ミラノ・コルティナ2026パラリンピック競技大会に出場した車いすカーリング混合ダブルス日本代表は9日、ラトビアと対戦。準決勝進出はならずも“諦めない魂”を見せた。
大一番の相手は、新鋭国ラトビア
準決勝進出をかけた大一番。中島洋治・小川亜希ペアが挑んだのは、同じく3勝3敗で並ぶラトビアだった。
ここまで勝率は並ぶも、勢いは対照的。ラトビアは開幕3連敗からの3連勝と波に乗っており、特に韓国戦では最後まで粘り勝ちして勢いをつけていた。2022年北京大会で初めて車いすカーリングに参戦した新鋭国のラトビア。ロズコワとラスマンスのペアは、2023年世界選手権で金メダルを獲得した実力者だ。
一方の日本は、2025年世界選手権を制して今大会の切符をつかんだ強豪ペア。互いに譲れない準決勝への道をかけ、氷上で激突した。

■ 第1エンド
日本は小川のドローショットがガードに当たり、流れをつかめない。中島のショットでハウスに寄せるも、ラトビアは落ち着いたデリバリーでガードを固める。小川のラストショットは自石に当たり、計測の末ラトビアが2点先取。ラトビアの精度が光り、日本は氷の読みが合わず苦しい立ち上がりとなった。
■ 第2〜3エンド
ラトビアはガードとドローを的確に重ね、日本の攻撃を封じ込める。日本は狙いがわずかに外れ、ハウスに入れられない場面が続く。
第3エンドではラトビアが3点を奪うビッグエンド。0-5と大きくリードを許した。
■ 第4エンド
ガードが並ぶ難しい展開の中、日本は諦めず攻め続け、小川のラストショットで2点を奪取。2-5と反撃ののろしを上げた。
■ 第5エンド
ラトビアは再び精度の高いドローで主導権を握る。日本はテイクアウトを狙うもわずかに届かず、ラトビアが4点を追加。2-9と苦しい展開に。
■ 第6エンド
日本はガードを重ね、相手の侵入を阻む作戦に切り替える。中島のショットも冴え、小川のラストショットで2点を返す。4-9と意地を見せた。

■ 第7エンド
追い上げたい日本はドローを狙うが、わずかに流れる。ラトビアは冷静に日本の石を弾き出し、さらに1点を追加。ここで日本はコンシードを申請し、4-10で試合終了となった。

16年ぶりパラの舞台。さらなる高みへ
日本代表はラトビアの選手と固い握手を交わし、互いの健闘を称え合った。
16年ぶりにパラリンピックの舞台へ戻ってきた日本車いすカーリング。小川・中島の両選手にとっても、2010年バンクーバー以来の大舞台だった。今大会、日本は厳しい試合が続く中でもアメリカ、イタリア、エストニアに勝利し、最後まで諦めない姿勢を貫いた。韓国戦の大敗からも気持ちを切り替え、何度も立ち上がる姿は、多くの人に勇気を与えた。試合後、コーチから「よく頑張った」と声をかけられた中島の表情には、やり切った安堵と誇りがにじんでいた。
今回の敗戦は、決して後ろ向きなものではない。
日本代表ペアが見せた“諦めないショット”は、確かに観る者の胸を打った。
次のパラリンピックでは、さらに高みへ。
日本代表の挑戦は、まだ終わらない。
<カーリング用語集>
・ドローショット(狙った場所に静かに石を置くショット)
・テイクアウト(相手の石を弾き出すショット)
・ガードストーン(相手の攻撃を防ぐために前方に置く石)
・ハウス(得点エリアの円)
・ボタン(ハウス中央の最も得点価値が高い位置)
・デリバリー(石を投げる動作)
・コンシード(逆転が難しいと判断し試合を終了すること)
(編集・校正 丸山裕理)






