公開: 2026年3月9日 at 13時44分 — 更新: 2026年3月9日 at 13時51分

【車いすカーリング】日本、執念の逆転劇!ビッグエンド連発で準決勝へ望みつなぐ8–3の快勝!

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車いすカーリング混合ダブルスに出場している日本代表ペアは3月8日、エストニアとの第6戦に8–3で勝利。3勝3敗で2位に並び、準決勝へ望みを繋いだ。

車いすカーリング混合ダブルスに出場している小川・中島ペアが3月8日、エストニアとの大一番で劇的な逆転勝利を収めた。

車いすカーリング混合ダブルスで日本はエストニアを8–3で撃破し、準決勝進出へ望みつないだ(写真・中村 “Manto” 真人)

試合はミラノ市内の競技会場 「パラロッツァーノ(Allianz Cloud)」 で現地時間3月8日14時30分、日本時間22時30分に開始された。

車いすカーリング混合ダブルスは、男女1名ずつのペアで戦う新種目。氷上でストーン(重い石)を滑らせ、的(ハウス)の中心に近づけて得点を競う。通常のカーリングと違い、スウィーピング(ブラシでこする動作)がなく、戦略とショット精度がより直接的に勝敗へ影響するという特徴がある。

ドローショット とは、ストーンをゆっくり滑らせ、ハウス(的)の中に止めるショット。「置きにいく」ショットで、得点をつくる基礎となる。テイクアウト(ヒットショット) とは、相手のストーンに当てて弾き出すショット。相手の得点を消したり、ハウスを整理したりするために使われる。この2つのショットが、試合の流れを大きく左右する。

試合開始直後から、エストニアは正確なドローショットを連発。

(写真・中村 “Manto” 真人)

日本は第3エンドまでに0–3と苦しい展開に追い込まれた。
しかし、ベンチの空気は沈まない。
そこにあったのは、焦りでも笑顔でもなく、静かに燃えるような落ち着き。
「まだ流れは来る。必ずチャンスはある」
そんな確信が、選手たちの表情から伝わってきた。
勝負の流れを変えたのは第4エンド。

(写真・中村 “Manto” 真人)

中島選手のドローショットが、ハウス中央の“ボタン”に吸い込まれる。エストニアが入れ返すも、中島が落ち着いて相手の石を弾き出すテイクアウトを成功。
エストニアはタイムアウトを取るが、ショットが自国の石に当たる痛恨のミス。
ここで小川選手が冷静に相手の石を弾き、日本が3点を奪うビッグエンドに。
スコアは3–3、日本が完全に息を吹き返した。

休憩に入った日本代表の表情は、決して浮ついたものではなかった。
そこにあったのは、奥に秘めた自信と、後半に向けた揺るぎない集中。
コーチの言葉に耳を傾ける選手たちの視線は鋭く、一つひとつの指示を逃すまいと深くうなずく。もぐもぐタイムでエネルギーを補給しながらも、その目はすでに後半の氷を見据えていた。
静かだが確かな手応え──
その空気が、チーム全体を包んでいた。

(写真・中村 “Manto” 真人)

第5エンド、中島のドローが決まり、日本が1点をスチール。第6エンド、中島が相手の石を正確に外し、自分の石を残す高難度ショット。エストニアのダブルテイクアウトは失敗し、日本が再び1点をスチール。スコアは5–3、日本が逆転。

氷上の空気は完全に日本のものになっていた。互角の立ち上がりから、中島のドローが再びボタン(中央の一番小さい円)付近に止まり日本が優位に。エストニアはガードに当たるミスが続き、小川のラストショットも確実にハウスへ。最後はメジャー(距離測定)の結果、日本の石がわずかに近く、3点を獲得。スコアは8–3となり、勝負はほぼ決した。

反撃の糸口をつかめないエストニアは、第8エンド途中でコンシード(ギブアップ)を申請。
日本代表が堂々の勝利を収め、準決勝進出を懸けたラトビア戦へ勢いよく向かう。

萩原コーチは、前日の過ごし方について「昨日は、まずはしっかり休んでもらうことに集中しました。そして試合前には、『まずは5試合お疲れ様でした。あと2試合、しっかり勝ち切らなければいけない状況です。それぞれが思い描くパラリンピックがあると思いますが、後悔だけはしてほしくない。終わった後に“やり切って良かった”と思えるように、私たちも全力でサポートするから頑張ろう』と伝えました」と振り返る。

今日の勝因は「直近の敗戦では、ドローウエイトのアジャストが相手より少し遅れていたという課題がありました。しかし今日は、後半にこちらが流れをつかみ、アイスに対応できて良い形を作れたことが大きかったと思います。投げの幅の感覚も戻ってきて、選手からも“読めてきた”という声が聞けました。そこから自信が生まれ、試合の流れが変わったと感じています」とした。

また、飯野コーチは「今までやってきたことを思い出し、ひとつひとつを“最後”という気持ちで取り組んでほしいと思っています。皆さんの応援や、自分たちがどうなりたいのかという原点にもう一度立ち返って、試合に向かっていきたいです」と次戦へ意気込んだ。

(写真・中村 “Manto” 真人)

(編集・校正 丸山裕理)

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