来年3月に開催されるミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピックに日本人勢初の出場内定を獲得した、車いすカーリング。日本が車いすカーリングでパラリンピックに出場するのは2010年のバンクーバー大会以来とあって、注目が集まっている。

そうしたなか、都立施設で初となるアイスリンク「東京辰巳アイスアリーナ」が9月6日、東京・江東区にグランドオープンした。都内で車いすカーリングを通年で楽しめる場所として、パラリンピック後の競技の普及と発展に期待が寄せられている。
日本車いすカーリング協会によれば、現在、協会に所属する車いす選手が練習している主な施設は、関東中部エリアだと、軽井沢アイスパーク(長野県)、カーリングホールみよた(長野県)、小瀬アイスアリーナ(山梨県)。関東にカーリング専用の施設はなく、同エリアに暮らす選手にとって移動の負担が少なくなかった。

このたび東京都に開業した辰巳アイスアリーナは、47m×17mのサブリンクにカーリングシートを常設。季節を問わず一年中、カーリングを楽しむことができる。また、施設内にはスロープやバリアフリートイレが新設され、車いすでの移動もしやすくなっている。

車いすカーリング選手の安杖直人はビデオメッセージを寄せ「東京でカーリングができるというのは、ものすごく画期的なこと。関東圏の子どもはそうした恵まれた条件にあるので、アリーナをたくさん活用して、カーリングに親しんでもらいたい」と、次世代に期待を寄せた。
今年3月にイギリスで行われた車いすカーリング混合ダブルスの世界選手権で優勝し、来年のミラノ・コルティナ大会への内定を決めた小川亜希は「これから世界へ羽ばたくトップ選手が育つ場所として、また家族で楽しめる場所として愛される施設になることと思う。私もここでカーリングができると考えると今からワクワクする」と話し、関東の新たな拠点の誕生に喜びを語った。


(校正・佐々木延江)






