9月15日(現地時間)競技8日目、カヌー女子カヤック(KL1)決勝に日本の瀬立(せりゅう)モニカ(18歳・筑波大)が出場した。
カヌーは今大会から採用された競技で、選手が一人乗りのカヤックに乗って200メートルの順位を争う。
瀬立は昨日行われた予選でグループ4位、準決勝でも6人中4位(うち一人は途中棄権)に入り、今日の決勝進出を決めた。
決勝のレースでは好スタートを切って先頭争いに加わるが、後半に失速し、最後はトップと10秒以上の差をつけられ1分9秒193の8位でゴールした。
このクラスでは、イギリスのジャネット・チピングトンが優勝した。
レース後瀬立は、「決勝で漕げた嬉しさと、ビリになってしまった悔しさとで、今はよく分からないですね。スタートはずっと練習してきたので、決勝でもいいスタートができたのは嬉しいです。後半は足が暴れてしまって失速してしまったのが悔しい。体幹の効く選手もいるなかで、体幹の効かない私が同じKL1というクラスで戦う難しさも感じました」と、クラス分けのあるパラスポーツなれではの苦悩を語った。
瀬立は高校の体育の授業中に倒立前転をした際、脳と胸椎を損傷。下肢の筋肉に力が伝わらない「体幹障害」と診断された。
「でもこの悔しさをバネにして、4年後の東京では表彰台に立ちたい。そのためにまた明日から練習します」悔し涙を流しながらも、4年後に向けての再スタートを誓った。
「今日もスタート前にモニカコールが聞こえて、地元開催のような感覚になれました。本当に色々な人に支えられてレースに出られていることを実感します。たくさんの人が、カヌー新競技なんでしょって声をかけてくれて、認知度の広がりも感じました」
18歳で出場した初めてのパラリンピックで決勝の舞台に立ち、嬉しさと悔しさの混じる涙を流した瀬立。4年後の東京では、表彰台の上で嬉し涙を流す彼女の姿が見られることを期待したい。