公開: 2026年6月5日 at 13時28分 — 更新: 2026年6月5日 at 19時56分

愛知・名古屋2026アジアパラへ 水泳日本代表推薦選手39人を発表

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パラ水泳日本代表推薦選手39人が決定した。東京2020からパリ2024、シンガポール2025世界選手権、ワールドシリーズ富士・静岡を経て迎える愛知・名古屋2026アジアパラ。代表候補の顔ぶれから、日本パラ水泳の現在地と未来への継承を読み解く。

メダル獲得を見据えた高水準の選考

今大会は愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の代表選考会を兼ねて開催された。

身体・視覚障害クラスの上垣匠強化プログラムリーダーは、大会前から「自国開催でのメダル獲得を最優先目標」と位置づけていた。個人種目に加えリレーも含め、50個を超えるメダル獲得を見据えた高い派遣標準記録を設定したが、多くの選手がこれを突破。「アジアパラに向けて良い滑り出しができた」と手応えを語った。

ベテランが支える日本代表

男子50m平泳ぎで49秒41(868ポイント)の高得点で優勝を飾り、金メダルを手にする鈴木孝幸(GOLDWIN/SB3)写真・秋冨哲生

身体・視覚障害クラスでは、パラリンピック4大会連続メダリストの鈴木孝幸(GOLDWIN)が派遣A標準記録を突破。「まずは日本代表になることを目標にしてきたので、その目標は達成できた」と語った。

男子100m平泳ぎ、オリンピックメダリストでタッパーを務める星奈津美氏(右)とともにスタート地点に現れた木村敬一(東京ガス/SB11)決勝で1分15秒03(946ポイント)をマークして力泳した。 写真・秋冨哲生

木村敬一(東京ガス)も100mバタフライなどでA標準を突破。「開催国ですので、しっかり記録でホストできれば」と自国開催への思いを口にした。

女子50m自由形A決勝の直後、健闘を称え合う辻内彩野(左)と都甲万結(大分パラ水連/S9・右)。 写真・秋冨哲生

また、前回の杭州アジアパラで種目不成立により出場機会を失った辻内彩野(三菱商事)は、「アジアは絶対に全種目で切ろうと決めて大会に挑んだ」と語り、見事にA標準を突破。愛知・名古屋では「見に来てよかったと思ってもらえるレースをしたい」と意欲を見せた。

大会初日から王者の貫禄を見せつけ出場3種目で優勝した山口尚秀(四国ガス/ S14) 写真・秋冨哲生

知的障害クラスでは山口尚秀(四国ガス)が男子100m平泳ぎなどでA基準を突破。「名古屋の皆さんの応援が励みになるので、しっかりベストを出したい」と語った。

女子100m平泳ぎ決勝後、固く手を握り合う木下あいら(左)と芹澤美希香(右)。お互いの存在を心から喜んだライバルの絆が垣間見えた瞬間だった。 写真・秋冨哲生

さらに、難病から復帰した木下あいら(個人)は200m自由形、200m個人メドレーなど4種目でA基準を突破。復活への確かな一歩を刻んだ。

次世代の躍進と広がる可能性

今大会では若手選手の成長も目立った。

男子400m自由形で力強い泳ぎを見せる中学2年生の山田龍芽(宮前ドルフィン/S6)。昨年の国際大会デビューから1年、自己ベストを10秒以上も縮める5分39秒22を叩き出しアジアパラ派遣A基準突破を果たした。日本チームに大きな期待を抱かせる。 写真・秋冨哲生

男子400m自由形で自己ベストを10秒以上更新し、派遣A標準記録を突破した中学2年生の山田龍芽(宮前ドルフィン)は、「去年と同じように緊張したが、レースでは気持ちを切り替えられた。本当にうれしい」と笑顔を見せた。

女子200m自由形A決勝で力泳する中学生の佐藤璃來(S14)。海外の強豪と堂々と渡り合い自己ベスト(2分17秒67)を更新。 写真・秋冨哲生

知的障害クラスでも中学生の佐藤璃來(個人)らが厳しい基準を突破し、次世代育成の成果を示した。

男子50m背泳ぎ表彰台。中央は35秒43(991ポイント)の高得点で優勝した日本の田中映伍(S5)。左は2位に入った日本の日向楓(S5)、右は3位のLeslie Cameron(NZL/S4)。 写真・秋冨哲生

また、メダル獲得の可能性を広げるため、非パラリンピック種目への挑戦も進められている。田中映伍(東洋大学)が専門外の200m個人メドレーでA標準を突破するなど、自国開催大会ならではの戦略的な選考も見られた。

