8月24日から開幕し、各地で熱戦が繰り広げられている東京2020パラリンピック(以下、東京大会)。27日には柔道が開幕。29日までの3日間、日本武道館を舞台に開催されている。
大会2日目は、女子57kg級 / 女子63kg級 / 男子73kg級 / 男子81kg級の4階級が行われた。
女子57kg級はセフダ・バリエワが初出場で金
女子57kg級ではセフダ・バリエワ(B3:アゼルバイジャン)が金メダルを獲得。パルビナ・サマンダロワ(B3:ウズベキスタン)と対戦し、払い腰でポイントを先取すると、そのまま4分間戦いぬき死闘を制した。
サマンダロワも初出場ながら、前回の2016リオ大会で銀のルシア・アラウジョ(B3:ブラジル)、同じく前回銅の廣瀬純子(B2:SMBC日興証券)を破り決勝まで来たが、惜しくも銀だった。
銅は、ゼイネプ・チェリキ(B3:トルコ)とアラウジョ。
2012年ロンドンパラと前回での銀に続き、3度目のメダルとなったアラウジョは競技後に振り返り、「メダルを獲ることができて本当に嬉しい。自国にメダルをもたらしたいという気持ちもありましたし、家族が喜ぶことも楽しみです」とその喜びを語った。
女子63kg級もアゼルバイジャン選手が金
女子63kg級はハニム・フセイノワ(B3:アゼルバイジャン)が制し、57kg級に続き、女子はアゼルバイジャン勢が金を独占する結果となった。
前回大会の銀から東京大会で金を狙うイリーナ・フシエワ(B2:ウクライナ)と対戦し、先取した1ポイントを守り切った。
フセイノワは、金メダルが続くアゼルバイジャン勢の躍進について「監督、コーチなどいい人に恵まれていて、1日でこれだけの金を獲れるのは今までの歴史でもなかったこと。本当に最高のチームだと思っている」と誇った。
また、自身についても「ここまでずっと金メダルだけを目指してきたので嬉しい。家にいる時間もほとんどなく練習してきた。だから優勝できたと思う」と振り返った。
フシエワは、2大会連続銀を獲得した。この5年間は肩の怪我で満身創痍の状態で臨んだという。
そのなかで銀という結果を出し、この大会についても「この地に立てていることが嬉しい気持ちでいっぱいです。夢の舞台、そしてその決勝戦に立てる喜びを噛み締めた試合でした」と満足した表情を見せた。
なお、銅は王月(B2:中国)、ナフィサ・シェリプボエワ(B3:ウズベキスタン)がそれぞれ初のメダルを獲得した。
男子73kg級は”友情の”決勝戦
男子73kgの決勝はフェルズ・サイドフ(B3:ウズベキスタン)とテミルジャン・ダウレト (B3:カザフスタン)の一戦。1分42で裏投を決め一本勝ち。前回大会銅から金へと飛躍を遂げた。
競技後のインタビューでは、「彼とは友達で普段から仲がいいんです。なので対戦できて嬉しかったし、次のパラリンピックでも決勝戦で戦いたいです」と語り、友人であるダウレトとの再戦を願った。
銅はルファト・マホメドフ(B3:ウクライナ)とオスバルダス・バレイキス(B3:リトアニア)で、女子63kg級同様に両者とも初のメダル獲得となった。
男子81kg級は、前回金・銀の2選手が揃って銅に
男子81kg級では、アゼルバイジャンのフセイン・ラヒムリ(B2)が金。この日4階級中3階級がアゼルバイジャン勢と、昨日よりもさらに勢いが増した大会となっている。
ダブルホン・カロマトフ(B3:ウズベキスタン)と迎えた決勝は谷落で一本勝ち。ゴールデンスコア(延長)26秒で勝負を決めた。
銅は、エドゥアルドアドリアン・アビラサンチェス(B3:メキシコ)とイ・ジョンミン(B2:韓国)。前回大会でそれぞれ金・銀だった2選手が揃って銅という結果に。
2008年北京大会でも金のアビラサンチェスは、ロンドンパラの銅と合わせて通算4個目のメダルを獲得。競技後のインタビューに応じた際は、「私はこれまで4回出ていますが、パラリンピックを楽しんだということはなく、いつも緊張や不安がありました。でも今回は楽しんでできましたよ」と笑顔で語った。
柔道は29日が最終日。女子70kg級 / 女子70kg超級 / 男子90kg級 / 男子100kg級 / 男子100kg超級の5階級が予定されている。
今回旋風を巻き起こしているアゼルバイジャン勢がどれだけメダル数を伸ばすのか、さらに注目が集まる。
編集・校正 佐々木延江、望月芳子
ロシア語 フランス語 英語 中国語 韓国語通訳:赤須由佳