関連カテゴリ: イベント, 体験会, 地域, 新着, 旭川, 普及, 競技の前後左右 — 公開: 2023年1月15日 at 7:33 PM — 更新: 2023年1月24日 at 10:23 PM

旭川で、パラリンピアン野島弘と座って滑るスキー体験会がスタート。障害のある子どもの遊びに選択肢が広がる!

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北海道旭川にあるパラスポーツのコミュニティに、パラリンピアン野島弘さんが訪れ障害のある子どもたちとスキーで遊ぶ「座って楽しむスキー体験」が行われた。

元パラリンピック・チェアスキー日本代表の野島弘さんを迎えた「旭川 座って楽しむスキー体験」が北海道旭川のカムイ大雪(だいせつ)バリアフリーツアーセンター(五十嵐真幸センター長)主催で1月10日から開催され15人の障害のある子どもたちが「旭川サンタプレゼントパーク」に集まった。

参加した子どもたちとサポートした指導者。チェア・バイ・シット障害や好みにより3種類の座って滑るスキーが体験できる 筆者撮影

旭川、パラスポーツのコミュニティ

カムイ大雪バリアフリーツアーセンターはじめ、旭川には、国内外のパラスポーツ競技に携わる人々が中心となり長野パラリンピック(1998年)のレガシーを担うパラスポーツのコミュニティがある。2022年10月、旭川のパラスポーツの取り組み「誰にもやさしい地域づくりSST(ソーシャルスキルトレーニング)」が認められグッドデザイン賞を受賞した。

日本のパラクロカンのホームゲレンデである「富沢クロスカントリースキーコース」では、パラクロカンの全国大会や日本代表選手の発掘、強化、普及活動が行われている。

2015年に開催されたIPCクロスカントリースキーワールドカップ旭川大会への来場を歓迎する広告 筆者撮影

2015年にはアジア初となったIPC(国際パラリンピック委員会)クロスカントリースキー・ワールドカップが開催され、旭川地域のパラスポーツ関係者、ファンにとって嬉しい思い出として語り継がれている。

チェア・バイ・シット 座って滑る体験会

サンタプレゼントパークの斜面を座って滑る。野島さんと参加者 筆者撮影

そんな旭川に、長野・トリノ(2006年)パラリンピック日本代表のパラリンピアンの野島弘さんが訪れた。子どもたちのサポートには、旭川のパラスポーツ指導者に混じってプロスキーヤーの庄司克史さんも加わった。
野島さんは選手引退後、日本チェアスキー協会でジュニアの指導をするほか、障害のある子どもが遊びや学びに主体的に取り組むための一般社団法人ZENを立ち上げ、障害のある子どもたちの活動を率いている。パラリンピック金メダリストとなった村岡桃佳が子どものころ最初にチェアスキーを教えたのも野島さんだった。

バイスキーに乗る子どもと野島さん 筆者撮影

これまでの旭川での座って滑るスキー体験会は、ノルディック競技のシットスキーと、2本のスキー板で滑り降りるバイスキーが中心だったが、野島さんがきたことで、パラリンピック・アルペンスキー競技のチェアスキーが加わって体験の幅が広がった。

チェアスキーに乗る体験者とサポートするプロスキーヤーの庄司克史さん

2日目は「特別支援学校や介護施設向けオンラインツアー」を手掛ける旅介ちゃんねるとカムイ大雪バリアフリーツアーセンターの共催で、座って楽しむスキー体験のオンライン配信ツアー(生中継)が行われた。レポートは、脳性麻痺のある当事者で、東京パラリンピックNHKレポーターの千葉絵里菜さんと、旅介オンライン添乗員のしょーたこと磯谷翔太さんで、チェアスキー体験を生中継したほか、野島さんの滑りをカメラマンがバイスキーで追いかけ、その様子を特別支援学校や高齢者施設などへ配信した。

旭川 座って楽しむスキー体験を中継した旅介ちゃんねるのサポーターと主催者の記念撮影 筆者撮影

配信のあとも、野島さんと、思い思いのスキーに乗った子どもたち、ガイドの人たちは暗くなるまで座って滑るスキーを楽しんだ。
「少し待たせてしまった人もいましたが、緩やかな斜面で、初めての体験にはすごく良いコース」と、野島さん。旭川での座って楽しむスキー体験は、進化したコミュニティとして障害のある子どもと親、旭川の人々をつないで始まった。

暗くなるまでスキーを楽しんだ野島さんと体験者の子どもたち 筆者撮影

<参考>
旅介ちゃんねる「旭川 座って楽しむスキー体験」
https://tabisuke-pv.jp/tabisuke_kamui20230111/?fbclid=IwAR29LihNqtKfvGnFY5qApwDs_WhcDU5BzMvp85LZzG2MWO_8ZucVJqdz5qo

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