ベテランの経験と若手の勢いが融合した39人の推薦選手たち。愛知・名古屋2026へ向け、日本パラ水泳は確かな歩みを進めている。

愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 競泳競技 日本代表推薦選手

日本パラ水泳連盟 計27名
<派遣A標準突破者(18名)>
荻原虎太郎(あいおいニッセイ同和損保/S8)100m背泳ぎ、4×100m34ptフリーリレー、4×100m34ptメドレーリレー
笠本明里(神戸楽泳会/S13)100m背泳ぎ、100m平泳ぎ
川渕大耀(NECグリーンスイミングクラブ溝の口/S9)400m自由形、200m個人メドレー
川辺多恵(株式会社東和エンジニアリング/S10)100m自由形、400m自由形
木村敬一(東京ガス/S11)100m平泳ぎ、100mバタフライ
久保大樹(クボタロジスティクス/S10)100mバタフライ、400m自由形
窪田幸太(NTTファイナンス/S8)50m自由形、100m背泳ぎ
齋藤元希(株式会社スタイル・エッジ/S12)100m背泳ぎ、100m平泳ぎ、200m個人メドレー
鈴木孝幸(GOLDWIN/S4)50m自由形、50m平泳ぎ、100m自由形
田中映伍(東洋大学/S5)200m自由形、200m個人メドレー
辻内彩野(三菱商事/S12)50m自由形、100m自由形、200m個人メドレー
富田宇宙(EY Japan/S11)100m自由形、200m個人メドレー、400m自由形
西田杏(シロ/S7)50mバタフライ
福田果音(ときわスイミングスクール曽根/S9)50m自由形、100m自由形、100m平泳ぎ、200m個人メドレー、4×100m34ptフリーリレー、4×100m34ptメドレーリレー
松永琴寧(立教大学/S10)100m背泳ぎ、400m自由形
水上真衣(東京ガス/S8)100m自由形
南井瑛翔(トヨタ自動車株式会社/S10)100mバタフライ、200m個人メドレー、400m自由形
山田龍芽(宮前ドルフィン/S6)400m自由形

<派遣B標準突破者(6名)>
石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼/S11)50m自由形
井戸夢翔(日本福祉大学/S10)100m背泳ぎ
宇津木美都(大阪体育大学/S9)100m平泳ぎ
岡島貫太(セントラルコンコルドグループ/S9)100m自由形、4×100m34ptメドレーリレー
都甲万結(大分パラ水連/S9)50m自由形
前田恵麻(福井工業大学/S9)200m個人メドレー、4×100m34ptフリーリレー、4×100m34ptメドレーリレー

<21歳以下派遣標準突破者(2名)>
今村菜月(大体大浪商/S9)400m自由形
上園温太(中央大学/S10)400m自由形

<リレー選考選手(1名)>
坪井弘恭(宮前ドルフィン/S8)4×100m34ptフリーリレー

日本知的障害者水泳連盟 計12名

<派遣A基準突破者(9名)>
木下あいら(個人・大阪府/S14)200m自由形、100m平泳ぎ、100mバタフライ、200m個人メドレー
佐藤悠人(イトマンスイミングスクール向山校/S14)100m平泳ぎ
佐藤璃來(個人・東京都/S14)200m自由形、100m背泳ぎ、100mバタフライ、200m個人メドレー
芹澤美希香(宮前ドルフィン/S14)100m背泳ぎ、100m平泳ぎ
坪井夢輝(ビートスイミングクラブ小城/S14)200m個人メドレー
直井駿弥(ジェイビーシー株式会社/S14)100m平泳ぎ
松田天空(NECフレンドリースタフ株式会社/S14)100mバタフライ
村上舜也(NECフレンドリースタフ株式会社/S14)100mバタフライ、200m個人メドレー
山口尚秀(四国ガス株式会社/S14)100m平泳ぎ、200m個人メドレー

<次世代派遣基準突破者(3名)>
入谷友子(香川県手をつなぐ育成会水泳部/S14)100m平泳ぎ
籠瀬嶺(野村不動産ライフ&スポーツ株式会社/S14)100m背泳ぎ
牧山和樹(NECグリーンスイミングクラブ溝の口/S14)100m背泳ぎ

選考会の会場となった静岡県立水泳場 写真・秋冨哲生

※推薦選手。正式な日本代表選手団は今後の手続きを経て決定される。

<参考>
電子書籍:シンガポール・レポート「トヨタ世界パラ水泳選手権シンガポール2025──7日間の熱狂の記録」(Amazon)
https://amzn.asia/d/0gdZGgcC

(校正・そうとめよしえ)

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