いすを使っている人もいたが、義足を使ったり、麻痺の程度により歩ける人もいた。4人それぞれ異なる障害を持ち、それぞれの障害の程度も異なっていた。車いすバスケットボールや車いすラグビーをするために競技用の車いすを使った。

池田市立北豊島小学校では4年生の児童90名が、初めて競技用車いすスポーツで試合形式を体験したり、自分以外の友達を応援したり、互いに自由な意見や疑問をぶつけあっていた。

「素朴な疑問を当事者に投げかけることが大事だと思います。大人になるにつれてだんだん簡単に口にできなくなってしまう。小学校3〜4年ぐらいの時期にざっくばらんに障害のある人と触れ合えることは、人生の大きなヒントになるはずです」と中山さんは話していた。

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