千葉市にある青葉の森スポーツプラザ陸上競技場で、4月7日、障害の有無に関わらず参加できるスポーツイベント「第4回アスリート・スポーツ交流会in 千葉」が開催された。
![青葉の森スポーツプラザで「第4回アスリート・スポーツ交流会in 千葉」開会式](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_2681.jpg)
主催者の塩家吹雪氏(シオヤレクリエーションクラブ/以下SRC)は短距離陸上の選手を引退後、視覚障害の選手の伴走者としてパラリンピックに出場するほか、数々のランナーをサポートしパラ陸上に貢献する短距離陸上の指導者である。
開会式で、塩家氏は「障害は、個性である」とメッセージした。それは、塩家氏の原動力になっている、亡くなった弟からのメッセージだった。取材者をふくめ、参加していた子どもたち、保護者、ボランティアの人々の心に響いた。今年は過去最多になる約130人の参加者があった。
<工夫されたデモンストレーション>
開会式が終わると、アスリートらによるデモンストレーションが行われた。
まずは、トップアスリート、マラソンのオリンピアン・土佐礼子が走る速度でSRCのメンバーがトラックを走ってみせ、誰もがテレビなどで目にするマラソンという長距離種目の速さを再現、実際の速度を目の前で見る体験をした。
![モンストレーションとしてトップランナーのマラソンの速度をトラックで体感してもらう。走るのはSRCのメンバー。スタートを待つ](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_2706.jpg)
つぎに、短距離・ハードラーの吉岡康典が跳躍する時は、子どもたちを自分が飛ぶハードルの下に座らせ、飛び越えるというパフォーマンスを行った。
![ハードルのデモンストレーションでは、短距離・ハードラーの吉岡康典が子どもたちを自分が飛ぶハードルの下に座らせ、飛び越えてみせた](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_27711.jpg)
デモンストレーションの最後は、来年に迫る東京パラリンピックへ注目のアスリートが登場。義足の走高跳・鈴木徹の跳躍だ。鈴木は2メートルを飛ぶ義足のハイ・ジャンパーとして知られている。はさみ跳び、背面跳びと成功させ、どちらも美しいフォームが見ている人を魅了した。
![義足の高飛び2メートルジャンパー・鈴木徹の背面跳び](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_2802.jpg)
<体験会 〜いよいよ、待ちに待っていた子どもたちの体験〜>
鈴木徹が指導する高跳びの体験会では、子どもたちは普段学校ではあまりやらない背面跳びにチャレンジ。マットに慣れることに始まり、マットに飛び込み、最後は高跳びのバーではなく、鈴木選手が持ってきたゴムのバーを飛び越えた。マットや堅いバーにぶつかるという恐怖がなく、飛ぶ楽しさから子どもたちに自然に笑みがこぼれていた。
![お父さんに抱っこしてもらいながら走高跳に挑戦した子どもは「お父さんのおかげでできた!」と、終始笑顔ではしゃいでいた](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_3038.jpg)
1番盛り上がっていたのは、義足と車椅子の体験ができるブースだった。そこで指導にあたっていたのは、日本の義足アスリートを支える義肢装具士の臼井二美男氏。臼井氏は、大腿義足の(ベテラン)アスリート・手塚圭太ほか、SRCの車椅子アスリート3名を中心にボランティアと協力して子どもたちと楽しむ様子を見守った。障害のない子どもたちは、見たことのない競技用の義足や車椅子に興味津々な様子だった。
![義足のアスリートやトップ選手をサポートする義肢装具士さんらと記念撮影する参加者](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_3143.jpg)
参加者は、障がいの有無に関係なく「走る」「飛ぶ」ということを楽しんだ。
このようなイベントが筆者の地元でもある千葉で行われていたこと、これからも各地で開催されることが楽しみだ。
![全ての選手のデモンストレーションが終わり、誰もいない陸上競技場を思うがままに走っていたと子ども](https://www.paraphoto.org/jp/wp-content/uploads/2019/04/IMG_2891.jpg)
<参考>
SRCシオヤレクリエーションクラブ
https://src-first-hp.jimdo.com
(編集:佐々木延江)